Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】ジョン・ウィークス「対戦車戦」

先日、高崎の古書店に行った際に、1980年発売の「対戦車戦」を購入。古い本だけど、高崎にも滅多に来ないし、来たオミヤゲに何か一冊と思い、500円コーナーから回収。内容的には、戦車が登場した第一次世界大戦から、第二次世界大戦、冷戦期にかけての、特に歩兵携行対戦車兵器と、対戦車砲、戦後の対戦車ミサイル、対戦車攻撃機攻撃ヘリコプターについてまとめられている。著者が元イギリス軍人のせいか、WWII当時の連合軍の対戦車兵器には詳しく書いてあるが、ソ連軍が採った対戦車陣地「戦術」にはほとんど触れられていない。あくまで「兵器」が主眼。

【参考文献】カーユス・ベッカー「呪われた海 ドイツ海軍戦闘記録」

今日は、所用で都心まで出たので、五反田、戸越銀座、武蔵小山、自由が丘の古書店を偵察。その途中、戸越銀座の小川書店(軍事書多め)で「呪われた海 ドイツ海軍戦闘記録」を購入。たしか学生時代に、フジ出版社から出た版を図書館で借りて読んで以来かな。2001年に中央公論新社版が出た時はスルーしてしまったけれど、いつの間にか入手困難になっていたので、そのうちどこかで買おうかな~と思っていた一冊。もちろん内容的には古いのだけれど、第二次大戦のドイツ海軍の主要な戦闘を、おおざっぱにまとめてあるし、付録も便利だし、一応手元に置いておこうと。

【Battalion Combat Series】「Panzers Last Stand」Operation Konrad I Solo-Play AAR Part.2

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ではコンラート作戦Iシナリオ、ソロプレイ開始。まず第1(1945年1月2日)ターン、枢軸軍に許可された活性化割当(Allotments)は、Primary(第2活性化OK)1回、Secondary(第2活性化NG)2回。ただしこのターン唯一のPrimary活性化は、攻勢の先鋒であるドイツ第96歩兵師団に割り振らなければならない。第96歩兵師団は、特別ルールの「ゴムボート」でドナウ河を渡り、ソ連第4親衛歩兵師団へ攻めかかった。 

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一方、作戦の主力である第3、第5SS装甲師団にはSecondary活性化しか割り振れなかったが、両師団ともソ連第18戦車軍団、第80親衛歩兵師団を攻撃し、その前線部隊を後退させた。Secondaryでは、第2活性化が不可のため、追い打ちができないのが残念である。

対するソ連軍フォーメーションは、いずれも未活性の状態で1ステップロス以上の損失を被ったため「誘発された(Spoiled)」状態となり、活性化割当が無くても、活性化されてしまうし、活性化する必要がある。つまり枢軸軍としては、ソ連軍フォーメーションを攻撃すればするほど、寝た子を起こしてしまうので、ムダな攻撃はしない方がよい。 

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第2(1月3日)ターン。枢軸軍の活性化割当は、Primary4回/Secondary2回。Primaryは、2個のSS装甲師団と第96歩兵師団とPape戦闘団に割り振ったが、Pape戦闘団はパスして終わった。また、このターンに登場する第6装甲師団は、増援活性化で動かすことに。

両SS装甲師団はさらに攻撃を続けたが、北を行く第3SS装甲師団パンター大隊は、ソ連軍SU100襲撃砲の果敢な抵抗に遭い、射撃戦(Engargement)で撃ち負け、残り1ステップにまで削られてしまった。一応、ソ連軍戦車の抵抗は排除したものの、第3SS装甲師団の前進は遅れている。

ソ連軍はこのターン、割当としてはPrimary1回/Secondary2回しか活性化できないが、枢軸軍に攻撃されたフォーメーションが次々に「誘発されて(Spoiled)」活性化されるため、事前指定するPrimary活性化は、後方の第2親衛機械化軍団、第10親衛歩兵師団にした。Primary活性化として事前指定されたフォーメーションが攻撃を受けて「誘発された」状態になると、部隊機能判定(SNAFU)-1とされるため、できるだけ攻撃を受けない位置にあるフォーメーションを選んだ方がよい。

