Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Tactical Combat Series】MMP「Canadian Crucible」

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TCS(Tactical Combat Series)第16作「Canadian Crucible」が届いた。今回のテーマは、1944年6月8~11日(仮想シナリオでは6月7日も扱う)、ノルマンディに上陸したばかりのカナダ第3歩兵師団が、ドイツ第12SS装甲師団の攻撃を受けるも果敢に抵抗した……と云うもの。この戦況については、「ヒットラー・ユーゲント SS第12戦車師団史(上)」に詳しく載っている。

ヒットラー・ユーゲント―SS第12戦車師団史〈上〉

ヒットラー・ユーゲント―SS第12戦車師団史〈上〉

 

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こちらがサブタイトルにもある戦闘の焦点のひとつ、ノレイ村。 本作は、TCSとしては珍しくフルマップ一枚に戦場を収録している。 盤上に生垣などはあるものの、TCS特有の面倒な高低差はあまり無く、 ざっとみた感じ、部隊は動かしやすいと思った。

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また登場戦車もパンター、IV号、M4ファイアフライとポピュラーで、 カナダ第3歩兵師団、第12SS装甲師団ともに歩兵の質も高し。ちなみに選択ユニットとして、第101SS重戦車大隊、ミハエル・ヴィットマン麾下のティーガーI型 が5台分、用意されている。まあTCSなので、特に「ヴィットマン無双」的なルールは無いようだが。

シナリオは、キャンペーンと仮想前日戦含めて9本収録。 うち3本は、地図盤の一部だけを使う10ターン前後のシナリオだし、題材やボリューム、登場戦車、平坦な地形から吟味しても、今まで出版されたTCSの中でも、かなり敷居が低い入門編かなと。まあTCSの真の魅力は、長期シナリオにあって、命令書を書き換えつつ、麾下の部隊をマネジメントすることだと思うが、盤面が広過ぎたり、部隊が多過ぎて、なかなか難儀だったのも事実。しかし本作ならマップ一枚なので、部屋に置きっぱなしにして、キャンペーン・シナリオ完遂するのも夢ではないかもしれない。挑む価値はある。