Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「後期日中戦争 華北戦線 太平洋戦争下の中国戦線2」

新刊「後期日中戦争 華北戦線 太平洋戦争下の中国戦線2」を購入。2年前に出版された前巻では華中戦線がテーマだったが、今回は華北戦線。引き続き、あまり知られていない日中戦争の軍事的経緯をまとめた一冊になっている。とは言っても、単なる正規部隊の戦闘だけではなく、中国民間人を含めた焦土戦や治安戦、さらに軍閥の調略など、複数次元にまたがって展開されるので、これはなかなか単純化して理解しにくいなと思ったり。

また、中国戦線を扱ったボード・ウォーゲームも、太平洋戦線に比べると圧倒的に少なく、堀場亙氏の「日本の戦歴 太平洋戦争編」を眺めてもそれは明らか。自分も今現在は、中国戦線のウォーゲームをまったく所有していないし、以前にもプレイしたことがない。以前、MMPから「War of the Suns」という日中戦争全般を扱うビッグゲームが出版されたが、それも触れていないしなあ。

いや待て、政戦略レベルの「A World at War」+「Storm over Asia」が手元にあるけど、いまだに翻訳作業が途中だからなあ。そしてこれだと解像度が低すぎる。

いずれTSWWの日中戦争モジュール「The China Incident」が出たら取り組んでみたいが、いつ出るのやら。一応、TSWWの中の人から以前『台湾に駐留していた日本軍の戦闘序列が知りたいけど戦史叢書の文章が読めないから訳してくれ』というリクエストがあったので、作業はしているようなんだけど……

【参考文献】「軍用レーダー」

新刊「軍用レーダー」を購入。自分は完全に文系の人間で、こういった理系の本は苦手なのだが、せめてこういった簡単に解説してある本ぐらい目を通しておこうと。昨年購入した21世紀の戦争を扱った「全域戦場」シリーズでも、軍用レーダーや、探知能力の重要性が強調されていたので、参考になるかなと。

もっと本格的な参考書としては「電子戦の技術」シリーズも出ているけれど、こちらは自分の頭ではついていけなそうなので……

【参考文献】ジョン・キーガン「ノルマンディ戦の六ヶ国軍:Dデイからパリ解放まで」

1982年に原書が出版された、軍事史家ジョン・キーガンの「ノルマンディ戦の六カ国軍」が邦訳されたので早速購入。サブタイトル通り、1944年6月のノルマンディ上陸作戦から、同年8月のパリ解放までの経緯をまとめた一冊……なんて書くと、コーネリアス・ライアンの「史上最大の作戦」や、アントニー・ビーヴァーの「ノルマンディ上陸作戦1944」と同じような内容に思えるが、これはまたちょっと違う。

まず序盤は、WWII当時イギリスの小学生だったキーガン本人の回想……当時の疎開先の心象風景を微に入り細に入り語った後、そこから第二戦線をいつどこで開くかという連合軍の戦略レベルの葛藤を、マーシャル、アイゼンハワー、ブルックといった人物を軸に述べていく。そしていよいよ本編に入ると、ノルマンディ戦に関わった六カ国軍(イギリス、アメリカ、カナダ、自由フランス、ポーランド、ドイツ)の戦闘経緯になるという、なかなかスロースタートな構成になっている。遅ればせながら先月入手した「戦場の素顔」の訳者あとがきでも、キーガン独特の筆致や、その意図……キーガン自身、戦争に参加したことがないのに、王立士官学校で戦史を教える立場にあるため、当時の兵士たちの戦場心理を探求した……について触れていたが、単なる戦記本として読み始めると、ちょっと面食らうかもしれないが、それはそれで面白い視点だと思う。

ウォーゲーマー的には、第二章以降の各国軍の戦闘記録が興味深く、アメリカ第101空挺師団の各大隊の降下戦闘はもちろん、カナダ第3歩兵師団の上陸戦闘についても、まるまる一章を割いているので「GTS:The Greatest Day」の参考文献にぴったり。

またカーン周辺での、エプソム作戦(6月24日~7月1日)、グッドウッド作戦(7月18日~19日)におけるイギリス軍部隊についても、兵士たちの心理という観点から、スコットランド部隊や、ヨーマンリー(19世紀の義勇農民兵)部隊の伝統や気質も詳しく述べられている。さらにファレーズ包囲網を閉じる際の、ポーランド第2機甲師団の戦闘も紹介されていて、ウォーゲーム的に言うと、詳細な作戦級~戦術作戦級レベルの話が載っているし、他の邦訳書ではあまり見かけない部隊の話も多いので、そのあたりにご興味のある方は是非是非。個人的には「GOSS : Atlantic Wall」に再チャレンジしたくなった(^_^)

