Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Case Blue」Khar'kov 1942:The Failed Offensive AAR Part.2

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OCS第2次ハリコフ戦、後半戦。第4ターン表は、枢軸軍が先攻を選択。ハリコフ危うしと見た枢軸軍は、南部からドイツ第3装甲師団を引き抜き、市内へ急派した。ソ連軍の足を止めるべく、阻止砲撃も実施したが、運悪く効果無し。

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南部のソ連軍突出部は抑え込んだが、枢軸軍の増援補給はハリコフへ回され、南部で反撃できる余裕はない。以後、南部での戦闘は双方控えられ、戦闘の焦点はハリコフ正面に限定されることとなった。

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第4ターン裏のソ連軍。増援補給4SPはすべてハリコフ正面へ送り、市街の包囲を狙った。まずソ連軍は、ドイツ第23装甲師団(とは言っても戦車大隊1+砲兵連隊のみ)に事前砲撃を叩き込み、第15親衛歩兵師団+第90戦車旅団で包囲攻撃。これが運良く奇襲となり、このスタックを全滅させた。さらにソ連第22戦車軍団が、ドイツ第297歩兵師団の残余を除去し、ハリコフ正面2カ所に突破口を穿っている。

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さらに第5ターン表。ソ連軍が先攻を取ってダブルムーヴ。枢軸軍が戦線を整えぬうちにと、突破口から部隊を流し込み、ソ連第90戦車旅団はドイツ第17軍団司令部にも迫った(あいにくAR5の第244突撃砲大隊が一緒にいたので攻撃は見送り)。ハリコフ外縁ヘクスに籠もっていたドイツ第23装甲師団第126歩兵連隊も除去し、いよいよハリコフ市街へ隣接したいところだが、歩兵師団の足が遅く、戦線がなかなか押し上げられない。徒歩移動力1……

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第5ターン裏。枢軸軍は、ハリコフに籠もる2個ドイツ歩兵師団から分遣連隊を捻出して、どうにか戦線のようなものを構築。各軍団司令部は、前線から撤退。一応、ドイツ第3装甲師団(戦車大隊2+砲兵連隊)で反撃をかけようかとも思ったが、事前爆撃に向かったBf-109f戦闘機+Ju-87攻撃機に対し、ソ連空軍が必死の迎撃を見せ、空戦力で3勝っていたのに任務終了で追い返されるていたらく(しかもBf-109fはステップロス)。仕方なく枢軸軍は、阻止砲撃のみでお茶を濁した。

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最終第6ターン表。ソ連軍が先攻を選択。南部戦線からも4SPを引き抜き、合計8SPの攻勢用補給ポイントをかき集めた。しかしそのうち3SPを費やした3カ所での事前砲撃(各26火力)が2カ所で不発。仕方なく、それに続く攻勢の規模も縮小したが、先にも活躍した第15親衛歩兵師団が、ドイツ軍の分遣連隊相手にまたも奇襲に成功し、突破モードに。そのままハリコフ北西のドイツ軍飛行場へ突入し、Bf-109f戦闘機(1ステップ)を除去し、飛行場を奪取した。ソ連軍の攻勢用補給ポイントには、まだ余裕があったが、OCSの「たとえミニシナリオでもキャンペーンシナリオをプレイしているようにプレイすべし」という格言に従い、(実際には続くであろう)以後のターンのために留保した。

一応、第6ターン裏のドイツ軍ターンが残っていたが、まあ戦線を整えるだけで終わりそうだったので、ソロプレイもここで終わりとした。

8年ぶりにソロプレイした感想。マップ1枚、全6ターン、ユニットもほどほどと、スケール的には入門用シナリオとしてOKだと思う。障害物がほとんど無いロシア平原を、ユニットが動かしやすいと感じるか、守りにくくハンドリングしにくいと感じるかは人それぞれか。ソ連軍歩兵の移動力が小さいので、戦線そのものはあまり大きく動けないが、機甲部隊による蜂の一刺しを学ぶには良い題材かもしれない。OCSにおける平原での機動戦は、コントロールしにくいが、そもそもそれを想定して組まれたシステムだろうし、OCSらしさを感じる題材とも言える。両軍が攻めきれず、守り切れないというバランスなのも妥当かもしれない。まあ今更「Case Blue」を入手するのも難しいだろうが、MMPでは「OCS:Smolensk」(つまりPanzer Gruppe Guderianのあれ。1941年スモレンスク戦)なる、マップ1枚のゲームも予告されているので、東部戦線の入門作はそれを待つのも宜しいかと。

