Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【The Second World War】「TSWW : Day of Infamy」日本語ルール無料公開

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自分が翻訳した「TSWW:Day of Infamy(屈辱の日)」の日本語ルールが、Yahoo ! のTSWWグループにて無料公開されました。アカウントを取って、グループに参加しないとダウンロードできませんが、一応、Diffraction EntartainmentのJohn Bannerman氏からは「いずれメーカーのウェブサイトにも載せたい」という連絡も来ているので、お急ぎでない方は、それをお待ちください。

https://groups.yahoo.com/neo/groups/etsww/info

https://groups.yahoo.com/neo/groups/etsww/files/DayofInfamy/

自分も、この機会に初めてこのグループに参加したものの、参加者300人以上、ルール疑問点のやり取り、新製品情報、VASSALのシナリオファイルなどがアップされていて、TSWWに触れるなら、必須のコミュニティかもしれないなと。

「Day of Infamy」の日本語ルールについては、最終的に日本語240ページという大作に。またこれを基本ルールとして、他のTSWW作品をプレイすることも可能と言えば可能です。各ゲームごとの、政治経済ルールを訳す必要がありますが。

念のため、疑問点はデザインチームに送って確認を取り、間違っている部分も訂正しております。このあたり「せっかく公開するなら良いモノを」と思う一方、どこかで「所詮ボランティア訳だし、この分量で、この難易度なんだから、どこかにまだ間違いはあるはず。完璧は期待するな。それでも結構がんばったぞ。訳語のセンスに違和感があるなら、コピペしてその訳語だけ変換して使ってくれ」と思っている部分もあり。まあ、今回はこれで勘弁してくださいということで。

またBannerman氏から『次のTSWW:Barbarossaは、6~8週間後に発売予定』という情報もあり、そこで基本ルールが変わる可能性もある、ということは念頭に置かれたし。一応、自分も注文したので、もしやる気があれば、この「Day of Infamy」の日本語訳を叩き台にして「Barbarossa」の訳も作るかも。しかし期待はするな。すでにシナリオブックも、ちょこちょこ訳しているものの、あまり急いではおらず、出来たらまたメーカーサイドに送ろうかなという感じ。

とりあえず、2ヶ月がかりで翻訳したTSWW日本語ルールが、真っ当な手段で公開されたことに、一安心しております。細かいルールが多々あるので、プレイに二の足を踏まれる方が多いと思いますが、シナリオのプレイ例ですらルールの適用を間違っていたり、計算式が違っているので(おいおい)、制作側も正しく使いこなせないんだから、プレイヤーにも正しく使いこなせるはずがない、間違いだらけでもいいから、とにかくプレイしてみよう精神が大事かなと。これを機に、日本でもTSWWの(単なる所有者ではなく)プレイヤーが増えてくれれば幸いです。自分もこれから、本格シナリオの検証に入ります。

【Battalion Combat Series】「Brazen Chariots」

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プレオーダーしていたBCS(Battalion Combat Series)第3弾「Brazen Chariots」が到着。最初にBCSに触れた時は『この用語の使い方なんだよ』とか『えっ、そんな風に処理するの?』という違和感だらけのシステムだったが、入門記事に書いてあった『あなたは、今までに学んできたこと(作戦級ウォーゲームに対する固定観念・偏見)を、すべて捨てなくてはならぬ』という言葉に従い、ああ、このゲームではそういうものなんだなと達観した今では、むしろOCSより楽しみなシリーズになっている。実際、独特なシステムに慣れてしまえば、さくさくと作戦機動が楽しめるし、戦術面での戦車戦も楽しめる。

さて本作の舞台は、1941年の北アフリカ戦。ロンメル最初のトブルク攻撃に始まり、イギリス軍によるブレヴィティ作戦、スコーピオン作戦、バトルアクス作戦、クルセイダー作戦を、さまざまな規模で扱っている。シナリオは12本あるし、規模もマップ1/2枚~3枚までと、なかなかバラエティに富んでいる。

ちなみにゲームタイトルは、クルセイダー作戦にも参加したRobert Crispの著作から。 

Brazen Chariots: An Account of tank warefare in the Western Desert, November-December 1941

Brazen Chariots: An Account of tank warefare in the Western Desert, November-December 1941

 