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Resurgence」The Battle of Bautzen : Approach to Battle Scenario Solo-Play AAR Part.2

さて昨日のTLNBバウツェン会戦の続き。夜間ターン中に敵からの離脱、夜間行軍なども済ませ、明けて1813年5月21日、決戦当日の朝06:00ターン。先手フランス軍は、各軍団とも活性化に成功。全戦線にわたって攻撃を開始し、各所で同盟軍スタックを包囲・除去した。特にここまで渡河攻撃に苦しんできたネイのフランス第3軍団は、ようやく部隊も揃い、一気に同盟軍北翼にプレッシャーをかけた。この攻勢によってロシアのランゲロン将軍が捕縛され、同盟軍右翼はほぼ破られた。

07:00ターン。フランス軍は、正面のマルモン、ベルトランが活性化に失敗したものの、最北部のネイ第3軍団は、完全に同盟軍の側面兵力を一掃した。これを見た同盟軍は、フランス軍正面が止まっている隙にと、ブリッヒャーのプロイセン第1軍団を後退させ、北翼に足止めの騎兵部隊を放った。

08:00ターンも、フランス軍のマルモン第6軍団は活性化せず。最も強力な20戦力スタックが2個もあるのに、なんというていたらく。

そしてこの08:00ターンには、ロシアの2個軍団が増援に現れるのだが、配置表を見ると、盤端からではなく、いきなり盤上に現れるように指定されている。なんだこれ?エラッタか?と思ったが、どうやらそれで合っているらしい。ロシア予備軍団が出現するヘクスは、すでにネイの第3軍団に占められていたため、今回は少し離れた位置に出現させてみた。

そして戦線中央では、マクドナルド麾下のフランス第36師団が着実に前進しつつあり、これをロシア第5軍団の親衛部隊が迎え撃った。結果は、白兵戦(Sk)からの双方1ステップロスという激戦。また、ロシア第2軍団の重騎兵スタックも前線に投入され、ブリュッヒャーの側面を援護している。

09:00ターン。前のターンから始まった、戦線正面での主力部隊同士による殴り合いが激化。このターンのフランス軍は、マルモン第6軍団も活性化し、マクドナルド第9軍団と肩を並べて、正面攻撃にかかったが5スタック中3スタックが撃退された。前線に踏みとどまった2スタックは、逆に同盟軍6スタックから殴り返されたが、こちらも単なる防御側後退で終わり、一進一退の攻防が続いている。

10:00ターン。戦線正面では、またもマルモン第6軍団が活性化に失敗。個別スタックも活性化できず、正面ではマクドナルド第9軍団だけで攻撃する羽目に陥った。これに対してロシア第5軍団は、親衛砲兵旅団(砲撃力8)による防御砲撃で、フランス第36師団をステップロスさせたうえで撃退した。しかし北部では、ネイ第3軍団の圧力が強まり、ブリッヒャーのプロイセン第1軍団も徐々に後退し始めた。

11:00ターン。後退する同盟軍に対して、フランス軍は両翼から包囲を狭めたいが、たしかに史実通り騎兵ユニットが少ないため、敵を追い込めきれていない。同盟軍は、とにかく1戦力の軽騎兵ユニットで主力スタックを遮蔽し、歩兵+砲兵のフランス軍に接敵されたら戦闘前に下がる、また接敵されたら下がる、という遅滞行動で包囲を逃れている。

12:00ターン。フランス軍は、北翼のネイ第3軍団、ローリストン第5軍団が活性化せず、南翼のウディノ第12軍団も、後退にしくじって第29師団スタックが除去され、なかなか包囲網を狭められない。フランス軍は戦線正面でも攻勢に出て、遂に親衛軍団スタックも投入したが、あえなく後退。

12:00ターン後手。同盟軍は南部において、フランス第13師団スタックも除去して、ウディノの第12軍団を士気崩壊に追い込んだ。と同時に、中央で突出したベルトラン直率のフランス第12師団スタックを、ブリッヒャー率いるプロイセン第1軍団4個スタックが包囲してこれも除去。ベルトランは捕縛チェックこそ逃れたものの、一気に20戦力を喪失し、第4軍団も士気崩壊一歩手前まで追い込まれた。

