Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Grand Operational Simulation Series】「Atlantic Wall : D-Day to Falaise」+ Errata Counters

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前々から買おうと思っていた、GOSS第3弾「Atlantic Wall : D-Day to Falaise」(2014年発売)を、遂に購入してしまった。先月のみ、Decision Gamesで40ドル引きセールだったので、この機会に買ってしまおうと。まあ、送料を含めると、結局3万円近くになったので、国内ショップで買うのと大差無くなってしまったが、こういったビッグゲームを買う時は、タイミングも必要なので。

かつてSPIでも同名の「Atlantic Wall」が発売されていたが、SPI版がノルマンディ半島の制圧までを扱っていたのに対し、このDG/GOSS版では、地図範囲と時期を拡大し、1944年6月6日~8月23日までの、ノルマンディ半島の突破、ファレーズ包囲戦まで扱っている。ちなみにGOSS前作である「Wacht am Rhein 2012」「Hurtgen:Hell's Forest」と同じく、3ターン=1日というスケールなので、フルキャンペーンの場合、236ターンかかる。価格、コンポーネント量、ゲーム期間、ルール難易度……どれをとっても、自分が今までに買ったウォーゲームの中でもビッグ3に入る大作だ。 

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地図盤は、合計6枚+拡張部分。さらに図表類も広げる必要があるので、フルキャンペーンをやるとしたら、六畳間ではかなり厳しい。幸い、地図盤1枚で収まるシナリオが3本(グッドウッド作戦、エプソム作戦、シェルブール攻略戦)あるので、それなら我が家のテーブルでも何とかなる。北端のシェルブール地図盤を省いたシナリオ2本(コブラ作戦、カーン戦)もスペース的には厳しい。できれば地図盤1枚でトータライズ作戦とかモルタン戦、ファレーズ戦のシナリオも欲しかったが、贅沢は言うまい…… 

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SPI版では、連合軍の進撃をわざと遅らせるためか、カーン北方に実際には無いボカージュ地形を描き込んでいたが、DG/GOSS版では平坦な地形になっている。ただしGOSSの場合、『ここは史実で防御側が頑張った土地だから、防御側に有利な地形効果を与える』緊要地点(Vantage Point)という、やや陰謀ルールっぽい概念を採用している。カーン北方には、その緊要地点が散在し、激戦地112高地は、緊要マーク2個付きになっているので、史実同様、両軍の争奪地になるかも?

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こちらは、上陸ディスプレイ。SPI版と比べると、だいぶ簡略化されているし、SPI版では海軍艦艇もユニット化されていたが、DG/GOSS版では戦艦・巡洋艦駆逐艦別に艦砲射撃ポイントとして省略されている。自分は基本、陸戦ゲーマーなので、あまり海軍艦艇には思い入れは無いし、それでも良いかなと。実際、艦艇を用いた上陸戦をプレイしたいなら「GTS:The Greatest Day」をやれば良いと。

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こちらは、選択ルールの地図盤外移動ディスプレイ。ドイツ軍は、このディスプレイ上で増援を移動させ、盤内に部隊を送り込む。連合軍は、ドイツ軍の移動を航空阻止しつつ、盤外突破した部隊も動かし、ディスプレイ上でも戦闘が発生するそうだ。さすがにこれはやり過ぎだが、もしもフルキャンペーンをやるなら使ってみたい気もする……いや無理か……

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シリーズ前作で白黒だった戦闘結果表は、カラー化された。たしかに見やすくなっている。 

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カウンターシートは、全16枚。カウンター総数は、4480個。自分が購入したウォーゲームの中では、カウンター総数第1位だ。おめでとう(何が

