メルカリにて、アバロンヒル社「Firepower」(ホビージャパン日本語版)の中古品を購入。英語版は1984年発売、日本語版は1986年発売だが、当時どちらも買って、後にどちらも手放してしまった。最初、英語版が輸入された時、これは面白そうだと思って入手して、後に日本語版も買ったぐらいには気に入っていた作品。気に入った理由は後述するが、いろいろ思い出深いゲームなのでまた手元に置きたくなったと。
テーマは、1950年代~1980年代の歩兵戦闘を、1ユニット=1人の個体級で表現したゲーム。今で言えばサバイバルゲームとか、FPS(First Person Shooting)を、ボードゲーム化したようなものだ。
架空の戦場を模した地図盤が4枚収録。1ヘクス=5ヤード(4.572m)、1ターン=30秒というスケール。
建物に関しては別途、2階を表すディスプレイも用意されている。
兵士ユニットは、2プレイヤー用に各32人ずつ用意されている。表面はすべてライフル(RFL)装備だが、裏面は軽機関銃(LMG)、短機関銃(SMG)、火炎放射器(FTR)、拳銃(PST)、携帯ランチャー(MPL)、擲弾筒(GLR)、迫撃砲(MRT)、中機関銃(MMG)となっている。
ルールブックには、各国軍の分隊構成が書かれており、これを選択し、装備データを適用することで、先ほどの歩兵ユニットが、アメリカ軍としてもソ連軍としても陸上自衛隊としても使用できる。ちなみに陸上自衛隊の機械化歩兵分隊は、軽機関銃1、携帯ランチャー1、ライフル8、装甲兵員輸送車1という構成である。しかしもっと重要なのは、各国分隊の練度によって、1ターンに活性化できるチット(シークエンスユニット)数と、一度の活性化で何回行動手順(インパルス)が得られるかが違うという点だ。
このゲームは、両軍がシークエンスユニットと呼ばれるチットを無作為に引いて、それぞれ複数の活性化手順=マルチインパルスを行う。しかし何枚チットを投入できるか、何回インパルスが行えるかは、それぞれの軍隊によって異なる。最も練度が低いレベルだと、チット3枚/インパルス2回。これが練度が上がってくると、チット4/インパルス2とか、チット5/インパルス3(イギリス軍空挺分隊)とか、チット6/インパルス3(ソ連軍コマンド分隊)となってくる。
各インパルスで、各歩兵は4移動力まで、指揮官は5移動力まで消費して行動が行える。移動力消費は、単純にヘクスを移動するだけでなく、射撃する、白兵戦を行う、塀を越える、伏せから立つ、武器を拾う、窓を開けるなど結構細かい。また、指揮官が兵士のいるヘクスに入って、その兵士たちを強制的に活性化する(つまりケツを蹴る)ことも可能。
個人的には、この「Firepower」が、自分が初めてプレイしたチット引きシステムゲームだったと思う。当時、このシステムに触れて『なんだこれ、画期的!』と感じたのが、英語版を買った後、わざわざ日本語版も買った理由だと思う。
歩兵武器はデータ化され、発射速度、射程と命中率、移動力修正(武器の重たさ)、かがんだり伏せたりして撃てるかどうか等が記されている。単純に「半自動ライフル」などと汎用化されている武器もあるが、AK47だの、M60機関銃だのといった違いも一応表現されている。また、各武器には購入ポイントが設定されているので、自分の好きな武器を装備した架空の軍隊を創ることも可能。これについても後述……
歩兵の状態も「伏せ(P)」「かがむ(C)」「走る(R)」「低速(S)」「気絶(STN)」「釘付け(PIN)」「制圧(SUP)」など、さまざま。しかし今の時代の目から見ると、こういったマーカーもイラストや色分けするなどして、もっとわかりやすくしてほしいが、そこは40年近く昔の作品なので致し方なし。
また選択ルールながらも、TRPGのように個人の特性をダイスで決定する、キャラクター作成ルールも用意されていた。当時、このルールと、武器購入ルール、さらに分隊編成ルール(チットとインパルス数も買える)を組み合わせて、歩兵版「エリア88」のように、ごちゃ混ぜの各国武器を装備した架空の傭兵分隊を作ってプレイしていた。まあ、自分の傭兵分隊はめちゃ精鋭にして、格下のゲリラ分隊などと戦わせ、いわゆる『俺Tueee』ソロプレイをしていたと。映画で言えば「エクスペンダブルズ」「コマンドー」みたいなものだけど、それはそれで面白かったなあ。それもこのゲームを気に入っていた理由のひとつ。
ちなみにユニットは少ないが、車輌カウンターも用意されている。
もちろん車輌もデータカード化されている。一応、1980年代精鋭のM1エイブラムズ戦車なども用意されているが、車輌にしろ歩兵武器にしろ、自作できる程度のパラメーターなので、今時の車輌や武器データを作ってしまえば、21世紀の戦争としても遊べるんじゃないかなと。あと、無人機のルール作るとかね。
そんなワケで、昔なじみのウォーゲームをまたひとつ再購入してしまい、コレクションを再建しているような気がするが、それもまた良しということで……