13:00ターンは、天候と回復チェックが入り、除去されたユニットも一部戻ってきたものの、今回のソロプレイは時間的にここまで。大ざっぱに言えば、史実通りフランス軍は両翼包囲が成らず、という形に。フランス軍は51戦力を除去され、同盟軍は48戦力を除去されたので、ほぼほぼ痛み分け。やはりフランス軍は、騎兵も足りなかったし、司令能力(自動的に軍団を活性化できる数値)が低かった。むしろ司令能力としては同盟軍の方が上回っていたので、局地的な反撃でどうにかなったなと。

シナリオとしても、バランスは良い方だと思うので、接敵(Approach to Battle)シナリオは時間的に無理にしても、決戦日(Day of Battle)シナリオなら気軽にプレイできるんじゃないかと。結局ルールとしては、NAWに毛が生えた程度だから(^_^)

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's Resurgence」The Battle of Bautzen : Approach to Battle Scenario Solo-Play AAR Part.1

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TLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの「Napoleon's Resurgence」から、1813年5月20日~21日にかけて行われたバウツェン会戦をソロプレイしてみた。昨年、これに先立つリュッツェン会戦をプレイしたのでその続き。昨年末にTLNBの最新版シリーズルール7.36も翻訳したので、それも使おうと。今回は5月21日の決戦日(Day of Battle)だけを扱うシナリオではなく、前哨戦となる20日から始められる接敵(Approach to Battle)シナリオを選択してみた。もっと細かい戦術級の会戦ゲームであれば、もう両軍とも布陣が終わった決戦日だけでもいいけれど、TLNBのスケールだと、どこへどれだけ戦力を流し込むか、どう布陣するか、まで選択もできるし、やはりそこまでプレイするゲームシステムなんだと思う。今回はカードプレイ無しで、比較的史実に沿ったプレイを目指してみた(カードプレイも面白いけどね)。

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地図盤はフルマップ1.5枚と広く、その南北幅いっぱいに両軍が布陣している。こちらは西側に陣取るフランス軍、ナポレオン御大から見た景色。焦点となるバウツェンの街にはすでにロシア軍が立て籠もり、それへ向けて正面からマクドナルド麾下の第11軍団が正面攻撃をかける予定。右翼には、ウディノ麾下の第12軍団がスプレー川を渡って攻撃をかける手筈。史実では、両軍団とも渡河攻撃に成功しているが、深追いしすぎて対仏同盟軍から反撃を喰らっている。

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こちらは戦場の北端を移動中の、ネイ率いるフランス第3軍団。こちらもスプレー川を渡って、同盟軍の側面を衝けという命令を受け取っているが、史実ではそれに失敗し、敵を取り逃がしている。そのあたり、騎兵が足りなかったとか、ナポレオン/ベルティエからの命令が曖昧だったとか(移動目標の街を間違えた)、諸説あり。またネイのカウンターには司令官能力1(自力で自動的に1個軍団を活性化できる)が記されているが、このシナリオに限っては単なる軍団長として、ダイスを振って4以下が出なければ第3軍団を活性化できないようになっている。

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一方、対仏同盟軍のプロイセン=ロシア部隊は、スプレー川を第一次防御線として、後方に主力を温存している。また陣地マーカー(歩兵戦力2倍)を5個、スプレー川の橋ヘクスを守る歩兵部隊に配置。このあたり、川や湿地が幾重にも重なっているので、一応は守りやすいかもしれない。

さてソロプレイ開始。最初の2ターン(1813年5月20日12:00、13:00)で、フランス第11軍団(マクドナルド指揮)は、立て籠もっていたロシア第2軍団の兵を押しのけつつ、バウツェン市街に突入した。この南では、フランス第12軍団(ウディノ指揮)も、渡河攻撃に成功し、同盟軍の側面に向かおうとしていた。

戦線中央では、フランス第6軍団(マルモン指揮)の強力スタック2個、第20師団(17戦力)、第21師団(20戦力)によって渡河攻撃に成功。北に位置するフランス第4軍団(ベルトラン指揮)は、まだ戦力が集まっておらず、攻撃が遅れている。さらに最北部のフランス第3軍団は、軍団長ネイ自ら陣頭指揮に立って渡河攻撃を行ったが、あいにくこれは撃退されている。

これに対して同盟軍は、前線のユニットたちを見殺しにしつつ、第2防御線を構築すべく、各部隊を糾合しつつあった。

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第3(14:00)ターン、フランス第11軍団は、立て籠もるロシア第2軍団をバウツェン市街から叩き出し、これを制圧。翌第4(15:00)ターンには、晴れてナポレオン御大もバウツェンに入城。南部のフランス第12軍団も残敵を一掃した。しかし第4ターンには、戦線正面のマルモン、ベルトラン両将が活性化に失敗。最北部のネイは活性化に成功したものの、またも渡河攻撃にしくじって後退した。フランス軍は、各所でEX(相互損失)も被っていたが、第4ターンには天候チェックに伴う回復と再編成手順が入ったため、いったん除去されたユニットをステップロス面で盤上へ復帰させた。