戦闘ユニットは、GOSS前作と同様、1ユニット=大隊を基本とし、中隊にも分割可能になっている。同じ車種・兵種でも、部隊毎にレーティング(能力格付け)が微妙に違っているので、ユニットを眺めるだけでも楽しい。ただ、より詳細な「GTS:The Greatest Day」に比べると、その戦闘評価は甘めだ。たとえばイギリス海兵コマンドは、本作では一律、最高練度になっているが、GTSでは、実戦経験が無く、かつ実戦で活躍しなかったコマンド部隊は低評価に抑えてある。

ちなみに「If(もしも)増援」として、史実のノルマンディ戦には参加しなかった、ドイツ軍グロス・ドイッチュラント師団 、イギリス第1空挺師団、ポーランド空挺旅団のユニットもあり。

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よく見ると、カウンターシートの枠(ランナー)部分が、アメリカ軍・イギリス軍の境界線を示すバーになっている。間違って捨てないこと! 

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そしてこちらがエラッタ・カウンターシート。実は、Decision Gamesに直接オーダーしたのは、こちらのシートが欲しかったせいもある。しかし注文と同時にエラッタも送ってくれるよう頼んだのに、ゲーム本体は2週間前に到着、エラッタは本日到着。まあ、これでコンポーネントはすべて揃ったことになる。ちなみにこのエラッタ・カウンターの中にもエラッタがある。第12SS装甲師団の捜索大隊の分割ユニット、「12SS」という師団名の字の色が、17SS装甲擲弾兵師団の色になっている(本来の12SS師団名は、地がオレンジで字は黒)。惜しいね。

とにかく発売当初から欲しかった大作を手に入れたのだから、いずれじっくりプレイしたい。ただしGOSSの基本ルールが「Wacht am Rhein 2012」とは若干異なっているため(特に師団の疲労ルールの変更は影響が大きい)、その差分チェックも必要となる。また来年発売予定のGOSS第4弾「Lucky Forward」(パットン第3軍のロレーヌ戦)に向けて、Consimworld等でルールの改訂・明確化も進んでいるようなので、そのあたりもどうなるか。まあ、焦らずじっくり取り組もうと思う。

このシミュ2015年版.pdf - Google ドライブ

また「このシミュゲがすごい!2015年版」には、YSGA会長・山内克介氏による本作の紹介記事が掲載されている。「このシミュ2015」は、ネット上で無料公開されているので、こちらの記事も是非是非。 

ノルマンディー上陸作戦1944(上)

ノルマンディー上陸作戦1944(上)

 
ノルマンディー上陸作戦1944(下)

ノルマンディー上陸作戦1944(下)

 

【Wargaming Column】硬質PVC製カード(チャート)スタンド

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今日は、友人とぶらりGM2018初日に。と言っても、購入したのは「硬質PVC製カードスタンド」(1本500円)2本のみ。本来の用途はカードスタンドだが、それなりに重さと安定性があるため、チャートスタンドとしても使用できるとのこと。 なにしろ我が家にはもう、カードを使うゲームは皆無なので……

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たとえばこんな風に、横型チャートを、クリアホルダーに入れたまま、マルチディスプレイの如く配置できるわけだ。イイぞ。

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地図盤の空いている部分に置くのもイイ。ただしCSS(Company Scale System)の場合、横型チャートと縦型チャートを併用するが、縦型チャートはちと厳しい。

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GTS(Grand Tactical Series)は、縦型チャートオンリーなので、紙のままスタンドに差すと反ってしまう。と言ってクリアホルダーに入れて差すと、安定が悪くて倒れてしまう。スタンドの底面に両面テープを貼って安定させる手もあるが、基本的には横型チャート向きということか。

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ASL(Advanced Squad Leader)は、スタンド2つでは対応しきれないほど多量のチャートを参照するが、とりあえず歩兵火力表と砲兵器命中表を差すだけでも、テーブル上の混雑が緩和されると思う。

