- 作者: アントワーヌ・アンリジョミニ,佐藤徳太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 文庫
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フランスの戦略家ジョミニの「戦争概論」が文庫化されたので購入。戦争に勝つための「不変の原則」があるとして、内線作戦の有利さを説くも、実際にはなかなかそう上手くいかない、というのは1814年のナポレオンの国内戦役を見れば、良く分かるかなと。
ちなみにジョミニが言う「作戦線」(内線作戦・外線作戦など)を確かめるなら、やはり七年戦争なりナポレオン戦争の戦役級ウォーゲームが良いかと思う。今では入手難だが、SPI生まれアバロンヒル育ちの「Frederick the Great」とか、その改訂版である「The Campaign of Frederick the Great」とか。
ただし自分の場合は、ツクダの戦国群雄伝シリーズをプレイしている時に、自然とこの内線・外線というメカニズムを覚えた気がする。特に「信玄最後の戦い」で、織田信長をプレイすると、武田信玄・浅井朝倉・本願寺という3つの敵勢力に対処しなければならず、自然と自軍戦力を内線作戦的に動かしていた。その後で、ジョミニの理論を知った時『ああ、あの動きってそういう名前なんだ!』と、妙にしっくり理解できた。時にはそのように、先にウォーゲームという実戦で理論を体得し、後からその理論を知るという場合もある。今でも「信玄上洛」や「信長最大の危機」で、そのような内線作戦が味わえると思う。しかしそれが「勝つための不変の原則」かと言われれば……