Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT「Ukraine'43 2nd」Zhukov's Assault Solo-Play AAR

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「Ukraine'43 2nd」のカウンターを切ったついでに、キャンペーン序盤を扱う「Zhukov's Assault」シナリオ(第1~第7ターン)をソロプレイしてみた。本Blogの記録を紐解けば、初版をプレイしたのも早10年前であり、序盤シナリオならさらに以前、ということになる。ドイツ軍の配置は決まっているから良いが、自由配置のソ連軍ともなると、どこに攻撃重点を置けば良いかすっかり忘れていた。仕方なくルールブック記載の序盤プレイ例そのままに配置してみた。

ちなみにルールブックはきちんと訳しておらず、ほぼ同システムの「France'40」のプレイ経験を頼りに英文ルールを直接読んで進めてみた。後日、ルール間違いが発覚するかもしれないが、今回はあくまで味見程度だと思っていただきたい。

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序盤、ハリコフ(ヘクス4213)の北から攻め込んだソ連戦車軍2個は、順調に戦線を突破し、ベルゴロド(4409)を包囲。反撃に出たドイツ第7装甲師団は、相互損害(EX)を食らった後、返す刀でさらなるステップロスを被り、さらに断固たる防御にもしくじって跡形も無く除去された。ドイツ軍はハリコフ防衛のため、南西戦線から第5SS装甲擲弾兵師団を、南部戦線から第2・第3SS装甲擲弾兵師団を呼び寄せた。

一方、北部戦線のスミー(3407)は早くもソ連軍が奪回。しかもこの戦線にはドイツ軍装甲予備が無く、ソ連軍は増援を投入し、さらなる戦線拡大を狙った。破綻しかけた戦線を救ったのは、第3ターンに来援したグロスドイッチュラント(GD)装甲擲弾兵師団である。重戦車効果を持つこの師団は単騎、ソ連軍の矛先を追い返し、戦線の火消しに走り回った。

第4・第5ターンは、双方殴り合いの様相を見せ始める。ソ連軍はドイツ軍戦線の脆弱な部分につけ込んで突破を果たし、ドイツ軍はその突破部隊をモグラ叩きのように追い返しては、ZOCに捕らわれぬよう後退して機動予備の立ち位置を確保する。しかしドイツ装甲師団のヒット・アンド・アウェイ戦法はそれなりに功を奏すも、戦線のほころびが多すぎ、次第に対処しきれなくなってきた。

このあたりの展開を眺めながら「ああ、そういえばこういうゲームだったなあ……」と感慨に浸ったり。

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第6ターン、それまで静かだった南部戦線でソ連軍がようやく突破に成功。すでにソ連軍は南西戦線でも史実を越える前進を果たしており、このままでは南部の部隊がごっそり包囲される……と見てドイツ軍も撤退開始。追うソ連軍は、逃げ遅れたドイツ軍歩兵師団を次々討ち取るも、タガンログ(5832)など勝利ポイント都市を取りこぼし、これが最終結果に響いた。

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南西戦線のソ連軍は史実を上回る進捗を果たしたものの、やはり勝利ポイント都市パブログラード(4123)までは奪えず。

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北部戦線のソ連軍も、鬼神の如きGD師団の奮戦にすくみ上がったか、スミーより先には進めず。ヴォロネシ方面軍は、ベルゴロドに続いてハリコフも奪回したが、今ひとつ攻めきれず、ポルタヴァ(3316)に手が届かなかった。このあたりは自分の采配ミスを痛感。つい消耗を恐れてしまったが、2個戦車軍をもっと頻繁に活用すべきだったと思う。消耗戦に持ち込めば、ソ連軍に分があるはずなのに。

結果、ソ連軍の獲得ポイント7となり、勝利にはあと1点足らず。まあルールは変わったし、10年ぶりの「Ukraine'43」プレイなので、カンが戻るにはまだ時間がかかるだろう。

 

「2nd」の感触は良好。元々類似システムの「Normandy'44」「France'40」も楽しく遊べているので、本作にも違和感は無い。ルールも簡便になったし、プレイ後の疲労感も軽減されたと思う。ただ相変わらず戦線は長いので旧版同様、マンツーマンで遊ぶより、2人vs2人がちょうど良いかもしれない。

しかし「簡単になった」からと言って「良いゲームになった」とも言い切れないのがウォーゲームの面白さだと思う。遊びやすさにしろ、重さにしろ、結局は個人差が感じるものなので万人に当てはまるものでもない。初版の重さが好きな方はそのまま初版を遊べばいいし、恐らくこの先、初版と2版が並行的に遊ばれていくような気もする。そういう稀有な魅力があると思う、初版にも2版にも。

ただ初回の感触だけで言うと、自分の場合、もう初版を遊ぶことは無いだろうなあ……と思ったのも事実だ。それは2版の方が優れていると云うことではなく、2版の方が自分にとってちょうど良く感じただけのことである。楽しいゲームの、嬉しいリメイクだと感じたソロプレイだった。