というわけで、またウォーゲーム便利グッズが増えたので、プレイが楽しくなりそうだ。

【Advanced Squad Leader】ASL170「11th Company Counterattack」Solo-Play AAR

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せっかく買ったから、「Hakkaa Päälle !」のシナリオをソロプレイしようということでASL170「11th Company Counterattack」を選択。本シナリオは、1944年6月23日、Vyborg近辺でのフィンランド第61歩兵連隊第11中隊による、ソ連軍への反撃を扱ったもの。2本の川に挟まれた小規模地域のシナリオだし、噂のBT42突撃砲も出るので、これにしようと。もっとも史実では、BT42突撃砲は、攻撃開始に間に合わなかった(なので第2ターンからの増援)うえに、砲弾を撃ち尽くして早々と撤収した模様。

勝利条件は、第6ターン終了時までに、フィンランド軍がソ連分隊をすべて混乱させること。今回のソ連軍は、左翼の森と、右翼の個人壕に、前のめり気味に配置してみた。前線で混乱した後、退却できる余地を考えると、こうかなと。後方の開けた地域に布陣すると、ソ連軍よりも射程距離に優るフィンランド分隊に撃ち負けてしまうし。フィンランド軍のBT42突撃砲にしても、近場まで引き寄せて、爆薬を投げ込むチャンスを作った方がいいかなと。

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さて第1ターン。BT42の到着を待たず、フィンランド軍歩兵が攻撃開始。いきなりソ連軍の臨機射撃を浴びて、戦渦からフィンランド軍にヒーローが出現したり、逆にソ連軍は、戦渦によってLMG分隊が戦意喪失(後に除去)するなど、荒れた展開に。(ソ連軍の右翼は個人壕に入っているが、分かりにくいのでカウンター上に置いている)

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第2ターン。フィンランド軍増援のBT42突撃砲が登場。弾薬枯渇値10(射撃の際に2D6振って10以上なら弾切れ)なので、たしかに早期撤収の可能性大。しかしフィンランド軍も、前のめりに配置されたソ連軍の短射程分隊の懐で撃ち合うことになり、次々に混乱・潰走している(自己回復できるのが救い)。

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第3ターン。BT42 B号車の射撃が、ソ連軍LMG分隊を混乱・潰走させた。ソ連軍はこれを回復させようとしたが、またも戦渦が発生し、狂暴兵分隊(写真右の赤いユニット)が出現。しかしそれもフィンランド軍に斬り込む前に射撃によって半数が打ち倒され(損耗)、自ら白兵戦に突入するも、自滅した。

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第4ターンには、BT42 B号車の主砲が故障(そして車両は放棄)したが、すでにソ連軍左翼は8-0指揮官1人を残して壊滅。ソ連軍は、爆薬を抱えた分隊で三度、BT42への突撃を試みたが、いずれも士気チェックに失敗。対戦車ライフルの射撃も、BT42の薄い装甲が貫けない。そうこうするうち、BT42 A号車が致命的命中を放って、ソ連軍LMGスタックを葬った。結局、8-0指揮官を倒したフィンランド軍右翼も側面に迫り、第6ターンまでにすべてのソ連分隊が除去され、フィンランド軍勝利と相成った。

ちなみにBT42 A号車も、最終ターンには弾切れでお役御免。しかしさすが114mm砲。Incremental IFTで歩兵火力に換算すると22火力(23火力でもいいような気もする)の威力はなかなかだった。ただ火力に比して装甲が貧弱なので、相手に砲兵器がある場合は…… 

タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.318 フィンランド軍 突撃砲 BT-42 プラモデル 35318
 

【Advanced Squad Leader】「Hakkaa Päälle !」

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発売された2015年から買おう買おうと思っていたASLのフィンランド軍モジュール「Hakkaa Päälle !」が、いつの間にかMMPで品切れになっていた。あわてて確認したが、クロノノーツは在庫切れ。しかし運良くi-OGMが在庫があったので、すぐに発注。多分、最後の1個。やれやれ、なんとか確保できて良かった。まあ、発売されてから三年も経てば品切れるのも無理はないか……