またソ連第18戦車軍団は、前線で孤立していた第170戦車旅団(T34/85装備)を指揮範囲内まで後退させ、部隊の温存を図った。 第170戦車旅団は、アクションレーティング最良の5、ステツプ数も3とまあまああり、指揮範囲外で損耗させるには惜しかったので。

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第96歩兵師団も、ドナウ河沿いに前進を続けている。 

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第3(1月4日)ターン。前進が遅れていた第3SS装甲師団は、山間の未舗装道路(Track)を進み、ソ連軍戦線に斬り込んでいく。第5SS装甲師団は、このターン、活性化判定の出目が悪く、じわじわとソ連軍戦線を押し下げるに留まった。

そしてその後方には、増援としてソ連第18戦車軍団に配属された新手の戦車部隊(IS-2スターリン戦車隊含む)が現れ、至近距離でSS装甲部隊と撃ち合うべく、ひたひたと山間の隘路を突き進んでいた。 

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またドナウ河北岸を、枢軸軍増援のドイツ第6装甲師団が前進。しかし装甲師団とは言っても、戦車戦力は、IV号戦車1ステップのみという、非常に頼りない状態である。 

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第4(1月5日)ターン。第3SS装甲師団はさらに山間を進撃。守るソ連第4親衛歩兵師団も、いったんはドイツ軍の攻撃を跳ね返し、親衛の名に恥じぬ抵抗は見せたものの、第3SS装甲師団の二度にわたる活性化によって連続攻撃をくらい、あえなく前線が崩壊した。そこから移動モードのティーガーI中隊+自動車化歩兵大隊が、第4親衛歩兵師団司令部へ突進。これを後退させて、敵師団の混乱に成功した。 

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しかしソ連軍も、増援で登場した第78親衛戦車連隊(IS-2スターリン戦車装備)を、第3SS装甲師団の横合いに突っ込ませ、パンター大隊と至近距離での撃ち合いで双方ステップロス。残り1ステップにまで消耗していたパンター大隊は、あえなく全滅。さらにソ連軍は、戦車を失った自動車化歩兵大隊にも通常攻撃をしかけた。第3SS装甲師団の歩兵大隊には、師団のIII号突撃砲大隊が支援に入っていたが、IS-2スターリン戦車に勝てるはずもなく、あえなく支援喪失(Dropped)。通常攻撃を受けた自動車化歩兵大隊は後退し、第3SS装甲師団の縦隊が分断された。これにより、先ほどソ連軍司令部に突進したティーガーI中隊スタックが、師団本隊から切り離されるという、バルジ戦のパイパー隊のような状況に。 

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ソ連第18戦車軍団は「相討ち上等」とばかりに、果敢にドイツ軍SS装甲部隊に挑みかかり、各所でその戦力を削り始めた。第3SS装甲師団も、4日連続の作戦行動によって、すでに疲労レベル3となっている。疲労レベルは、そのまま活性化判定の修整値となるし、最悪の疲労レベル4になると第2活性化もできなくなる。そろそろ回復が必要だな……と感じたので、本日のソロプレイはここまでとした。シナリオとしてはもう1ターン残っていたが、枢軸軍が大きく前進できるとも思えない。まあ、今回は「Panzers Last Stand」の味見ということで…… 

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今回のソロプレイは、本作で導入された新・活性化ルールの味見という意味合いもあった。最初は、その仕組みが判然としなかったが、分かってしまえば、ああなるほどと。両軍ともに、Primaryで活性化したいフォーメーションは事前指定し、Secondary(第2活性化NG)でもいいやというフォーメーションは、後から場当たり的に指名すればよい。主力部隊として行動させたいフォーメーションは、当然Primary指定となるし、移動だけというフォーメーションは、Secondaryで十分と。ただし、Primaryに指定された敵フォーメーションに対して、それが活性化される前に先制攻撃をかけ「誘発された(Spoiled)」状態にすれば、その後の活性化で、不利なダイス修整を与えられる。今回はそういった局面は無かったが、ひとつのテクニックとして覚えておきたい。

また今回は、枢軸軍の3フォーメーションが、ソ連軍の未活性3フォーメーションに攻撃をかけ、いずれも「誘発された」状態にし、3フォーメーションとも活性化させてしまったが、そのあたりも工夫する余地がありそう。たとえば、自軍の2フォーメーションで、敵軍の1フォーメーションに攻撃を集中すれば「誘発される」フォーメーションは1つで済む。寝ている子は、ムダに起こす必要はないと。まあ、なかなかそういう都合の良い状況にはならないかもしれないが……

