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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【全域戦場 Joint All Domain Operation】空母戦闘群・接近阻止/領域拒否(A2/AD)対抗演習 Carrier Battle Group A2/AD Exercise Solo-Play

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久しぶりに「全域戦場 01-A (台湾編・海空戦)」をソロプレイ。今回は想定シナリオ4「空母戦」に挑戦。攻撃側アメリカ軍の空母戦闘群(CBG)が、台湾本島に艦載機の攻撃フォーメーションを送り込めれば勝利。防御側中国海軍がそれを阻止できれば勝利という、いわゆる接近阻止/領域拒否(A2/AD)的なシナリオになっている。シナリオ開始時点では、アメリカ海軍は、中国軍の超水平線レーダーの範囲外にあり、中国海軍はすでに台湾本島を越えて外洋に進出している。まあ、完全規模のシナリオなら、海上自衛隊まで出撃してきそうな位置だが、あくまで空母部隊の運用を学ぶための練習シナリオなので。

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攻撃側アメリカ海軍は、空母ロナルド・レーガン(CVN70)を中心として、タイコンデロガ級巡洋艦(CG71)、アーレイ・バーク駆逐艦(DDG76、DDG77、DDG78)が随伴している。空母レーガンには、FA-18EFスーパー・ホーネット戦闘攻撃機4ユニット、EA-18Gグラウラー電子戦機3ユニット、E-2Dアドバンスド・ホークアイ早期警戒機2ユニット、MH-60Rシーホーク・ヘリコプター4ユニットが搭載。各巡洋艦駆逐艦にもシーホークが搭載されている。またロサンゼルス級攻撃型原潜(SSN71)も、空母群とは別に活動。また各艦には、アウトレンジ攻撃を想定して、RGM-109Eトマホーク巡航ミサイル(射程22ヘクス)を多めに積載してみた。

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対する中国海軍は、空母遼寧(CV01)を中心として、南昌(055)型大型駆逐艦1、昆明(052D)型駆逐艦2、徐州(054A)型フリゲート2が随伴し、さらに漢(091)型攻撃型原潜1も、やはり別働隊として活動する。空母遼寧には、J-15B(Su-27SK フランカーBの中国バージョン)戦闘機2ユニット、Z-18F対潜ヘリコプター3ユニット、Z-18Y早期警戒ヘリコプター3ユニットを搭載。各駆逐艦フリゲートにも、Z-9C、Z-20対潜ヘリコプターが搭載。こちらは逆に、迎撃戦闘を想定してHHQ-9対空ミサイルを多めに積載。

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まず第1ターン、第1航空作戦フェイズ。先攻アメリカ海軍は、空母レーガンからFA-18EF+E-2D各1ユニットを上空戦闘哨戒(CAP)に高空で配置。さらにもうワンペア、FA-18EF+E2Dのコンビを、レーガン戦闘群から4ヘクス先に先行させた。E2D早期警戒機は、航続距離は17ヘクスだが、大型目標探知距離13ヘクスと同じ分の航続距離を消費すれば、大型哨戒区域を設定できるので、4ヘクス移動して13航続距離を消費したと。E2Dの探知能力は「W(自動的に敵を発見)」なので、これで13ヘクス先の大型目標まで自動探知できる。この高度が中空や低空の場合、探知距離が制限される(高高度ほど遠くまで見れる)。

後手の中国海軍も、J-15B+Z-18Y各1ユニットを上空戦闘哨戒(CAP)に配置。Z-18Y早期警戒ヘリの大型探知距離は6だが、飛行高度は中空域までに制限されている。遼寧戦闘群の中で最も探知距離が長いのは、南昌(055)型大型駆逐艦の小型目標6/大型目標7ヘクスなので、レーガン戦闘群を探知するなら、超水平線レーダーに期待するか、7ヘクス以内に近づくか、J-15B戦闘機(探知距離3/4ヘクス)が1ユニット余っているので、それを接近させて探知させる手もある。しかし当然、E2D早期警戒機に自動探知され、FA-18EFが迎撃してくるので、手が出しにくい。