フィンランド軍ユニットは、ASLのドイツ軍+ソ連軍モジュール「Beyond Valor」にも歩兵と支援火器が収録されているが、本作では砲兵器や車両はもちろん、「BV」には入っていない一線級歩兵(5-4-8)、二線級歩兵(4-4-7)、徴集兵(3-4-7)も収録されている。ASLのフィンランド軍と言えば、指揮官がいなくても自己回復するという、ASLシステムの異端的存在だが、さすがに徴集兵には自己回復能力はなかった。

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フィンランド軍の車両は、ドイツ軍から貸与されたもの、ソ連軍から鹵獲したもの、さらにそれを魔改造したBT42など、ごった煮的な品揃えである。他にもソ連軍初期の車両や、氷上スノーモービル(アエロサン)、英米からのレンドリース車両も収録。ドイツ軍VI号ヤークトティーガーの訂正ユニットや、シュトルムティーガーの追加ユニットなどもあり。

シナリオは、17本。1939年の冬戦争から、1941年以降の継続戦争、さらに1944年のフィンランド降伏以後のラップランド戦争(vsドイツ)など様々。ただ個人的には「地図盤は緑だけど、一面、雪の銀世界だと思ってプレイする」冬季戦シナリオが苦手なので、プレイするなら夏場のシナリオかなと思っている。VASLを使えば冬季戦仕様の地図盤が表示できるのだが、うちのPCは、VASSAL/VASLが使えなくなってしまったので、実プレイに頼るしかない……

とりあえず3年前から懸案だった本作を入手したので、次はアメリカ軍モジュール「Yanks 2nd」と朝鮮戦争モジュール「Forgotten War」を確保しなければ。そしてなんとなく、スターリングラードヒストリカルモジュール「Red Factories」が欲しくなっているが、そこまで手を出すかは未定…… 

フィンランド軍入門 極北の戦場を制した叙事詩の勇者たち (ミリタリー選書 23)

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【Operational Combat Series】「Beyond the Rhine」 A Time for Trumpets AAR Part.2

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第3(12月22日)ターン。ドイツ軍先攻。もはや北部での突破は諦め、BastogneからLuxemburg間の隙間を衝くことにし、補給ポイントもこの付近に集中していった。まず総統警護旅団と第326擲弾兵師団が、奇襲5シフトでアメリカ第28歩兵師団を除去し、Etterbruckを突破。第2SS装甲師団もこれに続いている。連合軍はこの突破部隊に対し、アメリカ第11、第6機甲師団を当て、突破口を塞ぐ構えである。  

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第4(12月26日)ターンもドイツ軍先攻。ドイツ軍は、爆撃によりアメリカ第11機甲師団のCCA、CCBを混乱させると、総統警護旅団と第2SS装甲師団でこれを攻撃。どちらもアメリカ軍側をステップロスさせて後退させ(DL1o1)、突破口を拡大した。またLuxemburgに籠もるアメリカ第82空挺師団にも砲撃を浴びせて混乱させた後、第17SS装甲擲弾兵師団が攻撃をかけたが、奇襲に成功したものの、戦力比が1シフトしか上がらず、AL1o1をくらって後退している。 

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第5(12月29日)ターンもドイツ軍先攻。第2SS装甲師団を先鋒とする突破部隊は、ようやくバルジ(突出部)らしくなってきたが、いかんせん戦線が延びきっている。ならばとドイツ軍は、北部で予備に就いていた第3装甲擲弾兵師団を戦略移動で呼び寄せ、さらなる突破に備えた。第2SS装甲師団は、運良く連合軍のリアクション砲撃をかわした後、アメリカ空挺歩兵連隊を奇襲5シフトで蹴散らし、さらに突破モードになってアメリカ第11機甲師団CCBを再び攻撃し、これも除去。後方では、第276擲弾兵師団が、Luxemburgの北でしぶとく粘っていたアメリカ第9機甲師団CCAを後退させつつある。また北では、息を吹き返した第116装甲師団が、アメリカ第2機甲師団CCAを除去し、連合軍戦線を食い破っている(ただし北部のドイツ軍は、まったく動けずにいる)。