とにかく、今までのBCS作品とは違った活性化ルールなので、すでにBCS経験者の方々にも一度は触れて頂きたいとは思う。好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、ちょっと味わいが違いますぜ。

【Battalion Combat Series】「Panzers Last Stand」Operation Konrad I Solo-Play AAR Part.1 Set-Up

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先日届いた「BCS:Panzers Last Stand」のルールとヒストリカルノート等の翻訳が終わり、いよいよプレイ稼働状態に。まずはキャンペーン最序盤を扱う、シナリオ3「Operation Konrad I」を並べてみた。状況としては、1945年1月1日、ソ連軍に包囲されたブダペストに向かって、第3SS装甲師団と第5SS装甲師団を中心とする部隊が攻勢をかけるというもの。マップ4枚のうち北側の2枚だけを用い、全5ターン(1月6日まで)を扱う。 

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史実での作戦は1月1日に始まっているが、ゲームは1月2日ターンから始まる。ヒストリカルノートを読むと、たしかに作戦は1月1日に発動されたものの、実際の砲撃は19:20頃に始まり、貨車から下りたばかりの2個SS装甲師団は20:30に作戦を開始、ソ連軍と会敵したのは23:00頃とある。そのため1月2日ターンに、1月1日深夜の時間帯も含まれているとのこと。しかし地図盤東端に霞むブダペストが絶望的なまでに遠い……そしてそのブダペストでは、苛烈な市街戦が展開されているはずだが、このシナリオでは省略されている。と言うか、ブダペスト市街戦を扱うのは、マップ4枚全部を用いるフルキャンペーンだけだった。BCS2.0ルールで導入された市街戦ルールも試してみたいので、そのうち、そこだけ切り取ったシナリオを自作してみようかな。 

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こちらが、下車したばかりの第3、第5SS装甲師団。一応、フォーメーションの状態は「完全充足(Fresh)」なので、元気いっぱいである。第3SS装甲師団の先頭には、ティーガーI中隊の姿も見える。ヒストリカルノートによると、この時期、各師団のティーガー隊は、軍団直轄の重戦車大隊として集成されていたものの、第3SS装甲師団はいまだにそれを師団自前の部隊として保持していたと。

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先行した第5SS装甲師団の装甲偵察大隊は、すでにソ連第80親衛歩兵師団と会敵している。また第3SS装甲師団の先遣隊も、ソ連第18戦車軍団ユニットの射程外ぎりぎりに到達。ちなみに第18戦車軍団司令部は、ここから30ヘクス(36km)ほど南東にあり、この最前線にいる3ユニットは先遣隊として、司令部の指揮範囲外にある(孤立しているため、損耗する可能性あり)。第170戦車旅団は、攻勢射撃値(Red AV)4、射程2、移動力16/5なので、T34/85戦車装備。第1438は、防勢射撃値(Limited AV)4、射程2、移動力16/4なのでSU-100襲撃砲が主力かなと。 

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こちらは、ソ連軍側から見た戦線南部の様子。攻勢をかけるつもりだったのか、戦線の背後に、疲労レベル0の第5親衛騎兵軍団、第40親衛歩兵師団、第93歩兵師団が控えている。もしかしてこれらのフォーメーションを、当初の予定から変更して、ドイツ軍の攻勢に対応させるのだろうか? 

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ブダペスト近郊には、すでに疲労レベル2だが、ソ連第2親衛機械化軍団も控えている。ドイツ軍の攻勢に対して、この精鋭軍団も回復させて投入することになるだろう。

最後尾に控える第23歩兵師団は、戦闘部隊がブダペストを向き、その背後に補給段列(Combat Trains)が置かれているところを見ると、 包囲部隊の一部だろうか。もっともこのシナリオでは、ブダペスト市街戦は省略されるため、この師団も向きを変えて、ドイツ軍の攻勢に対応させても問題ないはず。

しかしBCSでは、各フォーメーションの後方に連なる主要補給ルート(MSR)が、他のフォーメーションと重なってしまうと、戦闘部隊の活動そのものにも影響してしまうので、道路事情も確認しておきたい。