【Operational Combat Series】「Case Blue」Khar'kov 1942:The Failed Offensive AAR Part.1

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さてソロプレイ開始。第1ターン、先攻ソ連軍は、派手な事前砲撃(補給ポイント消費無し)を行った後、ハリコフの南で突破口を啓開し、予備モードだった第21戦車軍団でドイツ第8軍団司令部を攻撃。あいにく第8軍団司令部は取り逃がしたものの、ドイツ軍の補給ポイント2Tを奪い、気勢を上げた。さらに南でもルーマニア第6軍団司令部に迫ったものの、こちらも取り逃がし。

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一方、ハリコフ正面に攻めかかった部隊は、砲爆撃でドイツ軍5スタックを混乱させたものの、うち2スタックに逆奇襲をくらい、1ヘクス列の前進に留まった。これに対して第1ターン裏、枢軸軍はハリコフ南部の突破口を塞ぐため、早くもドイツ第3装甲師団を投入。迫るソ連第22戦車軍団のうち2ユニットを除去したが、突破口を塞ぐだけのユニットは無い。またハリコフ市内には増援のドイツ第71、305歩兵師団が湧き、防備を固めた。

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第2ターン表、ソ連軍が先攻を選択。さらに突出部を拡大すべく、ソ連第6騎兵軍団+第5親衛戦車旅団で西を攻撃した。両部隊は運良く突破モードにもなり、二度の攻撃で薄い枢軸軍戦線を食い破っている。一方、南西では第2騎兵軍団+第14親衛歩兵師団が攻撃をかけたが、こちらは逆奇襲をくらい、攻撃側2ステップロスという最悪の結果で意気消沈。

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ハリコフ正面のソ連軍もさらに攻勢を続けた結果、枢軸軍戦線は大きく破れ、ハリコフの北へ回り込める状態まで持ち込んだ。この戦線を支えるべく、第2ターン裏、ドイツ軍予備の第23装甲師団が出撃。まずはオーバーランソ連戦車旅団を攻撃……と思ったら、これが逆奇襲をくらい、第23装甲師団は早くも捜索大隊を喪失。戦線の破れも繕えぬまま、第2ターンが終了した。

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第3ターン。このままではいかんと枢軸軍が先攻を選択。南部でドイツ第100・第101猟兵師団、第1山岳猟兵師団がソ連軍の脆弱な横っ腹を攻撃した。しかし攻撃に成功したのは第101猟兵師団のみ。それでもその突破口から、予備モードだったドイツ第14装甲師団、第60自動車化師団が突入。ソ連軍突出部の根元を締め上げるように突破を果たした。また南部には、増援のドイツ第16装甲師団も到着しているが、これによる攻撃は補給ポイントの兼ね合いから見送り……。

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一方、上空では、ドイツ空軍が制空戦闘で活躍。このターンだけでソ連軍戦闘機4ステップを削った。ハリコフ南部の突破口もなんとか塞がれ、ソ連軍の進撃も停止しつつある。

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しかしハリコフ正面では、またもや第23装甲師団の反撃が失敗。枢軸軍は、戦線の穴を埋めきれぬまま、第3ターン裏を迎えることとなった。

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第3ターン裏。南部のソ連軍は、後退して戦線を縮小。結局、作戦のスタートラインまで戻った形である。しかしそれでも戦線が埋めきれない。もっとも攻める南部の枢軸軍にしても、この時点で補給ポイントは枯渇気味なのだが。