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そう、ゲームマップは全3枚。我が家の横幅150cmのテーブルでは、微妙に乗りきらない(両端が多少浮いてしまう)。まあ、マップ3枚のシナリオをプレイするなら(いずれ公開される予定の)VASSALモジュールを待った方が良いかもしれない。しかしマップ3枚とは言っても、どうせ一度に動かすユニットは10個以下だし、BCSの場合、広さはあまり恐れる必要はない。

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激戦地ハルファヤ峠も、このスケールまで拡大してくれると嬉しい。

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トブルク包囲陣は、やけに広く感じる。OCSでは、ぎゅうぎゅうに部隊が詰め込まれている印象。

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カウンターシートは4枚、カウンター総数1120個……とは言え、半分以上がマーカー類なので、部隊ユニットは400個以下だと思う。こちらはドイツ軍。1ステップしかないものの、射程2の88mm砲中隊が威容を誇る。なにしろイギリス軍には、射程2の戦車などないのだ(つまりアウトレンジ射撃)。そして当然のように、ハルファヤ峠の守備隊指揮官の名を冠した「バッハ戦闘団」もあり。また本作から、フォーメーションを見分けるために、色別のカラーバーが描かれるようになった。

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こちらはイタリア軍。表向きの戦力値は、さほど悪く見えないが、各フォーメーションの第2活性化値は、アリエテ戦車師団以外、どれも6(つまり1/6でしか第2活性化ができない)という評価。そういう意味では、やはり期待薄である。

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こちらがイギリス軍。新型マチルダ戦車は、その鈍足さ(戦闘モードでの移動力2)からして、移動モードで敵に接近してから、次の活性化で戦闘モードに変換して攻撃、という、まるで重戦車のような運用か。とは言え、第2活性化にしくじれば、移動モードのまま、ドイツ軍戦車に殴られそう。それでも、OBJマーカー✕2による修整を加えれば、ドイツ軍戦車隊と互角に近いところで戦えるので、イギリス軍としては頼りにするしか……

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オマケとしてBCS第2弾「Baptism by Fire」ユニット4個と、第1弾「Last Blitzkrieg」フォーメーションマーカー6個が追加。「Baptism~」の追加ユニットは、戦闘序列を再調査した結果の訂正分。「Last~」の追加師団は、フォーメーションマーカーだけだが、肝心のユニットは、将来発売予定のBCS第4弾「Last Panzer's Stand」(1945年のハンガリー戦)に同梱されるらしい。詳しくはこちらから。

と言うワケで、すでに基本ルールBCSv1.2は訳しているし、特別ルールもあまり無いので(それもBCSの良いところ)、直読みでプレイできそうだ。近いうちに……

【The Second World War】「TSWW : Hakkaa Päälle」Baltic'43 Solo-Play AAR

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引き続きTSWW入門中。次は「Hakkaa Päälle」の水上砲戦練習シナリオ「Baltic'43」をソロプレイしてみた。と言っても、水上砲戦ディスプレイを使うだけ。シナリオの想定は以下に。

1943年7月。中立国スウェーデンへの侵攻を決断したドイツは、上陸部隊を乗せた侵攻船団を出航させた。この情報をつかんだ連合軍諜報部は、スウェーデンにこれを通報。スウェーデン海軍も、すぐさま迎撃部隊を送り込んだが、侵攻船団には、ドイツ最大の戦艦ティルピッツが護送に付いていた……

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……というわけで、ディスプレイ下部の「近距離(Short Range)」には、ドイツ海軍の侵攻部隊である海上輸送ポイント10と上陸用舟艇4と、護送部隊である戦艦(BB)ティルピッツ、重巡洋艦(CA)リュッツォー、Z級駆逐艦(DD)4隻、魚雷艇戦隊(TBF)1ステップが配置されている。対するディスプレイ上部の「遠距離(Long Range)」には、スウェーデン海軍の迎撃部隊、海防戦艦(CD)スヴァリイェ、グスタフV、航空軽巡洋艦(CLV)ゴトランド、駆逐艦(DD)3隻が配置されている。元々のエウロパ・シリーズ同様、TSWWでも、同じタイプの艦船は分艦隊(Division)を編成するため、ドイツ海軍はBB、CA、DD、TBFで4つの分艦隊とし、スウェーデン海軍はCD、CLV、DDで3つの分艦隊とする。状況的には、ドイツ軍圧倒的有利だが、実際にどのように処理するのかだけ分かればいいシナリオなので。