連合軍は、砲爆撃でドイツ軍の主力スタックを混乱させつつ遅滞作戦を展開。それでもラッキーヒットで第2SS、第9SS装甲師団の戦車大隊を吹き飛ばしてもおり、少しずつその刃を削ぎつつある。 

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第6(1945年1月1日)ターンもドイツ軍先攻。第3装甲擲弾兵師団は、突破先鋒に躍り出たが、ようやくアメリカ軍もリアクション砲撃態勢を整え、これを混乱させて突破攻撃を未然に防いだ。後方では、第352火炎放射戦車大隊を斬り込み役に、第212、第276擲弾兵師団がアメリカ第9機甲師団CCAを除去し、Luxemburgの北に迫りつつある。

連合軍は、引き続きこの突破口を塞ぎつつ、ドイツ軍主力を砲爆撃で足止め……というあたりで時間切れとなったので、今回のソロプレイはここまで。 

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感想。ドイツ軍の南北での副次攻撃案は、悪くなかった。しかしたとえ北部での攻撃に成功しても、その処理はイギリス軍が任えるので、北からのアメリカ軍増援を止めるのは厳しいと思う。

効果が大きいのは、やはり南部での副次攻撃か。南部からのアメリカ軍増援は少ないし、それを今回のようにLuxemburgで食い止めると、序盤でBastogneから南をカバーする部隊が連合軍に無いため、突破の可能性が生まれるかもしれない。それとも南部のアメリカ第10機甲師団に、Luxemburgを捨てて迂回させ、Bastogneの南に向かわせる? Luxemburgは、勝利条件都市ではないが、今回の状況では、史実のBastogne並の要衝として機能したので、簡単に明け渡すのもいかがなものか。

まあ、あれこれ感想はあるが、去年最初にソロプレイした時の違和感は払拭され、「史実に寄せないバルジ戦ゲーム」としてはかなり面白いなと感じた。OCSの場合、部隊ユニットは細かく設定されているが、実際には「お膳立ては史実通りだけど、細かい展開は気にしない」ゲームだし、むしろOCS的にどうすればいいかを考えた方が良いかと。本シナリオで言えば、ドイツ軍の第6SS装甲軍戦区は、北からのアメリカ軍増援が早期に到着するため、かなり厳しいと思う。むしろそちらでの消耗は控え、第7軍戦区から南に、部隊や補給ポイントなどのリソースを集中した方が良いかもしれない(部隊のスイング含めて)。

今回も、第2装甲師団が行き詰まり、行き当たりばったり式に装甲教導師団を南進させたことから突破口が開けたが、ある意味、史実はあまり気にせず、OCS的にうまくいきそうな実存的プレイが望ましい場合もあるということで……

【Operational Combat Series】「Beyond the Rhine」 A Time for Trumpets AAR Part.1

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最近、OCS(Opeartional Combat Series)の話題が続いたせいか、ちょうど1年前にさわりだけソロプレイした「Beyond the Rhine」のバルジ戦シナリオ「A Time for Trumpets」に再挑戦してみた。

前回のソロプレイでは、既存のバルジ戦ゲームとは異なり、突破するドイツ軍に対して連合軍がフリーハンドで南北から予備部隊を注ぎ込み、わずか2ターンで(史実の12月19日時点で)ドイツ軍を封鎖できることが分かった。ドイツ軍がこれを防ぐには、主攻勢軸となるアルデンヌの森林地帯だけでなく、さらにその南北でも、連合軍の増援を阻むような陽動攻撃を行った方が良いのでは?と思った。当然、史実のバルジ戦より大がかりな攻勢になるし、それを戦いきれる補給物資は多分無い。しかし連合軍の増援を遅滞させるチャンスがあるなら、やってみようか……という感じである。

