Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】「Twilight of the Reich」

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プレオーダーしていたAdvanced Squad Leader(ASL)の新作モジュール「Twilight of the Reich(帝国の黄昏)」が到着。こちらは一応コアモジュール扱いだが、特定の国籍カウンターセットではなく、WWII欧州戦線の末期市街戦セットというくくり。既存の市街戦ヒストリカル・モジュール(スターリングラード戦やマニラ戦)で導入されたさまざまな市街戦ルールや、末期戦ルールをコアルールにも取り込み、一般的(非ヒストリカル)な地図盤を用いてプレイするためのセットという位置づけ。

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地図盤は、縦長のレギュラーサイズではなく、横開きサイズ&両面印刷の4枚。市街戦モジュールとしては当たり前の話だが、頑丈そうな石造建築物ばかりで目眩がしてくる……(^_^;)

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オーバーレイ・シートも9枚入り。広大な墓地や、線路とそれに連なる鉄道施設、いかにも工場のような大型建造物が多い。

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カウンターシートは2枚。まず1枚は、ドイツ軍の末期SS(武装親衛隊)ユニット、二線級の国民擲弾兵ユニット等。末期SSユニットは、クラス上昇(ルールA15.3)による置き換えカウンターがより細分化されている。これはブダペスト市街戦を扱った「Festung Budapest」で導入され、同梱されていたカウンターと同じで、それが今回コアルールにも組み込まれた。しかしSSユニット、黒地に白抜きではないからナチスをカッコ良く描いているわけではありませんという建前のはずだが、ルール的にはある意味、優遇というか、精鋭として表現されているんだよなあ。

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もう1枚は、スターリングラード戦モジュール「Valor of the Guards」でも登場したソ連のNKVDユニットと、各国の突撃工兵ユニット(爆薬マーク入り)、枢軸中小国用のV号パンター戦車やヘッツアー駆逐戦車、鹵獲T-34戦車など。また、やはり既存の市街戦ヒストリカル・モジュールで導入された都市の破片(Debris)マーカーや、貨車(Rail Car)マーカーもあり。

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シナリオは17本収録。ほとんどのシナリオが情報量が多く、シナリオカード2枚以上から構成されている。特にベルリン最終戦を扱ったシナリオ305は、カード4枚から成り、地図盤は1枚しか使わない割に、ソ連第1ウクライナ方面軍と第1白ロシア方面軍とドイツ軍プレイヤーの3人で競うという、ミニ・キャンペーンゲームみたいな内容になっている。また末期戦セットと言いつつ、最初のシナリオ2本は1941年、42年の東部戦線モノだったりする。ブダペスト戦シナリオも多いが、これは「Festung Budapest」のヒストリカル地図盤を使わずにプレイするもの。

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それから初めて見る、迫撃砲用のカードが3枚入っていたけど、これ定番化するのかな。

 

というワケで、このセットが必要な人は『ヒストリカル・モジュールで触れた市街戦/末期戦ルールで、一般的な地図盤シナリオも遊びたい!』という人か、『ヒストリカル・モジュールは持っていないけど、一般的な地図盤で末期市街戦シナリオを遊びたい!』というASLerになるだろうか。自分は単なるコレクターとして手元に持っておくか、という感じ。まあ、ASL製品を買うたびに思うけど、どっかの時点で集中的にプレイした方がいいよなあ……特に老眼が酷くなる前に……(すでに車輌カウンターの数値が見えにくい、明日で55歳)