Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】アントニー・ビーヴァー「第二次世界大戦 1939-45 (上)」

第二次世界大戦1939-45(上)

第二次世界大戦1939-45(上)

 

スターリングラード 運命の包囲戦」や「ノルマンディー1944(上下)」「ベルリン陥落 1945」でも知られる、アントニー・ビーヴァーの通史「第二次世界大戦 1939-45(上)」を購入。上巻では、1939年9月のドイツ軍によるポーランド侵攻から、1941年12月のモスクワ攻略タイフーン作戦、日本軍の参戦までを扱っている。また「1939-45」とは言いつつも、それ以前の日中戦争にも言及している。大局的な第二次世界大戦の流れはもちろん、当時の現場を目撃した人々の証言も多数収録している。つまり「上からの歴史(History from above)」も「下からの歴史(History from below)」も含み、戦争の軍事的推移だけでなく、その惨禍に巻き込まれた民衆についても知れるという、包括的な第二次大戦通史になっている。

用語に関しては「重量級のIV号戦車-通称パンター-(PanzerをPantherと間違えたらしい)」(p182)とか「(イギリス軍の)クルーザー戦車(巡航戦車のことだよね)」(p454)といった間違いも散見されるが、個人的には目くじらを立てずに読み進めた。リデルハートの通史「第二次世界大戦」もだいぶ古いモノだし、今時の通史も読んでおきたいということで。