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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【全域戦場 Joint All Domain Operation】Package 02-B (朝鮮半島編・陸上戦コアキット)

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21世紀の統合作戦を扱った「全域戦場」シリーズの新作「Package 02-B」 のご紹介。「02-A」は、朝鮮半島周辺での海空戦キットだったが、「02-B」は同じく朝鮮半島での陸上戦キットになっている。

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こちらが陸上戦マップ。朝鮮半島の38度線周辺区域だけを拡大した形になっている。このように韓国の首都ソウルを含んだ地域が戦場とされているため、当然、北朝鮮軍による南侵を扱うようにも見えるが、シナリオを見ると、逆に韓国・アメリカ軍が北朝鮮を先制攻撃する想定が多い。もちろん、よくある南侵シナリオも存在するし、どちらの想定でもプレイできる。

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「全域戦場 01-B」では、物理的にやや大きい旅団ユニットを、実際にやや小さい大隊ユニットに分割できる仕組みになっていたが、この「02-B」では、さらに物理的に巨大な師団ユニットが登場している。

しかし「01-B」に登場した中国軍・重型合成旅団の突破火力値は39もあったのに、北朝鮮軍はまるまる歩兵師団1個師団でも突破火力値はたったの12と頼りない。北朝鮮軍は、戦車旅団(実質的には機械化旅団)でも突破火力値16なので、中国軍が重武装過ぎるのだろう。また陸上戦ユニットの質も表す情報化度としても、北朝鮮軍は軒並み低く、ほとんどが5、特殊部隊ですら6になっている。このような戦力評価なので、北朝鮮軍から先手を打って南侵するのはかなり厳しいようにも見える。

※追記:北朝鮮歩兵師団には、別途、師団直属突撃群なる旅団規模ユニットが存在するが、それも突撃火力値9なので、厳しいことに変わりはないかなと。

対する韓国軍の情報化度は7か6と、北朝鮮軍を上回り、ゲーム的には先手を打って行動可能になっている。もちろん在韓米軍は、それをさらに上回る情報化度8を誇る。

この師団ユニットは、1ヒット毎に戦力が漸減されていく仕組みになっているようで、記録用のシートも用意されているが、細かいルールに関してはまだ未読。

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陸上戦の基本ルールもver2.0となったが、こちらはver1.0と比べて1ページ程度の増加にとどまっている。一応、目視で差分チェックを行ったが、基本ルールだけなら大きな変更は無いので「01」と変わらずにプレイできそうだ。シナリオルールでは、南北の軍事境界線北朝鮮軍の秘密地下通路などの新ルールが加味されている。

まあ、北朝鮮の場合、弾道ミサイルの整備に力を注ぎすぎて通常戦力が弱体化し、以前から想定されていた地上戦力による南侵シナリオが可能なのか?という疑問はある。そのあたりを確かめる意味でも、南侵シナリオは一度プレイしてみたいなと感じた。