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おおざっぱに一級道路、二級道路を確認してみると、このようにドナウ河沿いと、山地を縫うように走っている。ドナウ河北部にはまったくソ連軍ユニットがいないため、ドイツ軍の増援部隊は、北岸沿いに走らせてもいいかもしれないが、北岸の道路は、最終的にブタペストまで一本道になってしまうので、どこかで塞がれるとそこで立ち往生してしまう。ソ連軍の増援部隊は地図盤南端から北上してくるが、それをどの道路に割り振るかも考えどころ。とりあえず、そこまで確認したところでソロプレイ開始……

【参考文献】ローレンス・フリードマン「戦略の世界史」(上下)

文庫化された「戦略の世界史」(上下)を購入。2018年に単行本が出た時も、店頭でぱらぱら立ち読みしたものの、軍事戦略だけでなく、政策、社会運動、ビジネスまで多岐に及ぶ戦略書だったので、うーん、自分の興味から外れている部分も多いなあ、文庫になったら読むか……とスルーして早3年。あらためて文庫になって読んでみたが、やはり個人的に興味があるのは「第I部 戦略の起源」「第II部 力の戦略」あたりまでで、そこまででも500ページ近くあるし、十分参考になった。

しかし、あいにく「第III部」以降は、あまり頭に入ってこなかった。いや、広義の戦略を包括的に扱っているという意味では良書だし、具体的なエピソードも多々交えているので読みやすいのだが、自分の場合、なにごとにつけ、興味が薄いものは自分の中に入れにくいので、個人的メカニズムとして仕方ないと思って諦めた。世の中には、自分には理解不可能な領域もあるし、自分には不必要な領域もあるということで……

【Battalion Combat Series】「Panzers Last Stand」

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プレオーダーしていた、戦術作戦級シリーズBCS(Battalion Combat Series)第4弾「Panzers Last Stand」が到着。今回のテーマは、1945年ハンガリー戦で、BCS初の東部戦線モノとなっている。時期的には、1945年1月のコンラートI、II、III作戦、2月の南風作戦、3月の春の目覚め作戦までを扱っている。BCSは基本的に数日間の戦闘を扱う規模なので、個々の作戦が個別にシナリオ化されているが、コンラート作戦全体を約1ヶ月かけて扱うキャンペーンシナリオも入っている。 

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地図盤は、フルマップ4枚。包囲されたブダペスト市から、春の目覚め作戦が行われたバラトン湖北部まで入っている。これだけ見るとビッグゲームに思えるが、BCSは、一度に1フォーメーション(ユニット10個程度)ずつ動かすシステムなので、地図盤が広いからといって恐れることはない。 

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こちらが戦闘の焦点、ブダペスト市。本作からBCSの基本ルールもv2.0に更新されたが、新たな市街戦ルールも、v2.0に実装されている。 

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こちらも戦闘の焦点のひとつ、コマロム橋付近。昨年購入した「Days of Battle」が、まさにこの地域の戦闘だけを扱った一冊なので、ようやく出番が来たなと。

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こちらがバラトン湖周辺。このあたりも、20年前に購入した「バラトン湖の戦い」を読み直さないと。

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カウンターシートは、ユニット4枚(1120個)、マーカー2枚(560個)。こちらは枢軸軍ユニット。大きく「X」と記されたユニットは、ブダペスト守備隊であり、下馬状態のSS騎兵部隊も含まれている。ドナウ河を挟んで、ブダ側、ペスト側にそれぞれ要塞司令部と補給段列があり、どちらかが陥落しても、対岸の指揮下に入れば戦闘を継続できるようになっている。このあたりの部隊については「カンプフ・オブ・ヴァッフェンSS」第一巻(しか出てないけど)を読み直さないと。

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コンラート作戦の主力となった第3SS、第5SS装甲師団は頼りになりそうだが、それでも歩兵部隊の移動面のAR(アクションレーティング)は3と並。これが他のSS装甲師団となると、歩兵のARが移動面が2/展開面が3だったりして、かなり頼りない。バルジ戦から引き抜かれてきた第1SS装甲師団のパイパー戦闘団は、AR4。それでも精強な機甲戦力は健在で、射程3を持つパンター、ヤークトパンターティーガー、ケーニッヒスティーガー装備の部隊は、ソ連軍の重戦車相手にアウトレンジ射撃で対抗できるかも。

