Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】ジョナサン・トリック「バルバロッサ 最前線のドイツ兵が見た独ソ戦」

8月の新刊「バルバロッサ 最前線のドイツ兵が見た独ソ戦」を購入。発売直後に店頭でぱらぱら立ち読みしたものの、さほど目新しい内容には思えなかったのでいったんスルーしたが、最近もWWII東部戦線ゲーム「Drive on Leningrad」「Case Blue」を買ったので、ちょっと読んでおこうかなと。実際、当時のドイツ軍やバルバロッサ作戦に関する「神話」……その責任をヒトラー一人に負わせたり、絶滅戦争については知らなかったとする将軍や兵士たち……についても触れているが、そういった内容の日本語書籍もここ十数年で増えてきたので今さら、という感じもある。期間的には、キエフ包囲戦までを扱っているが、そこで紹介されているエピソードも既刊の書籍でよく見る話が多かったので、あまり新味は無かった。一応、サブタイトルにもあるように、あまり採り上げられない歩兵師団のドイツ兵の回想や、イタリア軍将官・従軍記者の証言も載っていたので、それはちょっと新鮮だったかも。あと、どうでもいい違和感だけれど、グデリアンの渾名は「急ぎのハインツ」じゃなく、やっぱり旧来の「韋駄天ハインツ」の方が馴染みがあるなあと(^_^;)