Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】ニコラ・ル・ルー「フランスの宗教戦争」

文庫クセジュの新刊「フランスの宗教戦争」を購入。1562年~1598年にかけて、八次にも渡って繰り広げられたフランスの内戦について簡単にまとめられた一冊。内戦とは言っても周辺諸国も参入しているし、宗教戦争とは言いつつもフランス貴族の派閥争いでもあり、なかなかこう、白黒はっきりつけにくい戦争なのだが、一応は当時、誰がどのような思想や思惑で動いていたかが概説されている。しかしその思想にしても、キリスト教の宗派的な言い分については、こちらもたいして詳しくないため、いったい何をモメているのか、キリスト教史的な素養も必要だなあと感じた。

もちろん本書も、当時のフランス宗教戦争のウォーゲームの参考書にと買ってみたが、個々の会戦についてはさほど詳しく触れられておらず、単純に「勝った/負けた」程度の記述になっている。

巻末には簡単な地図も付されているが、こんなこともあろうかと14年前に買っておいたオスプレイの「The French Religious Wars 1562-1598」(こちらは図版多数)を引っ張り出して、戦況図やら人物の肖像画などを眺めつつ補完している。

ちなみにフランス宗教戦争のウォーゲームとしては以前、Vae Victis誌の付録「Paris vaut bien une messe ! (パリはミサに値するか)」をプレイしたものの、すでに手放してしまったため、手元にはもう1個も残っていない。近年もこの手の会戦級ゲームや、フランス宗教戦争全体を扱ったゲームも出ているようだが、個人的にこの時代から興味が離れているので、今すぐ何かプレイする感じでもない。

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さらに言うと、2011年に制作したフランス宗教戦争の15mmウォーゲーム・ミニチュアがまだワンアーミーずつ残っているので、ルールブックもあるし、これをプレイするという手もあるのだけれど、2012年以降、仕事が忙しくなって作れなくなり、これも死蔵中。まあ、ウォーゲーマーも長くやっているといろいろ歴史があるもので……