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まずドイツ海軍は、輸送船団を守るため、駆逐艦魚雷艇が「遮蔽(スクリーン)」を宣言し、雷撃距離(Torpedo Range)ゾーンへ前進。このようにすることで、後方の艦船に攻撃が及ばなくなるし、魚雷攻撃が可能となる。一方、スウェーデン海軍も、CLVゴトランドと駆逐艦が近距離ゾーンに移動。しかしまだ雷撃距離には達していないので、砲撃のみの攻撃となる。ドイツ軍の戦艦、重巡洋艦は、近距離で100%砲撃力を発揮できるので、その位置をキープ。スウェーデン海軍の海防戦艦2隻は、遠距離からでも砲撃はできるが、その砲撃力が70%(端数切り捨て)に落ちてしまう。だったら駆逐艦と一緒に近距離まで前進すれば良いのだが、今回は海戦システムを見せるという意味で、長距離に留まる。

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では、位置も決まったところで砲戦開始。砲撃は同時解決だが、とりあえず順番に解決してみよう。

まずドイツ海軍の戦艦ティルピッツは、砲撃力46(カウンター左上の数値)。対するスウェーデン海軍の海防戦艦スヴァリイェは、防御力5。砲撃は、割り振った砲撃力が、目標の防御力をどれだけ上回ったかで解決するが、砲撃解決表では「11+」つまり防御力より11砲撃力上回る欄までしかない。そしてこの「11+」欄で、一番良いダイス目10を出すと、クリティカルヒットとなり、さらにダイスを振って追加ダメージを決定する。そしてもし、このクリティカル判定でも10を出すと(つまり1%の確率で)一発轟沈となる。夢があるのだ「11+」には。

そこで戦艦ティルピッツは、16砲撃力で「11+」砲撃を1回、さらに16砲撃力で「11+」砲撃をもう1回、残った14砲撃力で「9」砲撃をもう1回、合計3回の砲撃を海防戦艦スヴァリイェに撃ち込むことにした。さらに戦艦ティルピッツは、レーダー装備のため(カウンター下中央のR表記)、ダイス修整+1となり、砲撃結果は2ヒット、2ヒット、1ヒットとなり、都合5ヒット。海防戦艦スヴァリイェの防御力は5=ヒットポイントは3なので、この損害に耐えきれず、スヴァリイェはあえなく撃沈となった。

その海防戦艦スヴァリイェも、砲撃力15(長距離なので)✕0.7=砲撃力10で、防御力9のティルピッツを砲撃するも、その差たった「1」のうえ、中小国海軍のダイス修整-1をくらい、ヒットを与えることは出来なかった。これがもし近距離まで迫っていたら、砲撃力15-防御力9で、その差「6」となり、30%の確率でティルピッツに1ヒットは与えていたかもしれない。

同様に、ドイツ海軍の重巡洋艦リュッツォー(砲撃力21)は、砲撃力11で海防戦艦グスタフV(防御力5)を「5~6」で1回砲撃、砲撃力10で「5~6」でもう1回砲撃し、こちらもレーダー装備のため、ダイス修整+1で、グスタフVに1ヒットを与えた。

対する海防戦艦グスタフVは、砲撃力14(長距離なので)✕0.7=砲撃力9で、防御力6のリュッツォーに対し、その差「3」の砲撃を1回行い、1ヒットを与えている。しかしグスタフVのヒットポイントは2しかないため、すでに1ヒットを被っている状態では、ほぼ大破。一方のリュッツォーは、ヒットポイント4なので、まだ小破というところか。

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続いて、スウェーデン海軍の航空軽巡洋艦ゴトランド(砲撃力6)が、Z30駆逐艦(防御力5)に「1~2」差砲撃するが、ヒットは無し。その他のスウェーデン駆逐艦は、砲撃力が2しかなく、防御力5のドイツ駆逐艦に砲撃しても効果は無く、雷撃距離まで突っ込んで魚雷を撃ち込むしかない。
対するドイツ海軍の駆逐艦魚雷艇も、スウェーデン海軍の駆逐艦に対して砲撃を行うが、こちらも「1~2」差砲撃で、いずれもヒットは与えられなかった。 

