Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Guderian's Blitzkrieg II」 Operation Mars Solo-Play AAR

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「Guderian's Blitzkrieg II」の「Operation Mars」シナリオをソロプレイした。スターリングラード包囲の天王星作戦と時を同じくして、ソ連軍がドイツ軍ルジェフ突出部の挟撃を狙った火星作戦である。ジューコフ元帥自ら立案したもののドイツ軍包囲には至らずと云う戦い。しかしセットアップは苦行の如し。 フルマップ2枚を蛇行する戦線をシナリオ見ながら1ヘクスずつ構築。 この作業は、もはやゲームでも娯楽でもなく単なるストレス耐久訓練でしかない。途中、何度も絶望しかけるも、休憩はさみつつ、なんとか配置を終えた。

さて配置を終えたら、紅茶を飲んで一服。 学研M文庫「独ソ戦全史」を読み、史実を頭に入れ始めた。するとシナリオ配置は、実際の作戦より広範囲を扱ってる模様。 そこでせっかく並べた戦線を縮め、フルマップ1枚強の範囲にしてみた。ヴェルキエ・ルーキ以北、ヴィヤジマ以南を省いてみると、火星作戦だけに焦点が絞れてイイ感じになる。と云うワケで地図Axx17以北、Bxx09以南を省略してゲームを開始した。

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第1ターン表はソ連軍。ドイツ軍戦線に隙間なく砲爆撃を浴びせ、ずらりと混乱マーカーを置きまくる。このターンだけで80SP近く消費したが、射程内にあるうちに撃っておこうと。ソ連軍は史実通りベールイで突破に成功するも、ドイツ第23軍団HQは取り逃がした。

第1ターン裏はドイツ軍。敵の攻勢をはね除けた精鋭グロス・ドイッチュラント師団が、突破してきたソ連第3機械化軍団を迎え撃ち、見事これを殲滅。続く第2ターン表のドイツ軍は、戦線の整理に徹した。

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第2ターン裏のソ連軍は、再び攻勢。 まだ射程内にいたグロス・ドイッチュラント師団と第1装甲師団を砲撃し、混乱させたうえ討ち取るはずが、両師団はノーダメージで退却に成功。さすがである。一方、ソ連第1・第2機械化軍団は スモレンスクに直接向かうも、進撃停止。彼らの足を止めたのは、沼沢地に陣取った ドイツ第7空挺師団(後の第1降下猟兵師団)+SS騎兵師団という異色コンビ。重障害地形のため爆撃も失敗。凍結すれば沼沢地の効果も弱まるのだが……

第3ターン表もソ連軍だが、すでにカチューシャ砲を派手に撃てる余裕はなく、補給ポイント節約のため、突破の進んだベールイ方面のみに攻勢を絞る事に。しかし第3ターン裏、ドイツ軍にベールイを奪い返されたうえ、第2機械化軍団までもが第7空挺+SS騎兵に押し戻される始末。 まあある意味、史実に近い展開だが……

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ところが第4ターン表。連続行動となったドイツ軍もルジェフにて反撃に失敗。ドイツ軍も補給ポイントが枯渇し始めたので、砲兵隊に予備マーカーを乗せ、阻止砲撃態勢に入った。

第4ターン裏のソ連軍は、再編した第3機械化軍団でベールイを再奪回し、東ではスイチェフカでも突破に成功。予備の第2親衛騎兵軍団は、ドイツ第46装甲軍団HQをまたも取り逃がし。しかし続く第5ターン表もソ連軍となり、第2親衛騎兵軍団は、第46装甲軍団HQを追撃した。 ところがここへドイツ軍予備・第9装甲師団が駆けつけ、逆奇襲によって第2親衛騎兵を撃退。予備の重要性を痛感したシーンであった……。

しかしソ連軍は戦闘の焦点がスイチェフカに移ったと考え、ちょうど増援に到着した第3戦車軍HQを現地に急派。待機中だった第5・第12戦車軍団、第1親衛騎兵軍団によってスイチェフカ突破口を拡大する作戦とした。

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さて第5ターン裏、ドイツ軍。 このまま西のベールイ、東のスイチェフカを突破されれば、北のルジェフ方面部隊がごっそり包囲されてしまう。そこで史実より3ヶ月早いが、ルジェフ放棄「水牛作戦」を実行。ドイツ軍は戦線を縮小し、それによって部隊を節約、予備を作る構えである。

一方、スイチェフカ突破口へは増援の第20自動車化師団を投入。さらに第9装甲師団+第36自動車化師団でソ連第2親衛騎兵軍団を包囲殲滅し、なんとかスイチェフカを奪い返した。もっとも突破口を埋める部隊はなく、 ここからは機動防御で支える作戦である。

その頃、西のベールイ方面では精鋭グロス・ドイッチュラント師団がソ連歩兵師団を各個撃破。さらに後方のカチューシャ部隊を踏み潰し、ソ連第22軍HQに肉薄した。

しかも第6ターン表もドイツ軍だったため、グロス・ドイッチュラント師団はそのまま22軍HQを蹂躙し、ソ連軍戦線を消滅・分断させる活躍。波に乗るドイツ軍は、砲撃一発でソ連第3機械化軍団も全滅させ、ベールイ奪回。さらに西方では、第7空挺+SS騎兵師団コンビがソ連第1機械化軍団を壊滅させ、突破フェイズに第2機械化軍団まで除去する暴れぶり。これでベールイ以西のソ連軍脅威は、完全に取り除かれた形である。スイチェフカ方面でも、第2装甲師団ソ連第6戦車軍団を撃滅していた。

第6ターン裏はソ連軍。立て続けの猛反撃をくらったうえ、補給ポイントも枯渇し始めたので、このターンは突破準備のみで終了。第7ターン表のドイツ軍も戦線縮小と予備捻出に専念。

第7ターン裏はソ連軍。突破再開である。第5、第12戦車軍団をスイチェフカに送るも、ドイツ第36自動車化歩兵師団の逆奇襲をくらって敗退。しかし第8ターン表もソ連軍だったため、 さらに攻撃を続行し、ようやくスイチェフカを占領した。またソ連軍は、ヴィヤジマ前面でも突破に成功し、ドイツ第9・第20軍団HQに迫った。

第8ターン裏は、ドイツ軍。 脅威の去ったベールイ方面からグロス・ドイッチュラント師団と第1装甲師団を引き抜き、スイチェフカへ投入。オーバーランにてソ連第5、第12戦車軍団を撃退し、ヴィヤジマ前面の歩兵師団も敵を押し返しました。第9ターンは両軍とも戦線の整理に終始し、シナリオを終えた。

 「Operation Mars」、面白いシナリオだと感じた。ソ連軍は突破口を次々に穿ち、ドイツ軍は機動防御で戦線を支える…… 両軍共に、やり甲斐がある。この調子なら新作「Case Blue」も死蔵せずに済むだろう。この規模のシナリオも、時々はプレイしたいものだ。