Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「ドイツ電撃戦に学ぶ OODAループ超入門」

ドイツ電撃戦に学ぶ OODAループ「超」入門 (Panda Publishing)

ドイツ電撃戦に学ぶ OODAループ「超」入門 (Panda Publishing)

 

アメリカ空軍のパイロットであり、後に空軍教官も務めたジョン・ボイド提唱の「OODA(ウーダ)ループ」の入門書を購入。「OODA」とは、Observation(観察)、Orient(方向付け)、Decision(判断)、Action(行動)という4プロセス・1ループを、相手より高速で回すことで、相手の対応能力を麻痺させ、優位を得る理論を指している。本書では、その実例として、1940年のドイツ軍によるフランス侵攻を挙げている。たしかに、フランス軍の立ち遅れは、OODAループ的に劣勢と陥ったと解釈することもできる。

さて、このようなOODAループの差異を表したウォーゲームはあるだろうかと考えると、自分としてはBCS(Battalion Combat Series)をオススメしたい。BCSでは、1ターンという同じ時間内で、各フォーメーション(師団や旅団・連隊)の行動量に大きな差が出るシステムだ。各フォーメーションは、1ターン毎に、2回活性化が行える権利がある。ただしフルに活動できるか、半分か、まったく活動できない可能性もある。つまり、最大フルで2回活性化できるが、それ以下だと、1回+0.5回、0.5回+0.5回、1回のみ、0.5回のみという具合に、活動量に幅が出るわけだ。そしてその差が大きければ大きいほど、劣勢に陥った側は、受動的にならざるを得ない。相手に対応するだけで手一杯になるのだ。

また最近発売された「Less than 60 Miles」も、このOODAループを表現しているゲームなのだが、こちらはまだ未プレイ。いずれそのあたりも確認するつもりである。

またボイドのOODAループについては「エア・パワー 空と宇宙の戦略原論」も参考に。