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おとなしくなった南部に比して、ハリコフ正面では戦闘が激しくなっていた。ソ連第3親衛騎兵軍団が、ハリコフ市内に陣取るドイツ第51軍団司令部+第23装甲師団第126歩兵連隊へ隣接。ソ連空軍の親衛Yak-1+IL-IIも、ドイツ空軍の迎撃を振り切ってこれを爆撃し、運良く混乱に。第3親衛騎兵軍団は、第126連隊を除去し、第51軍団司令部を孤立させている。ただしソ連軍も、ゲーム開始時に集積していた補給ポイントがほぼ尽きつつあり、これまでのような派手な攻撃が以後どれだけできるかは疑問である。

ということで第2次ハリコフ戦シナリオ、後半戦へ続く。

【Operational Combat Series】「Case Blue」Khar'kov 1942:The Failed Offensive Set-Up

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先日、MMPの秋季セールにて「OCS:Beyond the Rhine」をようやく注文。今年発売された「OCS:Sicily II」へのお誘いもあり、そろそろOCSに復帰すべく、ソロプレイをすることにした。

復帰ソロプレイに選んだのは、OCSスターターガイド(Reluctant Enemies収録)でも入門用シナリオとして挙げられている「Case Blue」の第2次ハリコフ戦シナリオ「The Failed Offensive」。上写真のように、使用マップは1枚、6ターンのみの短期シナリオである。「Case Blue」購入直後の2008年2月にもソロプレイしたが、なにせ8年前、すっかり印象も薄れてしまい、その感触も思い出したいということで。

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史実的には、ソ連軍(赤い矢印)がハリコフの南北で突出したものの、ドイツ軍(青い矢印)の2個装甲師団の機動防御で頭を押さえられ、突出部南の脆弱な横っ腹をあっさり衝かれて包囲撃滅されるという展開。まるで出来の悪いバルジ戦である。実際にユニットを並べてみても、ソ連軍の横っ腹はスッカスカで陣地も構築されておらず、よくまあこれで攻勢に出たなあという印象だ。1942年夏のソ連軍はその程度だったと言えばそれまでだが。

しかしソ連軍の初期配置補給ポイント(SP)は40。各ターン固定で4SPが追加される。第1ターンの砲撃はSP消費無しでOK。戦闘消費SPも通常の1/2で良いのは、かなりありがたい。前回のソロプレイでも、序盤でドイツ軍戦線をかなり混乱させたので、「攻撃は最大の防御」精神で6ターンを攻めきるしかないか。もっとも予備マーカーは2枚しかなく、組織的な突破戦闘は期待できない。とにかく第1ターンに派手に打って出て、行けるとこまで行ってこいという感じか。

対するドイツ軍は、初期配置21SP、各ターン固定で3SP追加。4枚の予備マーカーは、ハリコフに控える第3・第23装甲師団と、南部に控える第14装甲師団、第60自動車化師団に置いた。ドイツ軍の補給も潤沢ではないので、いつどこで乾坤一擲の反撃を加えるか、タイミングを見極めたい。やはりソ連軍の横っ腹を南から衝き、Barvenkovo(A3507)で鉄道線を切り、3ヘクス北に位置するソ連軍のエクステンダーを潰せば、突出部隊をまるごと補給切れに……できるのか? そのあたり状況を見極めて、ここぞという時点で斬り込ませたい。ということでソロプレイ開始。

ちなみに選択ルール21.2「ステップに比例した戦闘力」21.8「空ヘクスへの攻撃」を適用。21.2「ステップに比例した戦闘力」は選択ルールとは言え、補給消費との兼ね合いから必須だと思うが……(わざと複数ステップ師団を分割して基幹ユニットを1ステップにし、1トークンだけ消費してフル攻撃力を発揮させる、という裏技が使えてしまうので)

