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【Age of Muskets】「Tomb for an Empire」 Massena's Invasion of Portugal 1810-11 Solo-Play AAR

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コンポーネント不足を嘆いた「Tomb for an Empire」だが、 遊びやすいよう、ターンと活性順トラック、アクションポイント・マーカー、 HQ毎の活性化マーカー、ベテラン&新兵戦力マーカー等を自作した。 絵がヘタすぎてワケが判らぬマーカー類もすべてリメイク。正直、ここ10年で出会ったゲームの中でもかなり残念な作品だが、 ここまで手間をかけると、かえって可愛く思えるから不思議だ。いや実際コンセプトは好きだ。

さて、実際に遊びやすくなったかチェックするため、「Massena's Invasion of Portugal 1810-11」シナリオをソロプレイすることに。ちょうど200周年でもあるし、使用するマップ範囲も案外狭いので。シナリオは1810年6月ターンに 始まり、1811年5月ターンに終了。 フランス軍がリスボンを占領すれば、フランス軍の自動的勝利となり、それ以外の場合では、勝利ポイント数によって勝敗を決する。

攻めるフランス軍は、総司令官マッセナ29戦力、ネイ23戦力、レイニエ15戦力を有している。 また12月ターンには、増援としてデルロン17戦力が登場。守る連合軍は、ウェリントン率いるイギリス本軍が28戦力、 ヒル率いる別働隊が8戦力、クローフォード麾下に8戦力と少ないものの、各地に戦力が分散しているので、糾合すればそれなりになるはず。11月ターンにスペイン軍の増援8戦力も来るが、アテにはならなそうだ。

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フランス軍の作戦としては、まず気候を考慮する必要がある。 第1-3ターン(6-8月)は夏期のため、半島中部(緑色ゾーン)と 半島南部(黄色ゾーン)で消耗が激しくなるため、行動は控えるべきで、 冬季の第7-9ターン(12-2月)は、中部と北部(茶色ゾーン)が厳しくなる。つまりシナリオ序盤(夏)は、涼しい北部でネイ軍団を動かし、 秋になったらレイニエ軍団も動かしてリスボンを目指せと。 ただし半島中部は、夏も冬も消耗が激しいので気をつけろと。 もっともネイがポルトガル国境のアルメイダを陥とすまではレイニエ軍団が活性化できないと云う特別ルールもある。このフランス軍外線作戦を、ウェリントンが内線で支えられるかがキモ。 史実では、フランス軍がリスボン近郊まで攻め込んだものの、 連合軍のトレス・ヴェドラス要塞線でくい止められ、あえなく敗退している。

マッセナウェリントンは機動力(イニシアチブ値)でほぼ拮抗し、ネイは機動力では劣るものの、士気と戦術値で上回る斬り込み役。 ただしネイが戦闘で負けたり、リスボンから離れるような移動をすると 司令官解任チェックが待っている(なかなか負けないとは思うが)。さらに8月と1月ターンだけに訓練フェイズがあり、 新兵の50%を一般兵に、一般兵の50%をベテラン兵に置き換えるので、 そのタイミングもうまく生かしたい。

さてソロプレイ開始。1810年6月ターン、ネイ率いるフランス第VI軍団は、シウダード・ロドリゴ城塞を陥落させ、ポルトガル国境へ迫った。 一方ウェリントン率いるイギリス軍も、アルメイダへ前進し、 現地を守備していたクローフォード将軍の軽歩兵師団を組み込み、 野戦防塞を築いて、フランス軍の侵攻を待ち構える。しかしフランス軍は、ジュノー率いる第VIII軍団の大半が新兵だったため、8月ターンの訓練フェイズを待って、新兵の50%を一般兵に昇格させた後、ネイ軍団を先鋒として、アルメイダのウェリントン軍を攻撃した。ネイは、運良くジュノー軍団、マッセナ本軍を増援に呼び寄せたが、ジュノー軍団の側面攻撃失敗によって敗退し、いったんスペインへ退却。 幸いウェリントン軍が騎兵追撃できなかったため、フランス軍にとっては大事には至らなかった。

ネイは敗戦による解任チェックを乗り越え、再びウェリントン軍を攻撃。 二度目の野戦もネイが総指揮を務めるも、今度はマッセナが到着失敗。 しかし名誉挽回とばかりに、左翼に投じたジュノー軍団が奮戦し、 劣勢を悟ったウェリントンは、戦闘臨界に達する前に撤退を決断した。

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9月ターン、フランス軍はウェリントンを追って西進したが、 徴発したゾーンで次々に糧食が枯渇し、なおかつ回復もしなかったため、補給切れ+ポルトガル国内ゲリラによって、落伍兵が続出した。10月ターン、ウェリントンは、コインブラに再び野戦防塞を構築。これを突破するため、今度はマッセナが先に布陣して総司令官を務め、増援ネイ軍団に側面攻撃を任せた(ジュノーは後方で兵站構築)。

このコインブラ会戦も、第二次攻撃でようやくフランス軍が勝ったものの、 今度は逆にフランス軍に騎兵が少なかったため、追撃が手ぬるくなり、ウェリントン軍に破滅的損害を与えられぬまま、遅滞行動を許してしまった。ネイは第一次攻撃失敗により再び解任チェックを行うも、なんとかクリア。

11 月ターン、ウェリントンはサンタレムへ後退するも、すでにリスボンには増援のスペイン軍ラ・ロマーナ軍団が到着している。これに合流され てはまずいと、フランス軍は3万近い兵力で再び野戦を挑んだ。 しかしウェリントンは、隣接ゾーンに来ていたラ・ロマーナ軍団を呼び寄せ、 総勢5万にも及ぶ陣容を敷き、右翼ピクトン将軍の連続突撃によって勝利。退却するマッセナ軍には、もはや再戦するだけの戦力は無く、 ここで連合軍勝利として、ソロプレイを終えた。ちなみにコリア方面では、フランス軍レイニエ第II軍団が、イギリス軍のヒル将軍を何度か攻めたものの、いずれも撃退されている。

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コンポーネント自作によって、一応は遊びやすくなったが、 それでも戦力を3段階(ベテラン・一般兵・新兵)で管理したり、 損失兵力のうち、60%だの80%だのを落伍兵にするのも億劫である。野戦も、回数が増えてくるとディスプレイ使うのが面倒になって来た……

それでもシナリオの展開は、ものすごく真っ当かつ史実に近く、軍団の活性化や、兵站・消耗メカニズムはイイ線いってるので、次回は記録用紙への書き込み式・戦力管理を試してみようと思う(実はデザイナー推奨は書き込み式である)。

The Lines of Torres Vedras 1809?11 (Fortress)

The Lines of Torres Vedras 1809?11 (Fortress)