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Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Wargaming Column】ボード・ウォーゲーム×ゲームマスター

今回のお題の発端はこちら。 ※Togetter「ボード・ウォーゲーム×ゲームマスター」

1980年代西ドイツでの米ソ両軍の仮想戦を扱ったSPI社ウォーゲーム、「NATO Division Commander」の選択ルール、コントローラーゲームは、 コントローラーなるプレイヤーが事前の作戦計画に沿ってソ連軍を動かし、 米軍の相手をしつつ、ゲーム全体の戦闘を判定するという試みだった。

このアイデアを、現在のボード・ウォーゲームに探すならば、実際に命令書シートを書き込むことで有名な戦術級TCS(Tactical Combat Series)、南北戦争CWB(Civil War Brigade)だろうか。これらのシリーズではある意味、両軍プレイヤーが共にコントローラーとなり、事前の作戦計画通りに部隊を動かすワケで、NDCの直系子孫と言えるかもしれない。

またD&D3.0-3.5、PathfinderRPG、D&D4thシナリオを見ると、モンスターがどのように行動するか、あらかじめ規定されていることが多く (事前にどの呪文で強化するか、攻撃方法の選定、退却のタイミング等々)、ここにも「戦術定義されたソ連軍」が生き残っているように感じる。

しかしそれでも、判定役に魅了されるゲーマーは少ないだろうし、 ボードゲームでもGM+プレイヤー的感覚を味わえる「ディセント」や、 ゲームシステムそのものがGMの役割を果たす協力型ゲームなどが現れ、 GMを排除する方向の進化……というenumuraさんのツイートもうなずける。

ではウォーゲームへのGM導入が、まるでダメかと言われれば、 そこはenumuraさん仰るところの「プレイヤーの負担軽減」に繋げたい。まだルールに慣れていない初級ゲーマーに対するインスト時、 ベテランゲーマーは、プレイに参加せずに横から助言するのではなく、 GMとしてプレイに参加しつつ、ルールを教えていくと。 GMは、NDCのコントローラー・ルールにもある通り、「絶大な職権を介入させることを防ぐため」作戦計画を事前に決める。TCS/CWBのような命令書シートを作ってもいいし、メモ書きでもいい。それがハンデとなり、なおかつGM本人が楽しめる形がベスト。史実通りでも、自分なりの計画でもいい。あらかじめ各部隊の作戦目標や、撤退のタイミング、増援の投入箇所を決めるだけでも面白いと思う。 それが全然うまくいかなくて、自分が四苦八苦するのもたまらない。

あるいはロールプレイ支援システム……特にライフパスを参考にして、各指揮官の性格や行動タイプ(猪突猛進型か慎重型か)を決め、臨機応変に命令を変えられるとか、能力値を設定するとか (各指揮官のキャラクターシートも必要だ)。

とか書くうちにゲーマー諸氏から「そんなルール作るの面倒くさい」 「作戦計画が、どこまで行動を制限するのか、曖昧になりがち」 「計画に縛られたくない」「純粋に対戦を楽しみたい」という嘆きが聞こえてきそうだが、これはただ単にアイデアを膨らませる遊びなので深刻に考えすぎないように (そしてその手のツッコミは、TCS/CWBでもまま見られる)。

そしてよく考えれば、自分がウォーゲームをインストする場合は、 ルールを教えつつ、対戦相手も兼ねるので、ほとんどGMプレイだなと。TRPGをマスターする時と、ほぼ同じ意識だったことに今、気づいた。まあつらつら書いたが、このGM導入プレイ、 結構面白そうなので、そのうち何かのウォーゲームで実践してみようかと思う。ここはやはり、我が魂のゲーム、GTS(Grand Tactical Series)か?

※2/25追記:よくよく考えれば、各部隊が作戦行動によって束縛されるゲームと言えば Musket & Pikeシリーズもそうだったと思い出したり。

※2/25追記:プレイヤー一人が、両軍の作戦計画をすべて作成し、両軍を動かす、 という大昔からあるソロプレイ支援ルールにも繋がるな、この話。