【Operational Combat Series】「Sicily II」Primasole Bridge AAR

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昨日は「Western Sicily」シナリオに続き、「OCS:Sicly II」のイギリス軍シナリオとも言うべき「Primasole Bridge」シナリオを対戦した。今回は自分が攻撃側、連合軍を担当。連合軍は2ターン以内に、アウグスタ、シラクサを占領するのが勝利条件である。チュニジアからはイギリス第1空挺師団(と言っても2個戦闘集団+工兵大隊+砲兵大隊のみ)が降下して空挺堡を築き、それに対して地上部隊(2個歩兵師団+1個機甲旅団)が連結し突破口を拡大するという、小型マーケットガーデン作戦のような趣である。ミニシナリオながら、空挺作戦はもちろん、空軍作戦もしっかりやり、挙げ句の果てに空母まで登場するため、やや内容過多ではある。ちなみに旧版の同シナリオの様子は以下に。

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第1ターン。早速、イギリス第1空挺師団が降下。降下位置がずれ、敵ユニットのいるヘクスに下りてしまうと全滅、という酷な状況だったが、運良くすべて無事に降下し、枢軸軍飛行場も奪取。非活性状態の戦闘機を追い散らすなどして、空挺堡を確保した。

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連合軍には潤沢な砲兵、爆撃機、さらに艦砲射撃もあるため、まずは第1目標のアウグスタに砲撃をかまし、市内に陣取る部隊を混乱させたうえでイギリス第5歩兵師団がこれを奪取。イギリス第50歩兵師団も、混乱したドイツ軍シュマルツ戦闘団を除去した後、突破モードを得て、渡河して降下猟兵スタックを後退させ、カタニアへの道を前進した。

一方、枢軸軍も、イタリア本土から増援の降下猟兵を飛行場へ空輸。これに対しては洋上に浮かぶイギリス空母インドミタブルの艦載戦闘機が迎撃に向かったが、あえなく撃退されてしまった。また密集してしまったイギリス第50歩兵師団+第23機甲旅団スタツクに対し、混乱状態の砲兵による砲撃が当たり、このキラースタックが混乱状態に。これは連合軍の失態。なにもまとめて置く必要は無かったのだ。

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第2ターン。それでも連合軍は、カタニアまでの湾岸道路上に居座る枢軸軍ユニットに砲爆撃を浴びせまくって、いずれも混乱状態に。しかし枢軸軍ユニットは、アクションレーティングが高いため、混乱しても動じることはなく、奇襲を受けないどころか、逆奇襲に及び、連合軍を撃退。連合軍はカタニアまでたどり着けず、敗退となった。川向こうの空挺堡まで地上部隊が連結できなかったという、まさに小型マーケットガーデン作戦な結末に。

こちらのシナリオも、ターンが短い&補給ポイントが少ないため、やはり詰め将棋的というか、パズルを解くような思考が要求された。連合軍は、ひとつ失敗すると、それが大きく響いてしまうのも「Western Sicily」シナリオと同じか。まあターン数の短いOCSシナリオでは、だいたいそんなものだろう。入門者には「Western Sicily」の方が良いと思う。こちらは空挺ルールや空輸ルールも読む必要があるし。とは言え、短時間で終わるので、一回終わったら、ささっと戻して再プレイしやすいのはたしか。自分はまだ未購入だが、懸案の「Beyond the Rhine」「Tunisia II」とまとめて入手しておきたいとは思う……

【Operational Combat Series】「Sicily II」Western Sicily AAR

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今日は、秋葉原イエサブにてN村氏とOCS最新作「Sicily II」を初対戦。旧版は所持しているもの「II」はまだ入手しておらず、N村氏所蔵のモノで味見とあいなった。旧版は、OCS非標準スケールかつフルマップ2枚だったが、「II」はフルマップ1枚に収まっており、作戦全体が扱いやすくなっている印象。まずはアメリカ第2機甲師団によるパレルモ突破を扱うミニシナリオ(3ターンのみ)「Western Sicily」を対戦し、自分は枢軸軍を担当した。ちなみに旧版の同シナリオ「Drive on Palermo」の様子はこちらに。

