Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

Clash of Arms 「Operation Spark !」

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Clash of Arms社の「Operation Spark !」を購入した。テーマは1943年1月、包囲されたレニングラード市を救うため、 ソ連軍がラドガ湖畔にて行った攻勢「火花作戦」である。このゲーム、随分以前から買おうか買うまいか悩んでいた。CMJ33号、GJ1号の紹介記事を読んで魅了されたものの、高難易度と知って尻込みし、10年近く手を出しかねていたのだ。しかし結局自分が惹かれるのは、こういった詳細に表現するウォーゲームであり、究極的に面倒なシステムを体感するのも良かろうと云うことで購入に踏み切った。

基本システムは「Black Sea Black Death」とほぼ同じだそうだが、あいにく自分は「Black~」を未見、未体験である。ゲームスケールは1ヘクス=800m、1ターン=1日、 1ユニット=旅団/連隊~大隊の戦術作戦級ゲーム。 いや戦術作戦級と言うより、実際には精密作戦級と呼ぶべきシステムで、戦闘時には防御射撃と攻勢射撃を2回反復した後、突撃戦闘に移り、 被った損失は、ユニット毎にチャートに記録すると云う凄まじさである。

ただ煩雑ではあるが、自分の場合、こういった戦術面を詳細に再現したルールと遭遇しても、道理を聞いて納得してしまうことが多い。無論、どこまで「再現」するか、どこから「省略」するかと云う辺りに好みのボーダーラインがあるわけだが、自分はあまり「省略美」に魅力を感じない性質なので、本作のように細々と射撃戦闘プロセスを再現した作品でも、さほど気にならない。

ユニットは個性豊かで、攻めるソ連軍にはエアロサン部隊、観測気球等があり、守るドイツ軍にはティーガーI型装備の第502、第503重戦車大隊や、第7SS警察師団、射程36ヘクスを誇る列車砲等が登場する。ちなみに本作付属のチャートには数値の抜け落ちもあり、エラッタを参照する必要がある。

※「Operation Spark !」エラッタ http://grognard.com/errata1/opspark.doc