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砲撃が終わって、次は雷撃に移る。と言っても、雷撃距離に位置しているのはドイツ軍の艦艇だけなので、ここは一方的に。そしてスウェーデン海軍は、近距離に位置しつつも、遮蔽部隊は無いため、雷撃距離にいるドイツ海軍は、遠距離にいるスウェーデン海軍(この場合は海防戦艦グスタフV)も雷撃できる。

まず魚雷艇戦隊(魚雷力5)が、海防戦艦グスタフVに魚雷5ポイントを発射。1ポイントずつ命中判定をし、1d10で8以上なら命中。ダイス目は、2、3、3、6、10だったので1ポイント命中。次はダメージ判定だが、戦艦(BB)と巡洋戦艦(BC)以外への魚雷命中はクリティカルヒット表を用いる。結果2ヒットとなり、先の砲戦で被った1ヒットと合わせて3ヒットとなり、海防戦艦グスタフVも撃沈された。さらにZ30駆逐艦が、航空軽巡洋艦ゴトランドに魚雷1本、2ヒットを与えてこれを撃沈。Z31駆逐艦は、駆逐艦ストックホルムにやはり2ヒットを与えてこれを撃沈。残るZ32、Z33は魚雷を外したものの、スウェーデン海軍は1ラウンドにして、4隻を失ってしまった。 

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まあ、現実的に考えれば、この後スウェーデン海軍は、残った2隻の駆逐艦で溺者救助にあたり、ドイツ海軍は悠々とその場を去るのだろう。

もしも第2ラウンドをやるなら、スウェーデン海軍の駆逐艦2隻は、なんとか一矢報いるべく、雷撃距離に突っ込むが、ドイツ海軍は遮蔽部隊として駆逐艦魚雷艇を布陣しているため、後方のティルピッツ、リュッツォーを狙うことはできず、駆逐艦相手に魚雷を撃つしかない。そしてその前に砲戦があるため、ティルピッツとリュッツォーからも砲撃を浴びることになる。一応、戦艦が、駆逐艦などの小艦艇を砲撃する場合は、砲撃力1/2となるが、それでもティルピッツは砲撃力46÷2=23、防御力3のスウェーデン駆逐艦に対し「9」「8」差で2回砲撃できる。重巡洋艦リュッツォーの砲撃力はそのままなので、砲撃力21で、防御力3の駆逐艦に対し「8」「7」差で2回の砲撃。そして駆逐艦が、大型艦からヒットを被った場合は、自動的にクリティカルヒットも判定するため、まず生き残れないだろう。

というのが、TSWWの水上砲戦の仕組みである。今回は、一方的に有利な状況なので、あまり楽しくはないが、このシステムで史実の、たとえばスラバヤ沖海戦を試してみたらどうなるんだろうとは思う。

そしてもっと気になるのは、TSWWでの空母戦なのだが、それについてはいずれまた……

【The Second World War】「TSWW : Hakkaa Päälle」Helsinki'39 Solo-Play AAR

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引き続きTSWW入門ということで、「Hakkaa Päälle」の空戦練習シナリオ「Helsinki'39」をVASSALでソロプレイしてみた。このシナリオは、1939年の冬戦争時に、ソ連軍のTB-3爆撃機✕2ユニット(計80機相当)が、護衛機無しで(実際、当時のソ連軍はそうしていたらしい)フィンランドの首都ヘルシンキの爆撃に向かうが、フィンランド空軍のフォッカーD21戦闘機✕1ユニット(40機相当)の迎撃と、対空射撃を受けるというもの。実際には、ヘルシンキのヘクス上空で迎撃・対空射撃・爆撃が解決されるが、分かりやすいように、VASSAL上では、別のヘクスにカウンターを置いてみた。

ちなみにヘルシンキには、固定(Positional)の重対空砲2ポイントが配置されているが、ヘルシンキの街そのものにも、固有(Organic)の重対空砲1ポイントが存在するため、合計3ポイントの重対空砲が存在することになる。また重対空砲は、対戦車モードと対空モードがあり、マーカーで示すことになる。対戦車モードでは対空射撃ができず、対空モードでは対戦車効果が発揮できない。さらに重対空砲は、戦略爆撃に対して対空射撃が行えるが、軽対空砲は、それが不可となっている。

