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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

「1868 戊辰戦争」Solo-Play AAR Part.1

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4月のゲームマーケットで購入した「1868 戊辰戦争」にようやく着手。とりあえず1回ソロプレイしてみることに。本来は軍マーカーだけを盤上に置いた方が動かしやすいのだけれど、ユニット数の多寡がわかるように、あえてそのままスタックとして積んでみた。

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ゲーム開始時点(1868年4月前半)、すでに無血開城された江戸には、薩長土佐兵を中心とする新政府軍スタックが積まれている。対する旧幕府軍は、上野寛永寺彰義隊が立て籠もり、国府台には江戸を脱した西洋式幕軍歩兵・伝習隊や新撰組などが集結している。裏返しになっている関東諸藩ユニットは、一応、新政府軍に恭順しているものの、他のユニットに進入された場合にはダイスで反応を判定し、武装解除(除去)、恭順、黙認、参戦(敵対)となる。もし新政府軍が上野寛永寺を支配すれば、すべての関東諸藩は、新政府軍側について行動するが、ゲーム開始時点では上野寛永寺への攻撃は許可されておらず、新政府軍が作戦カードNo.1「大村益次郎」を引いて使うまで待たなければならない。

ちなみに今回のソロプレイ開始時では、新政府軍の作戦カードは「伊地知正治」「スナイドル銃」(ともに火力+1)、「一揆」3枚という手札だった。対する同盟軍の初期手札は「勝海舟」(大村益次郎効果を1ターン遅らせる)「大鳥圭介」(損害無しに強行軍が可能)「渋沢成一郎」(振武軍ユニット登場)「一揆」2枚。すでに同盟軍の手元に「勝海舟」がある以上、新政府軍の彰義隊討伐は遅れそうだ。

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一方、東北戦線では、会津藩庄内藩が同盟軍として存在し、これに対して新政府軍は海路、仙台近郊の岩沼に奥羽鎮撫総督・九条道孝を送り込み、仙台、米沢、盛岡、久保田藩等に対して、会津藩追討令を下しているものの、いずれの東北諸藩もゲーム的には中立状態にある。こちらも第3ターン以降、同盟軍が要地(上野・横浜・白河・新潟)のうち1カ所を支配したうえで、「世良参謀暗殺」カードを使えば「列藩同盟」が結成され、仙台藩、南奥羽諸藩が同盟軍に参加する。さらに「白石会盟」カードを使えば、米沢藩、越後藩も同盟軍に参加し、盛岡藩の参戦には「楢岡佐渡」カードが必要と、このあたりの参戦条件はあらかじめ確認しておかないと。

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また、北越戦線には、河井継之助とガトリング砲で有名な長岡藩スタックがあり、こちらには後々、新政府軍の増援部隊が送り込まれてくる予定。

まず第1ターン(1868年4月前半)。新政府軍は「三井組」(戦略移動2倍)カードを獲得。同盟軍は「林忠崇」カードを引いたので、増援ターンに遊撃隊ユニットを得て、「渋沢成一郎」カードもあったので振武軍ユニットも配置することに。配置するのは関東の宿駅ポイントならどこでもいいが、せっかくなので史実通りに、遊撃隊は木更津に出して撤兵隊と合流させ、振武軍は飯能に登場させた。

そして作戦チット引きによる行動フェイズ。これも初動がよくわからないので史実を参考にしてみた。新政府軍は、東北では、あまりやる気の無い仙台藩大隊1個をダイス判定になんとか成功させて白河に送り込んで防備を固め、北陸では、松代藩スタックを小千谷まで前進させて長岡藩との戦闘に備えさせた。

同盟軍の庄内藩は、清川、湯殿に1個大隊ずつを分散させ、中央の鶴岡に反撃スタックを置くという構え。いや、それでイイのかどうかわからないが。また館山沖にあった第二長崎丸などは常陸沖に回航。これも史実では、榎本艦隊脱走より前に移動して、青森をぐるっと回って庄内藩の援護に向かったらしい。

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そして新政府軍は、チットで先手を取り、江戸城から佐賀・鳥取藩などのユニットを引き抜いて、流山にいた旧幕軍・誠忠隊を除去。これによって旧幕軍主力の伝習隊スタックが北関東へ逃れる脱出路を塞いだ。新政府軍はさらに戦略移動チットで、横浜にいた佐賀藩主力(アームストロング砲装備)を流山の部隊に合流させた。