逆にこのシナリオでは、連合軍が「後の先」、つまりドイツ軍の攻勢を逆利用し、自在に予備部隊を使うことで、バックハンドブロー的にドイツ軍を撃滅するチャンスが表現されている。実際ドイツ軍が攻勢を仕掛けてきた時、パットン将軍が『ドイツ軍は、肉挽き器の中へ頭を突っ込んでしまったようなものだ』と言ったという逸話があるが、たしかに堅牢なジークフリード線の向こうに隠れていたドイツ軍が、わざわざその防御線から出てきてくれたのだから、チャンスと言えばチャンスなのだ。

と、おおまかな展開イメージを描きつつ、ソロプレイ開始…… 

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まず第1(12月15日)ターン。ドイツ軍先攻。補給は8SP到着。まずAachenの北で、第9装甲師団が陽動攻撃を開始。英米軍の境界線に割って入り、Heerlenにいたアメリカ第19軍団司令部を襲ったが、1ステップロスして後退。上手くいけば、予備の第10SS装甲師団で二の矢を放つつもりだったが……

またルクセンブルグの南では、やはり陽動攻撃として第17SS装甲擲弾兵師団が打って出たが、こちらも1ステップロスして渡河攻撃に失敗している。 

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やはり頼りになるのは、主攻勢軸なのか。しかし第1SS装甲師団、第12SS装甲師団、さらに第501SS重戦車大隊+第150旅団のスタックは、それぞれアメリカ軍の前線を後退させたものの、突破モードには至らず、じんわりと前進したのみ。 

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最悪だったのは、Bastogneへ向かうはずの第2装甲師団+第26国民擲弾兵師団の攻撃。混乱したアメリカ軍分遣連隊相手に逆奇襲3シフトを喰らい、なんと2ステップロス。唯一気を吐いたのが第116装甲師団で、奇襲6シフトで米軍の駆逐戦車大隊と砲兵グループを吹き飛ばし、突破モードでもSt.Vithに対して二度目の奇襲4シフトでこれを奪っている。この第116装甲師団に続けと、北から予備の第2SS装甲師団、第9SS装甲師団を回し、さらなる突破に備えた。

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本来なら、予備フェイズにBastogneへ向けて発進するはずだった装甲教導師団は、第2装甲師団が行き詰まったため、急遽南進。運良く事前砲撃だけで突破口が空いたEchternachから、一気にLuxemburgの北2ヘクスまで進出した。史実の展開からは早くもかけ離れたが、一応勝利条件都市には、Luxemburgの先にある、Metz、Verdunも含まれているので、こちらに攻め込むのもゲーム的にはありだ。

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これに対して第1ターン裏の連合軍は、増援のアメリカ第101空挺師団をBastogneへ、第82空挺師団をLuxemburgへ鉄道輸送で送り込み、Aachenの間隙は分遣連隊を捻出して埋めることに。北の陽動作戦は、イギリス軍に任せ、アメリカ第3機甲師団と第1歩兵師団はEupen付近に展開。さらに北からアメリカ第2、第7機甲師団が地図盤中央に向かい、ドイツ軍の突破に備えた。また南のアメリカ第10機甲師団と第26歩兵師団は、本来ならBastogneへ向かいたいところだが、装甲教導師団に対処するため、Luxemburgへ。さらにイギリス軍も、近衛機甲師団と第33機甲旅団を南下させ、Liegeの防衛に就かせた。

