Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】アントニー・ビーヴァー「赤軍記者グロースマン」

赤軍記者グロースマン―独ソ戦取材ノート1941‐45

赤軍記者グロースマン―独ソ戦取材ノート1941‐45

 

2007年に発売された「赤軍記者グロースマン」を、墨田区古書店にて適価にて購入。これもたいして古くない本だけれど、いつの間にか品切れていて高値になっていた。そろそろ史上最大の独ソ戦ゲーム「TSWW:Barbarossa」も発売なので、その雰囲気作りに良いかなと思って。たしかにWWII東部戦線の生々しさや、ドイツ側から伝えられるのとはまた違ったソ連側の実情が感じられる。

しかし個人的には、こういった「下からの歴史(History from below)」=庶民レベルから掘り起こされた民衆史は、あまり興味が無かったりする。いや、もちろん歴史研究では、そういったミクロレベルの情報を丹念に拾い起こすことも重要なのは重々承知なんだけれど、単純にあまり民衆史に興味がないんだと思う。日本の戦争モノでも「海軍飯炊き物語」みたいな本は全然読まないし。だから本書も「イワンの戦争」(これも白水社で品切れだ)も発売当時はスルーしたし、最近コミック化された「戦争は女の顔をしていない」も「ボタン穴から見た戦争」も、書店でぱらぱらとページをめくってみたものの、いまだに買う気がしないし、読んでもいない。

むしろ戦史好きとして自分が興味があるのは「上からの歴史(History from above)」=政治家、軍事指導者、少なくとも作戦指揮官レベルから見た戦争の歴史だったり、戦略家による戦略・作戦分析だったり、作戦経過や部隊史なんだけれど、これはもう好みの問題なので。歴史研究者だったら、その双方を追うかもしれないけど、自分、あくまで一読者なので。 

イワンの戦争 赤軍兵士の記録1939-45

イワンの戦争 赤軍兵士の記録1939-45