実際にヘルシンキを爆撃する場合、そのヘクスに存在する目標によって、ヒットを与えられる爆撃力が必要となる。たとえばヘルシンキには大型港湾があるが、これを作戦爆撃任務で爆撃する場合、4作戦爆撃力を投下すれば1ヒットが与えられる。しかしTB-3の作戦爆撃力は1(カウンター左下の左側の数値)なので、2ユニットで爆撃しても爆撃力2にしかならず、ヒットは与えられない。また戦略爆撃任務で大型港湾を爆撃するなら、8戦略爆撃力を投下すれば1ヒットが与えられるが、TB-3の戦略爆撃力は3(カウンター左下の右側の数値)なので、合計6戦略爆撃力にしかならず、ヒットは与えられない。このように、目標に対してどれだけの爆撃力を投入するか(迎撃や対空砲火によって失われることも鑑みて)を考えることも必要になってくる。

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本来は、ヘルシンキのヘクスに進入したTB-3爆撃機✕2を、D21戦闘機がヘルシンキ上空で迎撃するのだが、分かりやすいように別ヘクスで表示。ソ連軍には護衛機がいないため、D21は直接、TB-3を迎撃する。しかし爆撃機は2個あるが、戦闘機は1個しかないため、空戦ペアが1つしか成立せず、迎撃できるのは1ユニットのみとなる。

D21の空戦攻撃力は5(カウンター左上の数値)、TB-3の空戦防御力は2(カウンター右上の数値)なので、フィンランド軍は空戦解決表の「+3」の欄で1d10を振る。対するソ連軍TB-3の空戦攻撃力は0、D21の空戦防御力は4なので「-4」の欄で1d10を振り、結果は同時に適用する。

そしてこの時期のフィンランド空軍は、対ソ連軍の場合、航空戦闘効率補正(ACEV)としてダイス修整+3が得られる。対するソ連空軍のACEVは、どの国に対してもダイス修整-1を被る。この差分もお互いに適用するため、フィンランド軍はダイス修整+4、ソ連軍はダイス修整-4となる。しかしソ連軍は、空戦解決表の「-4」の欄で、一番良い出目「10」を出しても、-4修整されると「6」となり、相手に何の効果も与えられないことが確定した。

一方、フィンランド軍は、空戦解決表の「+3」の欄で、一番良くない出目「1」を出しても、+4修整されて「5」となり、結果は「1ステップロス」となる。TB-3爆撃機1ユニットが裏返されるが、D21戦闘機に出来ることはここまでで、D21は(無傷で)自分の空軍基地に帰還していく。

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D21の迎撃をかいくぐったTB-3✕1.5ユニット(60機相当)は、ヘルシンキにある固定2+固有1=合計3重対空砲の射撃を、それぞれ別々に受ける。フィンランド軍は、対空射撃解決表の「2~4」の欄で1d10を振り、爆撃機に対するダイス修整+1が得られる。「2~4」では、結果9以上でないと被害が与えられないが、2ステップのTB-3に対する対空射撃は、ダイス目8+1=9=「R*」となった。「R*」を被った2ステップのTB-3爆撃機は、全爆撃力を投下し、損害無しで基地に帰投するものの、投下した爆撃力の25%は分散され、目標には投下されずに終わる。

また先の空戦で1ステップに減じられたTB-3は、対空射撃の被害を受けずに、そのまま全爆撃力を投下する。これが作戦爆撃任務なら、2ユニット合わせて1+0=1作戦爆撃力のみが投下され、戦略爆撃任務なら、2ユニット合わせて3+2=5戦略爆撃力が投下されたことになる。

またソ連軍は、TB-3爆撃機1ステップ(20機相当)を失ったが、これは敵軍領土上での損失となるため、TB-3の1/4ステップが補充プールに入れられる。もし自軍領土上空での損失なら、1/2ステップが補充プールに入る。

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もちろんこの航空戦闘も、より大規模になれば、もっと煩雑になるだろう。特に、目標に投下された爆撃力と、分散して目標には投下されなかった爆撃力を計算するのは、ちと面倒くさい。と言っても、分散した爆撃力は160未満なら無視される。逆に言えば、分散した爆撃力が160以上あった場合、その効果も判定するわけだ。まあ、B17G爆撃機が、戦略爆撃力22という評価だから、B17G✕10ユニット(400機相当)=220爆撃力の1/2が分散しても110にしか届かないので、滅多にないとは思うが、史実で言えば1943年7月のハンブルグ大空襲が参加爆撃機746機(TSWWで言えば18.5ユニット)、1945年2月のドレスデン大空襲が参加爆撃機804機(20ユニット)なので、そういった規模の爆撃なら、分散投下された爆撃力もまた別の効果を発揮するのだろう。