後手に回った同盟軍は、江戸近辺の旧幕軍をどう逃すか悩まされた。新政府軍との衝突を避けるなら、東金経由で太平洋沿岸の鉾田あたりまで逃げられるし、水戸藩部隊を蹴散らせば、北関東へ戻って白河を攻撃できる。とは言え新政府軍に先手を取られると、太平洋岸に追いやられたまま孤立しかねない。

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ようやく第1ターン最後になって旧幕軍チットが来たので、伝習隊スタックは、ええいままよとばかりに流山の佐賀藩スタックに攻撃を仕掛けた。しかしここで新政府軍は火力+1の「伊地知正治」を発動。頼みの伝習隊第1・第2大隊が次々後退させられ、残る新撰組などの攻撃もまったく効果無く、伝習隊スタックは国府台に後退した……というところで第1ターン終了。うげー、こんな江戸近辺で揉めてる場合じゃないのに。

第2ターン(4月後半)。新政府軍は「西郷隆盛(チット追加)」カードを、同盟軍は「山川大蔵(会津藩の火力+1)」カードを獲得。同盟軍は早速このカードを使い、会津藩3個大隊で白河を攻撃。何とか二本松諸隊を追い出してこの要地を確保した。

また同盟軍は、戦略移動によって(前ターンで考えていたように)伝習隊スタックを太平洋岸の鉾田まで脱出。さらに拠点からの連絡線は通っていなかったが、旧幕軍作戦チットの際に「大鳥圭介」カードを使って損耗無しで強行軍させ、水戸へ突入。水戸藩部隊を除去した。取り残された遊撃隊スタックに対しては、流山から佐賀藩スタックが攻撃を仕掛け、撤兵隊1ユニットを除去して後退させた。

第3ターン(閏4月前半)。新政府軍はようやく「大村益次郎(上野攻撃可能)」カードが手元に来た。また「陸奥一揆」カードを使用して、白河の背後である勢至堂峠に一揆を起こさせた。同盟軍は「白石会盟」カードを獲得。同盟軍は要地・白河を奪ったおかげで回復値も上がり、すでに除去されていた誠忠隊、撤兵隊ユニットが会津若松に復活。たぶん、残存兵が延々ここまで歩いてきたのだろう。また旧幕軍と会津ユニットがスタックしているために、双方の作戦チットで動けるというメリットもある。早いとこ伝習隊スタックも会津に入れて、各地で複合勢力スタックを組みたいところだ。逆に新政府軍は白河を奪われたため、引けるチット数が1減じられたので、早々に上野なり白河を取り戻して戦況を優勢に持ち込みたい。

新政府軍は、東征大総督チットの際に「大村益次郎」カードで上野寛永寺の攻撃許可を得ようとしたが、もちろん同盟軍は「勝海舟」カードでこれを1ターン延期。仕方なく佐賀藩スタックで遊撃隊を攻めたが、特に損害を与えることなく後退させたのみ。

一方、白河占拠で勢いに乗る同盟軍は、会津若松から誠忠隊+白虎隊スタックを出し、勢至堂峠の一揆を鎮圧(子供に対ゲリラ戦をやらせるな)。伝習隊スタックは、水戸から茂木藩に入ったが、茂木藩はこれを黙殺してスルー。どうぞお通りくださいと、そのまま伝習隊は黒羽藩に進んだが、こちらは徹底抗戦の構え。いや、よりによってスペンサー銃と大砲で武装した黒羽藩が参戦しなくてもいいのに。一応、黒羽藩大隊は後退したものの、白河の手前の芦野に陣取るという面倒な展開に。そして遊撃隊は、戦略移動を用いて水戸まで後退。順調に同盟軍は会津へと集結しつつある……

しかしここまで両軍、戦況を大きく動かす上野寛永寺攻撃や、世良修蔵暗殺からの奥羽越列藩同盟結成という流れに全然なっていない。まあ、ここから先の第4ターン以降は、新政府軍の増援部隊も続々と現れるはずなので、まだまだ戊辰戦争は序盤……(part.2へ続く)