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続く第1海上作戦フェイズ。先手アメリカ海軍は、レーガン戦闘群を前進させ、中国軍の超水平線レーダーの探知範囲に入ったものの、中国側は探知失敗。逆にレーガン戦闘群に先行するE2Dは、探知範囲に入った遼寧戦闘群の座標位置を特定した。ここでアメリカ海軍の戦闘艦4隻が、それぞれトマホーク巡航ミサイルを2ヒットずつ合計8ヒット発射。これに対して遼寧戦闘群もHHQ-9対空ミサイル10ヒットで迎撃し、全弾撃墜した。

続く第2航空作戦フェイズ。アメリカ海軍は、すでに遼寧戦闘群の位置を特定したものの、彼我の距離は14ヘクス。FA-18EFスーパー・ホーネットの航続距離は11ヘクスなので、まだ攻撃範囲内ではない。一応、航続距離を+50%増加できる「長距離搭載」ルールもあるが、その場合は空戦力、兵装の搭載数が-50%となるため断念した。また攻撃隊にEA18Gグラウラーも随伴させるなら、その航続距離は9ヘクスとさらに短いので、もっと接近する必要がある。

さらに第2海上作戦フェイズでも、レーガン戦闘群は再びトマホーク巡航ミサイル8ヒットを放ったが、これまたHHQ-9H対空ミサイルに全弾撃墜、完封された。

第3海上作戦フェイズ。中国側の超水平線レーダーは、いまだにレーガン戦闘群を捕捉できていない。そのレーガン戦闘群は三度トマホーク巡航ミサイル攻撃を継続。ここで遂に中国側の弾数が減り、かろうじて迎撃をかいくぐった1発が空母遼寧に向かったが、これは電子防御判定で回避され、結局これもまた完封。しかしこれで双方、巡航ミサイルと、区域防空ミサイルをほぼ使い切ったことになる。

第2ターン。すでに両戦闘群の距離は10ヘクス。第1航空作戦フェイズ、先手アメリカ海軍は、まだ攻撃隊を発艦させない。後手の中国海軍は、空母部隊より手前に哨戒区域を設定しようと、J-15Bを出撃させた。当然これはアメリカ側の哨戒範囲に探知され、遊弋していたFA-18E/Fが迎撃に向かい、空戦となった。第1空戦ラウンド、E2Dの探知支援を受けたFA-18E/Fが先手を取ったものの、攻撃はハズレ。後手のJ-15Bは、ヒットを与えたものの、FA-18E/Fに回避されノーダメージ。第2空戦ラウンドも同様にお互いダメージを与えられぬまま、双方とも母艦に帰還。これでお互い1艦載戦闘機ユニットをこのターン中は使えなくなった。

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第1海上作戦フェイズの後、第2航空作戦フェイズ。遂に空母レーガンから攻撃隊が発艦する。まず露払いのFA-18E/Fに対して、空母遼寧上空で哨戒中だったJ-15Bが迎撃にあたり、またもお互いノーダメージのまま、双方とも母艦に帰還。しかしこれで空母遼寧上空には、まったく直掩機がいなくなった。ここで攻撃隊のFA-18E/Fが、LRASM(長距離対艦ミサイル)を4ヒット発射。これに対して遼寧戦闘群は、すでに区域対空ミサイルを使い切っていたため、近接対空ミサイルHHQ-10の12ヒットで迎撃。1ヒットが再び空母遼寧に向かったものの、やはりこれも撃墜された。しかしこれで中国軍は、近接対空ミサイルもほぼ使い切ったことになる。

ここで空母レーガンの哨戒機以外、両軍の艦載機はすべて帰還し、非活性化された。ターン終了時の維持フェイズで再び整備されるが、それまでこのターン中は活動できない。第3ターンになれば、再び両軍とも艦載機を使用できるが、そうなると遼寧戦闘群は再び、空母レーガンの航空戦力に押されて、対空ミサイルがほとんど無い状態でまた対艦攻撃を受けなければならない。それはさすがに分が悪いということで、ここで撤収することに。一応、あと1ヘクス前進すれば、中国側も巡航ミサイルYJ-18(射程8ヘクス)で攻撃できるが、アメリカ側は迎撃ミサイルを残しているので、結局は完封されるだろうと。

まあ、お互い、どのように相手の手数を減らしていくか、封じていくかが問題で、今回の戦闘手順にしても、こういう御作法で良かったのか、もっと良い手があるのか、よくわからない。そして潜水艦も配置してみたけれど、とてもそこまで動かす余裕が無かった。まだまだ練習プレイを続けてみよう……