またTSWWの標準ルールでは、爆撃目標ヘクスでのみ迎撃が行われるが、選択ルールでは、爆撃の往路・復路で複数回の迎撃を行うルールも用意されている。やはり英米連合軍の、ドイツ本国に対する戦略爆撃などでは、この選択ルールを使ってみたい。

とりあえずこの移動・迎撃・対空射撃・爆撃というプロセスは、地上ユニットを支援する場合でも頻繁に起きるので、陸戦メインのシナリオでも修得は必須ということだろう。その程度なら、あまり面倒ではないので、なんとかなるかなと思っている。

さて次は、TSWWの海戦を味見してみよう…… 

【The Second World War】「TSWW : Hakkaa Päälle」Futility'39 Solo-Play AAR

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「TSWW : Hakkaa Päälle」の陸戦練習シナリオ「Futility'39(無益)」をVASSALでソロプレイしてみた。ソロプレイと言っても、ソ連軍2スタックが、フィンランド軍1スタックを攻撃するだけで、ぱっと見は、ソ連軍51戦力vsフィンランド軍8.5戦力=戦力比6:1だが、TSWWシステムの陸上戦闘で、どのように戦闘結果を出すかを知るシナリオになっている。一応シナリオには、その計算式がすべて書かれているので、ある意味、プレイ例と言ってもいい(しかしシナリオの計算式には間違いが……)。

まず防御側フィンランド軍スタックは、5-6歩兵師団、(1)-6スキー歩兵大隊、2-6砲兵大隊、1-6軽対空砲大隊という内容である。戦闘力(1)ユニットは、0.5戦闘力として数えるので、このスタック全体の防御力は、5+0.5+2+1=8.5となる。

しかしこの時期(1939年12月)のフィンランド軍の戦闘効率補正(CEV)は、✕1.4であり、このスタックと補給連鎖でつながっているという設定の指揮官Mannerheimは、防御時に戦闘効率補正を+0.5上げてくれるので、1.4+0.5=最終戦闘効率補正は✕1.9となり、このスタックの最終防御力は、8.5✕1.9=16.15(端数も残す)となる。 

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これに対してソ連軍左側のスタックは、5-18戦車旅団、11-6歩兵師団から成っている。この戦闘力が、まず地形によって修整されるため、森(✕1.0)、河川(✕1.0)、陣地化ヘクスサイド(歩兵は✕0.75、戦車は✕0.5)によって、5✕0.5=2.5攻撃力と、11✕0.75=8.25攻撃力となり、合計10.75攻撃力となる。 

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またソ連軍右側のスタックは、11-10-18戦車旅団、7-6-14砲兵連隊が2、10-11-6歩兵師団となっている。これも地形効果は同様で、戦車旅団が11✕0.5=5.5攻撃力、砲兵2個で14✕0.75=10.5攻撃力、歩兵師団が10✕0.75=7.5攻撃力、すべて合計して23.5攻撃力となる。そして先のスタックの10.75攻撃力と合わせて、合計34.25攻撃力となる。

さらにこの時期のソ連軍の戦闘効率補正(CEV)は、✕1.0なのでそのままだが、今回の場合は、一般補給下での攻撃(つまり攻勢補給が消費されていない)という設定なので、戦闘効率補正(CEV)が✕0.75となり、34.25✕0.75=最終攻撃力25.69となる。

さらにダイス修整として、森で-1、河川で-1、陣地化ヘクスサイド-2、ソ連軍の制空権掌握で+1、気温が凍結で-2、合計-5修整となる。本来なら戦車部隊は、戦車ショック効果(ASE)というダイス修整が得られるのだが、この冬戦争シナリオでは、それが許可されていない。

