Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「戦況図を読む 作戦/戦術とNATO戦術記号」

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昨年末の冬コミの新刊「戦況図を読む 作戦/戦術とNATO戦術記号」をBOOTHにて購入。昨年発売された「兵科記号を読む」に続き、今回は戦況図と、部隊の動きなどを簡潔にまとめられている。ウォーゲームの盤面そのものが簡略化された戦況図なので、それが実際にはどうなっているのか知るには良い一冊。

本書では中隊・小隊まで書き込まれた戦術レベルの戦況図が用いられているが、ボード・ウォーゲームで言うと、作戦戦術級GTS(Grand Tactical Series)の盤面がまさにそれ。上の画像は「Race for Bastogne」のプレイ風景だが、プレイヤーの頭の中では、前線(赤い線)や、大隊ごとの境界線(緑と灰色)が描かれていたり、こちらのフォーメーションには地域防御を行わせ、また別のフォーメーションには攻撃、さらには戦果拡張を行わせよう……と脳内戦術会議が行われているようなものだ。また一口に防御と言っても、ただ陣地にしがみつくだけでなく、対戦車砲の射程内におびき寄せるためにいったん前線を明け渡すとか、後方から駆逐戦車を呼び寄せるなど、本書でも紹介されている部隊機動がわかりやすく実体験できるかと思う。本書の内容に惹かれた方は、是非GTSに触れていただきたい。入門者向けの「Strike-Counter Strike」もまだ入手できるしね。