Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Grand Operational Simulation Series】「Atlantic Wall : D-Day to Falaise」ルール翻訳中 Part.1

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昨年購入した「Atlantic Wall」が、積まれたままなので、ようやく重い腰を上げて、ルール翻訳を開始した。実際に訳したのは、ゲーム本体に入っているルールではなく、Decision Gamesサイトで公開されている、ver4.0ルール(2016年10月11日付)である。英文ルールで3段組み70ページ。さすがに読みにくいので、日本語ルールは2段組みにしたが、目次だけで6ページ、総量は100ページを超えるだろう。ちなみにこれは、あくまで「Atlantic Wall」の個別ルールだけの話で、これとは別に、GOSSの基本ルール(これまた英文3段組み70ページ)が存在するわけだ……

とりあえず今現在、ルール27.0まで到達し、シナリオ情報、空挺、上陸以外のルールは訳したが、それでも2段組み40ページ近くある。普通のウォーゲームなら、とっくに全ルール訳し終わっていてもおかしくない分量だ。さすがに疲れたので、いったん間を置いて、また取りかかるつもりだが、ここまでに訳したルールの中でも、印象的だったことをメモしておこう。

https://decisiongames.com/wpsite/e-rules/

・1.2.7d 生け垣カッター戦車

他のノルマンディ戦ゲーム同様、本作でもボカージュと生け垣は、ドイツ軍に対して有利な防御効果を授けてくれる。しかし7月15日以降、アメリカ軍はダイス判定を行い、それに成功すると、M4シャーマン全部隊に対して、十分な生け垣カッター(ヘッジホッグ)が行き渡ったと見なし、M4シャーマンが参加した戦闘では、ボカージュと生け垣の防御効果が無効化される。ん?M4シャーマンだけ?俺、子供の頃、ヘッジホッグカッターの付いたM5スチュアート戦車のプラモ作ったんだけど、M5じゃダメなの?と思ったが、まあ、そういう解釈らしい。

・26.5.2b グロスドイッチュラント装甲師団の投入

ドイツ軍は、史実ではノルマンディ戦に投入されなかった、グロスドイッチュラント(GD)装甲師団を、国防軍最高司令部(OKW)の予備部隊として登場させても良い。ただし登場位置は、10面体ダイス1個を振ってランダムに決定される。出目が0~2ならドイツ本国(分かる)、3~4ならベネルクス三国(分からないでもない)、5~6ならカレー(分からないでもない)、7ならレンヌ(むむ)、8ならアレンソンで6月6日夜間ターンから行動開始(おいおい)、そして9なら……サン・ローから6ヘクス以内に配置し、6月6日午前ターンに捜索大隊と装甲擲弾兵連隊1が活性化、同日午後ターンには全師団が活性化するという。サン・ローにGD師団!D-Dayに活性化!つまりオマハ海岸に急行してアメリカ第1・第29歩兵師団を襲ったり、半島部に進出してアメリカ第82・第101空挺師団を襲えるわけで、それはちょっと試してみたいと思った(ダイス目で9が出たことにして)

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27.0 戦略地図

正直、ここまで本作のルール量が多くなった原因の多くは、このルールにある。このディスプレイ1枚入れたおかげで、ルール量が15%~20%ぐらい増えているような……。しかもこれ、単なる盤外移動だけではなく、盤外戦闘もあり、そのための戦闘ルールもあるため、実質「1944年夏の西部戦線のポイント・トゥ・ポイント式のミニゲーム」が、余計にひとつ追加されているようなものだ。まあ、付けてしまったものは仕方ないが、やはり、ここまでやる必要は無かったなあと。

……という感想を得たあたりで、次は「Atlantic Wall」のシナリオ情報、空挺ルール、上陸ルールに取りかかるつもりだが、いつ再開するかは未定。多分、今年発売される予定のGOSS第4弾「Lucky Forweard」を入手した後かもしれない。それまでは、また積みゲーに戻るが、ここまで訳しておけば、一応進捗したということで……(本当に疲れた