そしてソ連軍の最終攻撃力25.69:フィンランド軍の最終防御力16.15から、1.59:1となり、ソ連軍が%ダイスを振って、59以上なら戦闘比1:1、59未満なら戦闘比2:1でダイスを振る。今回は、41が出たので戦闘比2:1として、戦闘結果表で1d10を振ると、7が出たが、ダイス修整-5で結果は2「HR(Half Retreat 1/2後退)」となり、攻撃側ソ連軍は、スタックポイントの1/2を失って後退することとなった。

ソ連軍は全体として、歩兵師団(4スタックポイント)✕2、戦車旅団(2スタックポイント)✕2、砲兵連隊(1スタックポイント)✕2という規模なので、歩兵師団2個を減少戦力面に裏返し、戦車旅団と砲兵連隊を1個ずつ除去して、総スタックポイントの1/2を失うこととした。ここで歩兵4スタック、戦車2スタック、砲兵1スタック分が失われたが、この1/3が戦闘補充として、ソ連軍の補充プールに蓄積される。つまり歩兵1と1/3補充ポイント、戦車2/3補充ポイント、砲兵1/3補充ポイント(いずれも端数は残す)が、ソ連軍補充プールに入ったわけだ。しかし、もしも戦車や戦闘工兵などが、ダイス修整が得られるほどの効果を発揮したうえで損失を被ったなら、そのダイス修整を生じさせた兵科のユニットから優先して損失を割り当てなければならない……というのが、TSWWの陸戦解決である。

このルールを先日、Karter氏に説明したところ『それはもうゲームじゃない』と言われたが、たしかにその通りだと思う。実際には、この基本的な陸戦を支援するために、対地攻撃機を飛ばし、それを迎撃する敵戦闘機との空戦を解決し、対空射撃を解決し、さらに攻撃側スタック内の戦車スタック数を数え、防御側スタック内の対戦車スタック数を数えるなどの作業があるため、さらに面倒臭くなるだろう。

とは言え、これほどまでに遊びやすさを置いてけぼりにして、シミュレーション(模擬実験)に振り切ったシステムがあるのも悪いことではないし、実験ツールとしては非常に面白い。もちろん時間的・エネルギー的に余裕のある人でないと扱えないシステムなので、万人には勧めないし、ヒマ人の自分としても、どこまでつき合えるのか分からないが、とりあえず本格シナリオのソロプレイまで漕ぎ着けようと思う。次は空海戦を味見しなければ……

【Battalion Combat Series】「Last Blitzkrieg」Tip of the Spear AAR

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今日はKarter氏と、平成最後のウォーゲーム対戦。本当はCMJ146「官渡戦役」をやるはずが、Karter氏が調達できず、急遽「BCS:Last Blitzkrieg」の対戦と相成った。プレオーダーしているBCS第3弾「Brazen Chariots」も、そろそろ発送されるようなので、それに向けての復習会ということで。今回選んだのは、1月にソロプレイした「Tip of the Spear」シナリオ。バルジの戦いの切っ先としてCellsまで進出したドイツ第2装甲師団に対し、アメリカ第2(重)機甲師団が反撃に出るというお題である。今回は、自分がドイツ軍を、Karter氏が連合軍を担当した。

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第1(12月24日)ターン。快晴により連合軍の航空支援ポイントが9到着。先手・連合軍は、早速アメリカ第2機甲師団を活性化させ、ドイツ第2装甲師団先鋒部隊にありったけの砲撃と空爆をぶち込み、これをほぼ壊滅させた。ドイツ軍としては、救援部隊として教導装甲師団を送りたかったが、活性化に失敗して動けず、先鋒部隊を見殺しにしてしまった……

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一方、東では、増援のドイツ第2SS装甲師団の歩兵部隊が盤内に入り、アメリカ第3機甲師団と戦闘に入るも、支援のV号ヤークトパンターを2ステップとも失い、装甲師団と言いつつ、戦車の無い丸裸の歩兵師団になってしまった。

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第2(12月25日)ターン。先手・ドイツ軍は、ようやく装甲教導師団、第2装甲師団本隊を活性化させ、アメリカ軍前線を後退させるも、アメリカ第2機甲師団が怒濤の反撃を見せ、教導装甲師団本部まで突進してきた。また増援のドイツ第9装甲師団は、二度の活性化でMarcheを攻めたが、アメリカ軍の打たれ強さ(ステップ数)と弾幕に押しとどめられている。

