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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Wheel」The Battle of Austerlitz:Approach to Battle Solo-Play AAR Part.1

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先日購入したTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズ「Napoleon's Wheel」から、1805年12月のアウステルリッツ会戦(三帝会戦)シナリオをソロプレイすることに。今回は、決戦日シナリオ(Day of Battle)ではなく、決戦前日(12月1日)の布陣から扱う接敵シナリオ(Approach to Battle)を選んでみた。OSGサイトでは全シナリオの両軍配置表がPDF化されているので、それをダウンロードしてユニットを配置。いつものように、隠匿ルールは省略するけれどカードプレイは導入と。

しかし、よく会戦級ゲームでユニットを配置すると「なんでこんな布陣になっているんだよ」とゲーム的に、また個人的に納得いかないケースがままあるが、この接敵シナリオであれば、ある程度は自分の裁量でユニットを配置できるのが良いところ。

とは言え対仏連合軍(オーストリア=ロシア)は、すでに6個軍団に対してフランス軍右翼へ向かうよう、行軍命令を出している。兵力的に劣勢なフランス軍(ナポレオン)は、連合軍を罠にかけるため、この前段階で、あえて地形的に有利なプラッツェン高地から撤退し、わざと戦力を薄くして右翼に連合軍を誘い込んでいる。この誘いに乗っかった形で、連合軍は主力をわざわざ遠いテルリッツ(Telnitz)、ソコルニッツ(Sokolnitz)方面に向かわせている。まあ、史実的な陰謀ルールか。

もちろんゲーム的には、そんなところにフランス軍主力はいないので、もっと違うところに部隊を送り込みたいが、各軍団長が指揮チェックに成功すれば行軍命令をキャンセルできる。今回も、ある程度までは行軍命令通りに進むとしても、どこかで行軍命令をキャンセルしようと思う。一応、連合軍は初手のモードカードで「早期の到着」(カードNo.5)を引いたので、第1ターンに限っては全ユニットが指揮下として移動可能になった。

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ちなみにフランス軍も、連合軍が行軍命令をキャンセルして正面から攻めかかってくることを予想し、スールト率いる第4軍団を南寄りに展開させ、空いた正面には第1ターン増援の第1軍団(ベルナドット指揮)を入れるなど、戦力調整を行っている。またフランス軍もモードカード「補充」(カードNo.4)を引いたので、ステップロスしていたユニットを8戦力分、復活させた。

この接敵シナリオは、1805年12月1日14時ターンから始まるが、今回は史実の天候を採用するため、翌15時ターンから「霧」(移動力-1、砲撃不可)となった。

さらに17時ターンからは日没後の薄暮ターンとなり、行軍命令を受領していないユニットはイニシアチブ移動のみとなる。この薄暮ターンは3ターン続いた。

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薄暮ターン(19時~20時)が終わって両軍の状況。画像が暗いのは、わざと夜間の雰囲気。

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連合軍は「クトゥーゾフ元帥」(カードNo.20)を活性化。これがロシア第4軍団の行軍命令をキャンセルさせ、フランス軍正面、ベルナドット麾下のフランス第1軍団と接触。小競り合いの後、翌日の決戦を待つ形となっている。しかしその脇を通過している、オーストリア第6軍団はいまだ事前の行軍命令通り、目的地に向かっている。

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フランス軍もカードプレイにより、本来より3ターンも早く、増援のフランス第3軍団(ダヴー)指揮を戦場に呼び寄せた。フランス第3軍団の先鋒はすでにテルニッツに入り、ここを目的地として行軍してきたロシア第4軍団と接触している。またフランス軍は、カードプレイによって第5軍団、騎兵軍団の増援も呼び寄せている。

この後、夜間ターンが3ターン続き、行軍命令を受領している軍団は引き続き移動したが(騎兵は3移動力、歩兵は2移動力のみ)、戦闘は発生しなかった。

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日が変わって12月2日6時ターン。まだ夜明けターンなので、薄暮と同様、イニシアチブ移動のみ。天候も「霧」が3ターン続くため、この後の7時ターン、8時ターンは日中だが移動力-1、砲撃不可となる。史実では、連合軍が8時ターンに攻撃を開始しているが、それでは不利な天候下で攻撃することになる。

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やはり霧が晴れた9時ターンから攻撃を開始すべし……ということで、五里霧中の7時ターン、8時ターンはさらに細かく布陣を調整することにした。

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そして8時ターン終了時がこちら。前日からここまで12ターン、ほとんど戦闘は無く、ただ布陣に専念してきたが、このプロセスを面白いと思うかどうかよね。これで次の9時ターンから霧も晴れ、いよいよアウステルリッツ会戦の火蓋が切って落とされる。それについては次の記事にて……