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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【The Libarary of Napoleonic Battles】「Napoleon Against Russia」The Battle of Borodino(210th Anniversary) Solo-Play

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ようやく夏休みに入ったので、先日購入した「TLNB:Napoleon Against Russia」をソロプレイすることに。まずはメインシナリオとも言える、ボロディノ会戦(1812年9月7~8日)を配置。そろそろ210周年でもあるし。今回もソロプレイなので、隠蔽ルール(両軍スタックの上に国旗マーカーを被せて戦力内容を隠す)は省略。まあ、実際このように指揮官やユニットの数値が見えていた方が写真映えもするし、戦闘経緯もわかりやすい。

こちらは攻めるフランス軍。左翼にウジェーヌの第4軍団、中央にネイの第3軍団、中央と右翼にダヴーの第1軍団という陣容。その後方には、ジュノーの第8軍団と、ミュラ麾下の第1~第4騎兵軍団が、さらにその後方には親衛軍団が控えている。また画面では見切れているが、右翼後方にポニャトウスキーの第5軍団もあり。しかしフランス軍は長駆ロシアに攻め込み、すでに消耗しているユニットも多々ある。

こちらは守るロシア軍。右翼にバルクライ率いる第1西方軍、左翼にバグラチオン率いる第2西方軍が展開している。しかしこの両司令官は反目しており、双方の軍ユニットはスタック不可、共同攻撃不可となっている。首都モスクワ目前まで攻め込まれてそんなことをしている場合でもないだろうが仕方ない。またロシアの近衛軍団(ゲーム上は第5軍団表記)を率いるコンスタンティンは、現地に向かっている最中のため、代理指揮官カウンター(「La Patrie en Danger」に入っている)が置かれている。

また両軍ともにスタック制限を超過したスタックも見受けられるが、これは最初の移動フェイズが終了するまでに適正量のスタックに変えておきなさいよと。

使用ルールは、最新のTLNBver7.35。自分が以前プレイしたのはver5とか6だった気がするが、今一度、最新ルールをざっと眺めて差分もチェックした。目立ったところでは、ターン手順として「防御側砲兵の反応射撃」→「攻撃宣言」→「攻撃側砲兵の射撃」という区分に明確化されたのと、同一師団スタックであれば最良のユニットのイニシアチブ値を用いてチェックを行い、成功すればスタック全体が活性化される(6.34)というあたり。以前は1ユニットずつ判定を行い、バラバラに動くことも多々あったので、これでより同一師団スタックの良さが際立つかなと。森ヘクスに対する砲撃も半減になったり、市街ヘクスでは「DR*」も「Shock」に変換されたりと、細かい変更もあり。

イベントカードは使用。第1ターンには両軍とも1枚ずつモードカードを引いたが、両軍とも「早期の到着」だったため、どちらも第1ターンは全軍が指揮下=移動・戦闘可能となった。

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そして第1ターン(1812年9月7日0700時)、先手ロシア軍は、陣地マーカー(防御力2倍)と肩を並べるように部隊を配置し、前線を強化。小川と斜面(防御力1.5倍)も利用しつつ、フランス軍の攻撃に備えた。その一方、史実通り、右翼からプラトフ、ウラソフの騎兵部隊をフランス軍後背に送り込むべく、その部隊を前進させつつある。

対するフランス軍も、正面のダヴー、ネイ、ウジェーヌの各軍団を前進させたものの、このターンに接敵したのは左翼のウジェーヌ第4軍団のみ。ウジェーヌは第14師団スタックを直接率いてボロディノ村に攻撃を仕掛けたが、あえなく攻撃側後退。またフランス軍は、史実でダヴーが進言したように、ジュノーの第8軍団を右翼へ迂回させつつある。軍団長ジュノーの指揮値は2なので頼りなく(六面体ダイス1個振って2以下が出ないと移動してくれない)、自動的に1個軍団を活性化できる司令官としてミュラをつける予定。ミュラの麾下で、ジュノー第8軍団、ポニャトウスキー第5軍団を右翼から殴り込ませる作戦。