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そのアメリカ軍弾幕によって、ドイツ第560国民擲弾兵師団の戦線はズタボロに。東では、さらにドイツ第2SS装甲師団アメリカ第3機甲師団を後退させているが、その背後には休養中のアメリカ第7機甲師団が控えており、この快進撃もいつまで続くやらという感じである。

と、2ターンを終えたあたりで、今回の復習会は終了。今日は終始、アメリカ軍の航空支援と砲爆撃が炸裂したが、次にプレイするであろう北アフリカ(Brazen Chariots)では、こんなに贅沢な戦争は出来ないよねえという話にも。

そしてこれにて、平成のウォーゲーム対戦も終了。まあ令和になっても、引き続き「ほぼ引退」状態で、プレイ回数も少ないとは思いますが、引き続き宜しくお願いいたします……

【The Second World War】「TSWW : Hakkaa Päälle」

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「Day of Infamy」と一緒に、1939年の冬戦争を扱う「Hakkaa Päälle」を取り寄せた。こちらも地図盤とカウンターシートは印刷されているが、ルールやシナリオはPDFという、Lieutenant版(107.5ユーロ、125円換算で13440円)。エウロパ・シリーズの冬戦争と言えば、GRD時代に「A Winter War」というタイトルが発売されていたが、あいにくそちらは所持していない。 

冬戦争 (Historia Talvisota)

冬戦争 (Historia Talvisota)

 

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地図盤は3枚。大作揃いのTSWWシリーズの中では、小振りなセット。実は本作は、1939年の冬戦争セットであると同時に、北岬沖海戦(イギリス戦艦デューク・オブ・ヨークvsドイツ巡洋戦艦シャルンホルスト)、ドイツ軍の仮想スウェーデン侵攻を扱うセットでもある。 

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カウンターシートは6枚、カウンター総数1680個。

冬戦争の主役フィンランド軍を見てみると、地上ユニットの額面戦闘力は低いが、冬戦争時のCEV(戦闘効率補正)が1.4なので、戦闘力✕1.4として計算する。さらにマンネルハイム元帥は、麾下の部隊のCEVを+1.0上げる能力があり、スオムッサルミの戦闘でソ連軍を包囲殲滅したシーラスヴォ司令官は、CEV+2.0となっている。つまりシーラスヴォと連絡線がつながっている地上ユニットは、本来のCEV+1.4に加えてCEV+2.0=額面戦闘力✕3.4となるワケだ。また「北欧空戦史」でもその活躍が記されているD21戦闘機も額面空戦力は低いが、フィンランド空軍はACEV(航空戦闘効率補正)も高く、見た目よりずっと強力な軍隊となっている。 

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対するソ連軍は、額面戦闘力こそ高いものの、CEVは✕1.0……つまり額面そのままで、伸びしろは無い。またソ連空軍に至っては、練度が低いため、不利なダイス修整を被る。いかにも質VS量の戦い。

収録シナリオは、陸戦・空戦・海戦の練習シナリオの他「スオムッサルミの戦い」「ラーッテ林道の戦い」「ティモシェンコの1940年攻勢」「ソ連軍によるHango港奇襲」「北岬沖海戦」「ドイツ軍による仮想スウェーデン侵攻(1941年、42年、43年想定)」と、小振りで遊びやすいものが多い。

ちなみにこの地域での、継続戦争に関しては恐らく「Barbarossa」で、ラップランド戦争に関しては恐らく「Vengeance」で扱うのだろう。

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ドイツ軍には、戦艦ティルピッツもあり、これがスウェーデン侵攻船団の護送をするという設定もあり。対するスウェーデン海軍には、沿岸戦艦もあるが、さすがにティルピッツの相手は荷が重い……

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そのスウェーデン軍は史実で、各国に戦闘機の売却を打診したという設定が活かされ、仮想シナリオではさまざまな国の戦闘機が選べるようになっている。まあアメリカ製のP38JやP51D、イギリス製のスピットファイアIXは分かるとして、中には日本の零戦二二型もあり、さながら第二次世界大戦エリア88のような状態に……

ということで、地味ながらも遊びやすい規模のシナリオが揃っているので、TSWW入門編として、自分もまずは本作収録の練習シナリオからプレイしようと思っている。太平洋で空母戦に挑戦する前に、まずは北岬沖で水上砲戦から慣れるのも良さそうだ。