ちなみにこのシナリオでも、イギリス軍の展開制限はあるが、他のバルジ戦ゲームと比べるとその制限は非常にゆるく、Bastogne北2ヘクスの線まで進出してもかまわないことになっている(上の写真右側の黒い点線が、イギリス軍が進出できる北部・中央部の境界線)。ただしアルデンヌの森であるHeavy Woods地形では、黄色い兵科マークのイギリス軍戦車大隊は戦力が半減されるし、イギリス機甲旅団はすべて(黄色)戦車大隊のみで編成されているため、あまり頼りにはならない。いわゆる『ルール的にはやってもいいけど、ルール的にはうまくいかない』という奴だ。やはりこの森林でも戦力を十分に発揮できるのは、赤い兵科マークのアメリカ軍コンバットコマンドということで。(一応、赤い兵科の機甲旅団2ユニットを含むイギリス近衛機甲師団は、アルデンヌの森林でも戦える編成になっている)

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さて第2(12月19日)ターン。今回もドイツ軍先攻。まず、装甲教導師団のLuxemburg突破を支援するため、南から第17SS装甲擲弾兵師団をスイングし、増援の総統警護旅団も付けて、これを副攻勢軸とした。行き当たりばったりで生まれた突破口だが、南から来るアメリカ第10機甲師団を足止めしている効果は大きい。しかし装甲教導師団は、Luxemburg手前を守っていた米軍駆逐戦車大隊を蹴散らして、突破モードを得たものの、二次攻撃に使える補給ポイントが無く、街の手前で足止めされている。 

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北部の第1SS装甲師団、第501重戦車大隊、第150旅団は、引き続き地道に前進。第12SS装甲師団は、アメリ第3機甲師団のコンバットコマンドにぶつかり、停止。

第116装甲師団はこのターンも順調に前進し、さらにそれを乗り越える形で、予備の第9SS装甲師団が南からMalmedyへ迫っている。しかし早くも補給ポイントが枯渇気味で、第2SS装甲師団は動けず、第2装甲師団も突破モードを得たものの、二次攻撃の補給ポイントを得られなかった。 

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第2ターン裏の連合軍は、各アメリカ機甲師団のコンバットコマンドを戦闘モードにして戦線を埋め、その背後に予備モードの砲兵部隊を配置し、防衛体制を整えつつあった。もっとも補給ポイントが足りないのは連合軍も同様で、積極的に反撃する余裕は無い。それでもこのターン、空が晴れたため、連合軍の空爆が炸裂し、ドイツ装甲師団の主力6スタックを混乱させた。

しかしここまでの殊勲・幸運師団である第116装甲師団だけは、空爆の魔の手から逃れているし、次の第3ターンは、混乱していない部隊でどれだけやれるかが肝となり、またそこにのみリソースを注ぎ込むことになるだろう……というあたりで、Part.2はまた明日。

【Operational Combat Series】「OCS:Smolensk:Barbarossa Derailed」ルール公開

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Dropbox - Smolensk Rules (final).pdf

現在MMP社でプレオーダー中のOCS(Operational Combat Series)の新作「Smolensk:Barbarossa Derailed」(1941夏のWWIIスモレンスク戦)の最終版ルールがCSWにて公開された。恐らく2018年内には発売されると思うが、マップ1枚の入門者向けサイズだし、テーマもWWIIウォーゲームとしては比較的よく知られた題材だし、最適の入門作になると思う。同じマップ1枚作としては「Reluctant Enemies」もあるが、いかんせんWWIIシリア戦線は、とっつきにくいマイナーさもあるので……

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ちなみにOCSのメインデヴェロッパーであるJohn Kisner氏がCSWで『この先5年間に発売されるOCSは、すべて東部戦線モノになるだろう』と発言している。現在開発が進んでいるのは、この「Smolensk」の他に、「Third Winter」(1943年秋~1944年冬の東部戦線。「Hube's Pocket」の拡張リメイク)、「Hungarian Rhapsody」(1945年冬のハンガリー戦線)、「Crimia」(恐らく1941~42年のクリミア半島戦)なので、たしかにそれ全部が出揃うには5年くらいかかるだろう。気長に待とう。