Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

SPI/Six Angles「Eric Goldberg's Kursk」

f:id:crystal0207:20090331110800j:plain

Six Angles版「Eric Goldberg's Kursk」を購入した。あいにくSPI版は未見。ゲームスケールは1ヘクス=10キロ、1ターン=2日、1ニットはドイツ軍師団・ソ連軍軍団が基本である (一部旅団/連隊、大隊ユニットもあり)。ユニットは多数あるように見えるが、実際は戦力減少用置き換えユニットが大半だ。マーカー等でステップロスを示すより分かり易い。所属毎に兵科記号が色分けされているのも便利だ。マップには何重にも構築されたソ連塹壕が描かれ、クルスク突出部はまさに壮大な「城塞」と化している。

ターン進行は、モード決定、移動、戦闘、戦闘、機械化移動、再編成と云う珍しいシステム。戦闘はファイアパワー方式だが、攻撃前に防御側は対戦車砲と砲兵の射撃が行える。いかにもクルスクな雰囲気とは言え、実際には煩雑らしく、防御側射撃を省略する日本版ルールも入っている。

f:id:crystal0207:20140314115824j:plain

シナリオは3本+オマケ1本。マンシュタイン案による5月早期攻勢仮想シナリオ、史実通りの7月ツィタデレ作戦シナリオ、そして8月に行われたソ連軍夏期攻勢シナリオである。どれも10ターン未満だが、1ターンはそれなりに重そうだ。日本版ミニシナリオ・プロホロフカは拡大A4マップ一枚を用い、まずはこれでシステムに慣れてくれと言う事だろう。その他にも日本版には「ドイツ軍宣伝旅団」「パンター戦車/エレファント駆逐戦車の故障」等のお楽しみもあり。SPI版を尊重しつつ、より遊びやすく、より明確なゲームになっているようだ。なかなか重そうなゲームではあるが、せっかくの再版なので、この機に特異なシステムを味わってみたい。