第2ターン(0800時)、先手ロシア軍はボーナスカード4枚「火災」「見事な退却」「副官」「民衆の協力」を獲得。このうち早速「民衆の協力」カードを使用し、このターンのフランス軍騎兵の移動力を2減少させた(ロシアの民衆が飼い葉を提供せず、フランス軍騎兵が困ったことに)。またロシア軍右翼では、オステルマンの第4軍団、プラトフのコサック騎兵部隊がフランス軍翼側に向かって前進している。

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後手フランス軍は、いよいよ本格的な攻撃開始。右翼ではポニャトウスキーが第16師団を直接率いてカルポフの騎兵部隊を後退させている。

フランス軍は、ネイ、ダヴーによる大堡塁への正面攻撃が失敗し、いずれも後退。しかしその両翼では、第1軍団の各師団スタックが健闘し、戦線を押し込んでいる。ウジェーヌのボロディノ村への攻撃は「Shock(イニシアチブ勝負)」となり、双方ともに1ステップロス。また、フランス軍左翼に迫りつつあるオステルマンの部隊を警戒し、グルーシーの第3騎兵軍団がそれを抑える位置に向かっている。

第3ターン(0900時)。先手ロシア軍は、ラエヴスキーの第7軍団、ドクトゥロフの第6軍団が自ら活性化に成功。ラエヴスキーは第26師団を率いて、先のターンに前進してきたフランス第1師団を撃退。ラエヴスキーは戦闘後前進して、隣のフランス第3師団の退路を断ち、そこへドクトゥロフが第24師団を率いて攻撃。これが見事、防御側後退となり、退路を失ったフランス第3師団スタックは除去された(一応、ステップロスした状態で戻ってくる可能性あり)。

ちなみに今回は上手く連携が決まったけれど、ラエヴスキーの第7軍団はバグラチオン麾下の第2西方軍、ドクトゥロフの第6軍団はバルクライ麾下の第1西方軍なので、共同攻撃は不可。

※ドクトゥロフの指揮値は(2)になっているが、正しくは(4)。「Napoleon's Last Gamble」に訂正カウンターが入っているが、交換し忘れた。今回のゲームでは(4)としてプレイした。

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一方、ロシア軍左翼では、各軍団が活性化に失敗し、なかなか身動きが取れない中、クタイゾフの砲兵軍団が「火災」カードも用いて、ポニャトウスキーの第16師団スタックを砲撃で後退させた。しかし先のターンで後退させられた大堡塁の左翼では、さらに部隊が後退しつつあり、司令官バグラチオンの本営が剥き出しになっている。

後手フランス軍は、再び正面攻撃を続行。しかし先の第3師団の壊滅で臆したか、ウジェーヌ第4軍団が活性化に失敗。ダヴーの陣頭指揮による大堡塁への攻撃もあえなく弾き返された。第2師団は、バグラチオン本営を襲い、砲撃でステップロスさせられながらも、これを後退させた。しかしここでも先の第3師団の壊滅が脳裏をよぎり、戦闘後前進したらまた袋だたきに遭うのでは……と思い、戦闘後前進はせず。ところがネイによる大堡塁への攻撃は成功。だったら第2師団も戦闘後前進しておけば、残った大堡塁をぐるっと包囲できたのでは……と思っても後の祭り。

またフランス軍右翼では、ミュラを司令官として、ジュノー第8軍団がウティサへの攻撃を開始したが、こちらも撃退されている。

第4ターン(1000時)、先手ロシア軍はイベントカードで「クトゥーゾフ」を引き、早速これを発動。代理指揮官しかいなかった第5軍団に司令官クトゥーゾフが降臨し、ダヴーの第1軍団を迎え撃つ位置に向かわせた。このクトゥーゾフの登場によって、バルクライとバグラチオンの不和も解消され(いったん棚上げされ?)、第1・第2西方軍の共同攻撃不可ルールも排除された。

