Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT 「Prussia's Glory II」 Prague Solo-Play AAR

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Musket & Pikeシリーズも一作一会戦ずつ遊んだので、次は七年戦争Prussia's Gloryシリーズに挑戦してみた。初ソロプレイに選んだのは「Prussia's Glory II」プラハ会戦シナリオである。プロイセン軍プラハ郊外に陣取ったオーストリア軍側面を襲うも、偵察の不徹底によって誤って沼地に入り込んでしまい、反撃をくらって甚大な損害を被りつつ、どうにか勝利と云う一戦。会戦のクライマックスだけを扱うバトルシナリオでは、プロイセン軍が沼地にハマった時点から始めるのだが、それでは「やらされている感」が強いので、今回はメインシナリオを。

史実通り配置してみると、オーストリア軍(白ユニット)の構えはなかなか巧緻で、川と沼地で両翼を守り、正面の部隊を高地上に並ばせた堅陣である。そこでプロイセン軍(青ユニット)は、騎兵をまとめてオーストリア軍側面へ回らせ、史実でハマった沼地をさらに迂回させて後背まで走らせる事にした。一方歩兵は正面に展開し、機を見て挟撃させようかと。

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第3ターン終了時。すでにプロイセン軍騎兵は縦隊によって敵陣を大きく迂回し、正面のプロイセン軍歩兵はオーストリア軍前衛を撃破し前進中である。これに対しオーストリア軍も騎兵+予備歩兵を後方に送り、迂回してくるであろうプロイセン軍騎兵に備えつつある。プロイセン軍騎兵は位置取りに手間取り、攻撃を始めたのは第6ターン。露払いに軽騎兵を送り込み、台地状のオーストリア軍騎兵を後退させた。オーストリア軍も胸甲騎兵で反撃したが、ユニット数で圧倒され、続く第7ターンのプロイセン軍の攻撃により、次々と除去されていった。

さて本作ではユニットが除去される毎に軍士気が悪化し、臨界点を超えると士気阻喪→士気崩壊→敗北となる。これを防ぐには敵を除去・敗走・降伏させて戦闘成功ポイントを稼ぎ、ポイントを3消費すれば、士気低下が1くい止められるのだ。つまり負けたくなかったら反撃して戦果を上げろと。

そこでオーストリア軍は第7ターン裏、予備の胸甲騎兵を後方に回し、疲弊したプロイセン軍軽騎兵を撃破して後背の危機をなんとか救った。ならばとプロイセン軍も第8ターン、手薄になった正面を歩兵で攻撃し、ヘクス2618高地を奪取。ところがプロイセン軍歩兵は、逆にオーストリア軍歩兵に囲まれ、第8ターン裏に猛反撃をくらって、みるみるステップロスしてしまった。戦闘後前進は強制ではないので、無理して前に出る必要はなかったのだ。

しかし損害が多いのはやはりオーストリア軍で、第9ターン末の士気調整フェイズにて遂に士気崩壊。士気チェックに失敗したユニットが次々敗走し、ジ・エンドとなった。一方のプロイセン軍もすでに士気阻喪し、混乱・後退ユニットが続出。ある意味、史実通りの「プロイセン軍は勝ったものの損害甚大」であろうか。

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システムは、思っていたよりあっさり目だった。数少ない独特なルール(1ヘクスからの攻撃戦力上限等)さえつかめば、さくさく遊べると思う。個人的にはもう少しディティールが細かくてもOKだが。

恐らくどの会戦でも、自軍の士気悪化を防ぐために敵を叩いて損害を与えつつ、自らは戦闘成功を稼ぐ展開になるのだろう。この「殴り合い」イメージが七年戦争に似合いかどうか、よく判らないが。さてせっかくプラハ会戦から始めたのだから、 このまま時代順にコリン→ロスバッハ→ロイテン会戦と遊び続け、七年戦争キャンペーン気分を味わおうと思う。

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