対する同盟軍も、ブリッヒャー率いるプロイセン第1軍団が、スプレー川を渡ってきたフランス第1騎兵軍団を押し返している。

続く第5(16:00)ターン、三度ネイが渡河攻撃をかけたものの、またまた敗退。戦闘比は悪くないのだがダイス目がイマイチ。そしてベルトランも活性化したものの、フランス第4軍団はいまだに渡河攻撃スタックを組めずにいる。

その拙攻を見て、どうせまだ渡って来ないとだろうとばかりに、ブリッヒャーが4個スタックを動員してフランス第1騎兵軍団を包囲し、これを全滅させた。軍団長ラトゥールも捕縛されてしまい、フランス軍としては最初の大打撃となった。

第6(17:00)ターン、ようやくネイが四度目の正直としてスプレー川の渡河攻撃に成功。しかしブリッヒャーの予測通り、ベルトランはまたも活性化できず、なんとか自力活性化に成功したユニットをかき集めて攻撃したものの、あえなく敗退。

第7(18:00)ターン、第8(19:00)、第9(20:00)ターンまで日中ターンが続き、ベルトランの第4軍団がようやくスプレー川の渡河に成功。それを塞ごうとするブリッヒャーのプロイセン第1軍団との間で押し合いへしあいの戦いとなった。最北部のネイも、ようやく順調に南下を開始している。これでフランス軍は、南北両翼から包囲できるような形に持ってきたが、やはり北部のネイ、ベルトランの両将が活性化してくれるのかが問題。第8ターンからは、北部にローリストン率いるフランス第5軍団も到着しているものの、先頭の2個師団はすでにステップロスしているという頼りなさ。ああ、こんな時に別働隊を任せられるキルヒアイスがいてくれたら……じゃねえ、故ランヌダヴーがいてくれたら……

対する同盟軍も、明朝には2個軍団が来援する予定だが、果たしてこの包囲態勢に対処できるのか……というところで、史実と同じく本日は会戦初日まで進めて、ここから先はリアルに明日プレイしてみよう。

※会戦初日の損失:フランス軍19戦力喪失:同盟軍24戦力喪失

【The Library of Napoleonic Battles】「Napoleon's End」

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プレオーダーしていたTLNB(The Library of Napoleonic Battles)シリーズの新作にして第15作「Napoleon's End (ナポレオンの終焉)」が到着。本作は第4作「La Patrie en Danger」と第9作「Napoleon's Retreats」に続く1814年国内戦役三部作の〆となる。

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時期的には、「6日間の栄光(6 Days of Glory)」と呼ばれる1814年2月10日~15日(「La Patrie en Danger」で扱っている)の戦闘で、ナポレオンがシュレージェン方面軍を破った直後の2月17日~18日から、3月20日~21日、3月25日における、パリ東南部での戦闘を扱っている。連合軍のパリ入城が3月31日、ナポレオンの退位が4月11日なので、まさに国内戦役の最終盤。

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時系列的に一番早い1814年2月17日~18日の、モルマン(Mormant)、モントロー(Montreau)の戦いは、フルマップ2枚を連結する。モルマンでは兵力的に劣るフランス軍だったが対仏同盟軍を撃退し、モントローでも勝利している。

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続く3月20日~21日にかけてのアルスィ=シュル=オーブ(Arcis-sur-Aube)の戦いの初日は、対仏同盟軍7万以上、フランス軍18000程度という劣勢から始まり、翌日にはフランス軍も増援を得て強化されたものの、あえなく後退。こちらはフルマップ1枚に収まっている。

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さらに最終盤の3月25日、フェール=シャンプノワーズ(Fere Champenoise)では、ナポレオンに合流しようとしていたマルモン、モルティエの両将軍が同盟軍に攻撃され、と同時に近くのバンヌ(Bannes)ではフランス軍の輜重隊も襲撃を受け、戦死・捕虜併せて1万近い損失を被ったという、フランス軍としてはトドメの一撃的な戦い。先日購入した「ナポレオンの時代の騎兵」でもこの戦いに触れていた。