しかし正面では、前ターンに活躍したラエヴスキー、ドクトゥロフの両軍団が撃退され、すでに大堡塁に残った部隊は孤立しつつある。

後手フランス軍は、右翼においてミュラ指揮下の攻撃を本格化。ラトゥールの第4騎兵軍団も加えて、ロシア軍を徐々に押し下げている。

正面では、ようやくダヴー第1軍団が大堡塁を占領。ウジェーヌ第4軍団もボロディノ村を占拠している。しかしネイ率いる第10師団スタックが後退させられ、同じくネイ麾下の第25師団スタックが後退にしくじり除去されたため、第11師団だけが突出するハメに。この第11師団は『さっきは第2師団が前進を躊躇して失敗したから、うちの師団は前進しよう』とばかりに前に出たが、それが裏目に。

そしてフランス軍左翼には、続々とロシア軍が迫りつつあるが、そちらにはロシア軍司令官がいないため組織的な攻勢がかけられずにいる。

第5ターン(1100時)。先手ロシア軍は、だったらクトゥーゾフも来たことだし、バルクライを右翼の攻勢司令官とすることに。ちょうどオステルマンの第4軍団も活性化に成功したため、これをウジェーヌの側面へ突っ込ませ、1個旅団を除去した。しかし先行するプラトフのコサック騎兵は、グルーシーの第3騎兵軍団に行く手を阻まれている。

ロシア軍は、左翼でもタチュコフの第3軍団がミュラを押し返し、クトゥーゾフの近衛師団ダヴー第1軍団の先鋒を後退させている。突出していたフランス第11師団に対しても集中攻撃をかけ、これを後退、除去するはずだったが、フランス軍が「見事な撤退」カードを使用して、ロシア軍ZOCへと後退した。

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後手フランス軍は、さらに正面攻撃を続けたが、ダヴー以外のスタックがすべて押し返された。それでも右翼では、ポニャトウスキーの第5軍団がカルポフの騎兵軍団をまとめて除去し、フリーの状態に。

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第6ターン(1200時)。先手ロシア軍は、バルクライの陣頭指揮でボロディノ村を奪回せんとしたが、ウジェーヌ率いる第14師団が頑強に粘り、双方1ステップロスのみ。正面では、突出していたダブー本隊を押し返すに留まった。さすが朝からの激戦で疲れが見えてきたか……

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後手フランス軍は、フリーになったポニャトフスキー第5軍団をロシア軍最左翼に突っ込ませ、クタイゾフの砲兵軍団スタックを包囲殲滅……と思ったら、こちらも「見事な撤退」カードを使われ、取り逃がしてしまった。正面では、ダヴー率いる第1軍団の3スタックが、いずれもクトゥーゾフの第5軍団を押し返して前進。とは言え、フランス軍も大堡塁を奪った疲れか、ネイの第3軍団が活性化にしくじるなど、勢いが失われてきた感。今回のソロプレイもここまでとした。

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ゲーム的には、フランス軍20戦力損失、ロシア軍14戦力損失というあたりで、散々押し合いへし合いをした割には、お互い決定的なダメージは与えられなかったかなと。

今回も決戦日(Day of Battle)シナリオだったが、この規模のシナリオでは、もうすでに両軍とも史実的な配置に就いていて、目の前の敵を殴らざるをえないため、作戦的余地は少ない。一応、前哨戦のシェヴァルディノ戦から始めるミニ・キャンペーンシナリオもあるが、それだと時間がかかってしまうし、まあ、致し方ない。そもそもTNLBの元祖「Napoleon's Last Battles」が、ハーフマップ基本の会戦ゲームなのだから、こうしてちまちま、押したり引いたりを楽しめばいいのだろう。

今回はサンセットゲームズで配布されているTLNBver6.7の和訳ルールと、最新版のTLNBver7.35英文ルールを見比べながらプレイしたが、理想を言えば最新版の和訳も欲しいところ。しかしサンセットも、2015年発売の「Napoleon's Last Gamble」以降のシリーズ作は日本語ルール付きで販売されていないので、もう追いかけるつもりも無いのだろうし、終わったプロジェクトなんだろうなと。そこらへんはもう期待せずに、そのうち自分で最新版の和訳ルールを作るかも。その方が手っ取り早そうだし。