Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

【Battalion Combat Series】「Panzers Last Stand」

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プレオーダーしていた、戦術作戦級シリーズBCS(Battalion Combat Series)第4弾「Panzers Last Stand」が到着。今回のテーマは、1945年ハンガリー戦で、BCS初の東部戦線モノとなっている。時期的には、1945年1月のコンラートI、II、III作戦、2月の南風作戦、3月の春の目覚め作戦までを扱っている。BCSは基本的に数日間の戦闘を扱う規模なので、個々の作戦が個別にシナリオ化されているが、コンラート作戦全体を約1ヶ月かけて扱うキャンペーンシナリオも入っている。 

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地図盤は、フルマップ4枚。包囲されたブダペスト市から、春の目覚め作戦が行われたバラトン湖北部まで入っている。これだけ見るとビッグゲームに思えるが、BCSは、一度に1フォーメーション(ユニット10個程度)ずつ動かすシステムなので、地図盤が広いからといって恐れることはない。 

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こちらが戦闘の焦点、ブダペスト市。本作からBCSの基本ルールもv2.0に更新されたが、新たな市街戦ルールも、v2.0に実装されている。 

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こちらも戦闘の焦点のひとつ、コマロム橋付近。昨年購入した「Days of Battle」が、まさにこの地域の戦闘だけを扱った一冊なので、ようやく出番が来たなと。

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こちらがバラトン湖周辺。このあたりも、20年前に購入した「バラトン湖の戦い」を読み直さないと。

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カウンターシートは、ユニット4枚(1120個)、マーカー2枚(560個)。こちらは枢軸軍ユニット。大きく「X」と記されたユニットは、ブダペスト守備隊であり、下馬状態のSS騎兵部隊も含まれている。ドナウ河を挟んで、ブダ側、ペスト側にそれぞれ要塞司令部と補給段列があり、どちらかが陥落しても、対岸の指揮下に入れば戦闘を継続できるようになっている。このあたりの部隊については「カンプフ・オブ・ヴァッフェンSS」第一巻(しか出てないけど)を読み直さないと。

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コンラート作戦の主力となった第3SS、第5SS装甲師団は頼りになりそうだが、それでも歩兵部隊の移動面のAR(アクションレーティング)は3と並。これが他のSS装甲師団となると、歩兵のARが移動面が2/展開面が3だったりして、かなり頼りない。バルジ戦から引き抜かれてきた第1SS装甲師団のパイパー戦闘団は、AR4。それでも精強な機甲戦力は健在で、射程3を持つパンター、ヤークトパンターティーガー、ケーニッヒスティーガー装備の部隊は、ソ連軍の重戦車相手にアウトレンジ射撃で対抗できるかも。

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こちらがソ連軍。さすがの量だし、全般的には質も安定しているが、非親衛歩兵師団ともなると、やはりAR2クラスで頼りない。 

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ソ連軍の機甲戦力も、大戦末期ともなると、結構頼もしい。さすがにドイツ軍のように射程3を持つ戦車ユニットは無いが、同じ射程内なら十分互角に渡り合える陣容。

そしていつものBCSと同じく、戦車、突撃砲、襲撃砲などの区別も細かく、まだ雑多だったソ連軍の諸兵科連合部隊の差異も表現されている。当時のソ連軍が用いていた「対戦車拠点」を表す部分もあり、この時期のさまざまな戦術的ディティールも楽しめる。

先にも書いたように、本作からBCS基本ルールが2.0にバージョンアップされている。すでに昨年末、BCS2.0ルールは翻訳してあるので、そこは問題なし。 

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ただ本作では、新たな活性化ルールがいくつか導入されている。まず活性化割当(Allotsments)なる概念が登場し、1ターンに活性化できるフォーメーション数が制限されることになった。しかもその活性化割当には「第一種(Primary)」「第二種(Secondary)」「攻勢(Surge)」「反応(Response)」という4タイプがある。「第一種」は、第1・第2活性化が許可されるが、「第二種」は第2活性化が許可されていない。「攻勢」活性化は自軍の攻勢時にしか使えず、「反応」活性化は敵軍の攻勢時にしか使えない。

さらに各フォーメーションは「Tier1」「Tier2」(第一線二線部隊?)というカテゴリーに分けられ、まず「Tier1」のフォーメーションを活性化してから「Tier2」のフォーメーションを活性化するという制限が課せられる。他にも「挑発攻撃(Spoilling Attacks)」といって、まだ未指定の敵フォーメーションに対して先制攻撃をかけ、少なくとも1ステップロスを与えると、攻撃を受けたフォーメーションは「挑発された」ボックスに移され、第2活性化が不可能とは言え、活性化が可能となる(Tier1/2によって効果が異なる)。各ターンに活性化できるフォーメーション数はかなり少ないが、相手を「挑発」することによって、そのフォーメーションを活性化してしまうという「寝た子を起こす」ような効果になる。

とまあ、いろいろ変化があるため、これまでBCSをプレイされた方でも、この新ルールを適用してどうなるか確かめていただきたい。制限が増えた分、ややこしくなったようにも思うが、それほど難しいルールでもないし、慣れれば大丈夫かなと。そして将来、こういったルールがBCS3.0として実装されるんじゃないかと思ったり…… 

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ちなみにBCS第1弾「Last Blitzkrieg」の追加/差し替えカウンターも結構入っている。

まあ、ちょうど上手い具合に、自分の夏休み中に届いたので、早速「Panzers Last Stand」個別ルール等の翻訳に入っている。すでに個別ルールはもちろん、デザイナーズノートも訳し終え、ヒストリカルノートの部隊解説まで進んでいるので、今週中に訳し終わって、来週にはプレイしたいかなと。ハンガリー戦は、昨年も「OCS:Hungarian Rhapsody」でちょっと触れたが、自分的な好みはこちらなので、新活性化ルールともども味わってみようと思う。