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ちなみにこのフェール=シャンプノワーズの地図盤だけ、フルマップよりもう一回り長いサイズになっている。その西側で「La Patrie en Danger」のシャンポーベル(Champaubert)の地図盤と連結できるが、さらにモンミライユ(Monmirail)の地図盤も繋がるんだから、マップ3枚横長に連結するわけで、そんなもん我が家で広げられるはずもない。

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また国内戦役グランド・キャンペーンとして、時系列的に「La Patrie en Danger」「Napoleon's Retreats」「Napoleon's End」の各会戦を戦っていき、その損耗などを引き継いでいく……というシナリオも収録されている。もちろん時間もかかるだろうが、両軍ともに戦力がすり減っていく中で戦い続けるのは精神的にもキツそうなキャンペーンだなと。

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こちらがフランス軍ユニット。個々のユニット兵力も少なく、士気(イニシアチブ値)的にも低いユニットが見受けられ、大陸軍の末期戦という印象。ナポレオン御大の指揮能力は相変わらず高いが……

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こちらが対仏同盟軍。さすがにロシア軍、オーストリア軍ユニットは頼もしいが、兵力は多いものの軍司令官能力の無いババリア軍(ダイス判定で成功しないと動けない)もあったり。

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基本ルールは引き続きver7.36……そうそう、このBlogでは書いていなかったけれど、実は昨年末にこのver7.36を日本語に翻訳したのだ。公開されている公式和訳がv6.7と、だいぶ古いバージョンだったので。一応、ver7.36では砲兵の扱いがだいぶ異なり、戦闘フェイズ中に防御側の反応射撃フェイズが挿入され、砲撃結果表も変更されている。なので近いうちに、最新ルールで何かTLNBをプレイしたいとも思っている。国内戦役は揃ったけれど、また別のタイトルで何か……

Now Available for Pre-Order – Operational Studies Group

ちなみにTLNBシリーズの次作は、1813年の解放(諸国民)戦争から、ドレスデン会戦などを収録した「Napoleon's Counterattack」だそうで。来年2月発売予定。

 

「North Africa'41」Rules Confirmation

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昨年購入した「North Africa'41」もそろそろ触れておこうと、シナリオ1「ロンメル登場」を並べてルール確認をしてみた。本来はお正月休みにやっつけるはずだったが、年末から体調不良だったので延々先延ばしとなり、ようやく着手と。

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今回はソロプレイと言うよりルール確認なので、プレイブックに載っていた序盤(第2ターン、第2インパルスの連合軍ターンまで)のプレイ例通りにユニットを動かしてみた。

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こういった公式プレイ例を読んでおくと、微妙なテクニックも学べるのでありがたい。たとえば、混乱した連合軍スタックのうち、一部のユニットを混乱させたまま(戦術移動しかできないため、2ヘクスまでしか移動できない)足止め部隊として残置し、救出したいユニットをあえて自発的に潰走状態(全移動力を使える)に陥らせ、拡張移動(+3移動力)も使って一気に後方へ避退するという手が使われていて、ああ、そうかあと思ったり。言われて他のシモニッチ作品(194Xシリーズ)のルールを読み返してみると「France'40」や「Salerno'43」でも自発的潰走が採用されていた。一応、ベースとなるルールは似ていても、ちまちまと改変されているので細かく確認していかないとなあ。

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WWII北アフリカ戦と言えば補給がキモになるし、本拠地から前線までの長大な距離を、どうやって部隊や補給物資を移送するか、というのも考えさせられるポイント。本作でも、基本的な道路移動、拡張移動はもちろん、枢軸軍によるイタリア本土からの海上輸送、また港湾間の移送、鉄道移動、トラック移動(地図盤と盤外ボックスをワープさせる特別移送ルールあり)と、さまざまな移送手段が用意されているので、それも頭に入れておかないと、と感じた。

まあ、実際に動かしてみた印象としては、シモニッチ氏の194Xシリーズの中では、戦闘以外の、補給などの側面の割合が多く、ちょっと面倒に感じた。正直言うと、いちいちトラックマーカーで補給マーカーを運搬して、それを戦闘規模に応じて消費するというOCS(Operational Combat Series)的な仕組みはあまり好きではないけれど、そこを省略しすぎると北アフリカっぽくないので困りもの。いや、ただ単に年を取ってきたせいか、だんだんウォーゲームのプレイ管理も面倒になってきたもので(^_^;)

もちろん本作の前身作である「The Legend Begins」よりは全然プレイアブルになっているので、今やるならこっちだろうなあ。そして「The Legend Begins」プレイしたの、もう20年近くも前か……この頃の自分はまだ30代中盤だもんなあ……ゲーム体力もあったからなあ……(遠い目)