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こちらがソ連軍。さすがの量だし、全般的には質も安定しているが、非親衛歩兵師団ともなると、やはりAR2クラスで頼りない。 

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ソ連軍の機甲戦力も、大戦末期ともなると、結構頼もしい。さすがにドイツ軍のように射程3を持つ戦車ユニットは無いが、同じ射程内なら十分互角に渡り合える陣容。

そしていつものBCSと同じく、戦車、突撃砲、襲撃砲などの区別も細かく、まだ雑多だったソ連軍の諸兵科連合部隊の差異も表現されている。当時のソ連軍が用いていた「対戦車拠点」を表す部分もあり、この時期のさまざまな戦術的ディティールも楽しめる。

先にも書いたように、本作からBCS基本ルールが2.0にバージョンアップされている。すでに昨年末、BCS2.0ルールは翻訳してあるので、そこは問題なし。 

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ただ本作では、新たな活性化ルールがいくつか導入されている。まず活性化割当(Allotsments)なる概念が登場し、1ターンに活性化できるフォーメーション数が制限されることになった。しかもその活性化割当には「第一種(Primary)」「第二種(Secondary)」「攻勢(Surge)」「反応(Response)」という4タイプがある。「第一種」は、第1・第2活性化が許可されるが、「第二種」は第2活性化が許可されていない。「攻勢」活性化は自軍の攻勢時にしか使えず、「反応」活性化は敵軍の攻勢時にしか使えない。

さらに各フォーメーションは「Tier1」「Tier2」(第一線二線部隊?)というカテゴリーに分けられ、まず「Tier1」のフォーメーションを活性化してから「Tier2」のフォーメーションを活性化するという制限が課せられる。他にも「挑発攻撃(Spoilling Attacks)」といって、まだ未指定の敵フォーメーションに対して先制攻撃をかけ、少なくとも1ステップロスを与えると、攻撃を受けたフォーメーションは「挑発された」ボックスに移され、第2活性化が不可能とは言え、活性化が可能となる(Tier1/2によって効果が異なる)。各ターンに活性化できるフォーメーション数はかなり少ないが、相手を「挑発」することによって、そのフォーメーションを活性化してしまうという「寝た子を起こす」ような効果になる。

とまあ、いろいろ変化があるため、これまでBCSをプレイされた方でも、この新ルールを適用してどうなるか確かめていただきたい。制限が増えた分、ややこしくなったようにも思うが、それほど難しいルールでもないし、慣れれば大丈夫かなと。そして将来、こういったルールがBCS3.0として実装されるんじゃないかと思ったり…… 

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ちなみにBCS第1弾「Last Blitzkrieg」の追加/差し替えカウンターも結構入っている。

まあ、ちょうど上手い具合に、自分の夏休み中に届いたので、早速「Panzers Last Stand」個別ルール等の翻訳に入っている。すでに個別ルールはもちろん、デザイナーズノートも訳し終え、ヒストリカルノートの部隊解説まで進んでいるので、今週中に訳し終わって、来週にはプレイしたいかなと。ハンガリー戦は、昨年も「OCS:Hungarian Rhapsody」でちょっと触れたが、自分的な好みはこちらなので、新活性化ルールともども味わってみようと思う。

【Advanced Squad Leader】「Starter Kit Bonus Pack #2」

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ASL(Advanced Squad Leader)の入門編スターター・シリーズの新作「Starter Kit Bonus Pack #2」をクロノノーツゲームさんから購入。しかし「Bonus Pack #1」っていつ出たっけ?と思ってBlogを読み返したら、2009年だった。それからもう12年。ASLスターター・シリーズには、他にも「Expansion Pack」もあるので、ごっちゃになりそう……

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地図盤は2枚(iとj)。 

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シナリオは8本。ASLスターター・シリーズも、各国のユニットが増えたせいか、戦場も1938年中国、1940年ノルウェイ、1945年フィリピンとさまざま。まあ、スターターとは言え、本作のシナリオを全部プレイするには、ASLSK1~4までと、Expansion1~2が必要になるので、徐々にハードルが上がってきた。