イタリアの新興メーカーAdvancing Fireが出版した、ASLヒストリカル・モジュール第1弾「Brevity Assault」が到着。プレオーダー価格93ユーロ(約11700円)。発売後は103ユーロ(約12980円)になっている。お題はタイトル通り、イギリス軍がリビア・エジプト国境地域で行ったブレヴィティ作戦を含む、1941年5月~6月の、ハルファヤ峠、フォート・カプッツオ周辺の戦闘を扱っている。このメーカー最初の製品(しかもイタリア製)なので、さてどんな出来かなと、お試しの意味も含めて買ってみた。
まず、本作で最も特徴的なのは、作戦マップ上で部隊を動かし、それによってキャンペーンゲームを進める方式を採り入れていること。作戦マップと言っても、B4弱ぐらいのサイズの地図で、ポイント・トゥ・ポイント式に、ハルファヤ峠やカプッツオが配置されている。そのポイント毎に、既存のASL地図盤の組み合わせ例が載っており、進入した方向やらなんやらで、個別に戦闘を解決していく仕組み。まあ、戦術級ゲームでは良く見るアイデアだが、意外とASLでは珍しく、しかも製品版として発売されたものも少ないのではないだろうか。
こちらが、作戦マップ上に配置する部隊カウンター。戦闘はあくまでASLとして解決するので、このカウンターそのものには能力値は無く、配置面と機動面があるだけ。ちなみに多少、イタリア軍やイギリス軍のASL追加カウンターも入っているが、カウンターシートの「抜き」はちょっと甘い感じ。まあ、いきなり本家MMPクオリティを求めるのも酷よね。
シナリオは7本、キャンペーンゲームは3本収録。本作に収録された、ハルファヤ峠とソルーム以外の戦場では、既存のASL砂漠地図盤が必要になる。もちろんカウンターとしては、ドイツ軍用に「Beyond Valor」、イギリス軍用に「West of Alamein(砂漠ルールと砂漠地図盤)」、イタリア軍用に「Hollow Legions」が必要と。 そういや、そろそろ「Hollow Legions」の新版もプレオーダーに上がるかな。
こちらがハルファヤ峠のヒストリカル地図盤。2枚構成で、かなり細長い戦場になっていて、我が家のテーブルには乗り切らない。まあ、88mm砲とイギリス軍戦車隊の戦闘になるから、レンジは長いし、どちらか1枚しか使用しないシナリオもあるので、一応実プレイも出来るかな。しかし地図盤自体の紙質はペラペラで、耐久性は低そう。平地の色も2枚で微妙に違っているので、次作からもっと頑張ってほしい。
こちらはソルームの地図盤。こちらもペラい紙質だが、サイズ的には我が家のテーブルにもOK。とは言っても、やはり主戦場というか、メインディッシュはハルファヤ峠戦だよな。
まあ、あれこれ書いたけれど、作戦マップを使うという実験精神は評価したいし、北アフリカ戦のASLヒストリカル・モジュールも、正規には発売されていないので、興味深い企画だと感じている。ハルファヤ峠戦というのも、北アフリカ戦の中ではメジャーだろうし。今のところヒストリカル物は、コレクション的に集めているだけだが、いずれ「Hollow Legions」が再版されたり、砂漠用のセットが発売されたら、プレイ候補に入るかも。
ちなみにこの「Brevity Assault」と同時発売されたのが、シチリア島でのヘルマン・ゲーリング装甲師団の戦闘を扱う「Biazza Ridge」。こちらも買うか迷ったが、今回はあくまでAdvancing Fireの味見ということでスルーした。ASL製品は(特にサード・パーティ製品は)、全部買おうとするとキリが無いので、どこかで諦めないとね。