The Renaissance at War (Smithsonian History of Warfare)
- 作者: Thomas Arnold
- 出版社/メーカー: Harper Perennial
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: ペーパーバック
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スミソニアン戦史シリーズ「The Renaissance at War」を購入。これ東洋書林から翻訳が出ている「図説 古代ギリシアの戦い」「図説 古代ローマの戦い」と同じシリーズだそうで、もし邦題を付けるなら「図説 中世ルネッサンスの戦い」になるのか。扱うのは1450年から1610年頃までで、日本の戦国時代とまるかぶり。カンブレー同盟戦争だのユグノー戦争だの80年戦争だの、いずれも日本語で読める書籍が少なく、ウォーゲームも限られているが、ミニチュアゲームの世界では人気ジャンルなのだろう。
前半は兵科の解説で、第一章「The New Fury」で火砲と攻囲戦を、第二章「The New Legions」で歩兵と火燧銃、輜重隊を、第三章「The New Caesars」では騎士とピストルを採り上げている。特に火砲の開発過程、射程距離などの性能も詳しく紹介され、
砲兵隊が携行した装備(釘やストーブ、ショベル)の数も列挙されている。
後半は、ルネッサンス期戦役の解説で、第四章「Cross versus Crescent」は、キリスト教vsイスラム教を軸としてロードス島やマルタ島の攻囲戦、アルカサルキビル会戦を図解。第五章「Duelling Kings」は、ハプスブルグ家とヴァロア家の戦争が主で、カンブレー同盟戦争ラヴェンナ会戦、イタリア戦争パヴィア会戦を図解。第六章「Faith versus Faith」は、フランス宗教戦争/ユグノー戦争や、80年戦争/ネーデルランド独立戦争を扱い、アントワープ攻囲戦を図解。
とにかくカラー図版が多いので、自分のような洋書初心者にも読みやすい。その分、突っ込みは浅く、文章量は物足りないかもだが、ルネッサンス期の戦争をざっと俯瞰したい方にはオススメ。