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第1ターン。まずアメリカ第2機甲師団は、A戦闘団的なスタック(戦車大隊+軽戦車大隊+機甲偵察大隊)で海岸沿いの道を打通すべく、脆弱なイタリア軍守備隊にオーバーラン攻撃。しかし一発ではこの道を突破できず(そして戦車大隊も失ったため)、続けてB戦闘団スタックを投入。なんとか邪魔なイタリア軍ユニットを蹴散らし、先鋒部隊は勝利条件に関わるマルサラまで達した。山間部にはレンジャー大隊が進撃しているが、こちらからの打通は、旧作同様なかなか難しいようだ。

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第2ターン。島の西端を横切る形で、第2機甲師団の一部+アメリカ第3歩兵師団がパレルモに一気に到達。これに対し、予備モードで待ち構えていたイタリア軍砲兵部隊が阻止砲撃を加えたものの、アメリカ兵が6ステップも集まっていた(砲撃有利3コラムシフト)のに砲撃を外すというていたらく。パレルモは呆気なく陥落し、島の西へ延びる枢軸軍補給線も途切れてしまった。

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第3ターン。補給切れ死をまぬがれたイタリア軍が点在する盤面を、アメリカ第3歩兵師団がパレルモから取って返し、艦砲射撃の支援下、マルサラを奪取。消耗激しい第2機甲師団もトラパニを落として、勝利条件の3都市を制圧したアメリカ軍が勝利した。

一応、イタリア軍は為す術無くやられたが、と言ってアメリカ軍が楽勝とも思えない。やはりターン数が短い&補給ポイントが限られているので、一回のしくじりが結構響くと思う。まあ入門者が、OCSの詰め将棋的プレイを覚えるには格好のシナリオで、旧版でもパズルっぽいシナリオだったので、その雰囲気もいまだ健在だった。また旧版では、アメリカ歩兵師団に各連隊ユニットが用意されていたため、より柔軟な運用が行えたが、旧版と新版、どちらを選ぶかはお好み次第。

この後、イギリス軍ミニシナリオ「Primasole Bridge」も対戦したが、それは次の記事にて。

【参考文献】「第二次大戦の分岐点」

第二次大戦の〈分岐点〉

第二次大戦の〈分岐点〉

 

雑誌「コマンドマガジン」や「歴史群像」等に掲載された、大木毅氏の戦史記事を収録した「第二次大戦の分岐点」を購入。その手の雑誌を毎号購読していない自分としては、こういった書籍としてまとめてくれた方がありがたい。

個人的に興味があったのは、1941年6月ドゥブノで発生した「幻の大戦車戦」、レニングラード南方での「北方軍集団 五つの激闘」、1944年ナルヴァ攻勢を扱った「森と湿地帯の死闘」、「データでみる北アフリカ補給戦」、クルスクとノルマンディ戦でのSS師団の損耗分析あたり。このような最新の戦史分析を読んだうえで、その知見が反映されたウォーゲームを探したり、今まで触れてきたウォーゲームを違った視点から見るのも面白い。

【参考文献】「日本陸海軍はロジスティクスをなぜ軽視したのか」

日本陸海軍はなぜロジスティクスを軽視したのか

日本陸海軍はなぜロジスティクスを軽視したのか

  • 作者:谷光太郎
  • 発売日: 2017/12/25
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

「日本陸海軍はなぜロジスティクスを軽視したのか」を購入。ガダルカナル戦、インパール戦といった作戦レベルの兵站はもちろん、もっと根源的な、陸海軍の権威争いや人事的な問題、鉄道・海運・航空輸送といった物流システムの変化がメインに論じられている。いわゆる兵站業務には、さまざまな要素が関わるし、そのさまざまな部分に問題があれば、その末端で行われる軍事作戦も上手くいかないと。兵站業務を全体的なシステムとして捉え、整備していく思考や能力があれば良かったのだろうし、実際それに気づいていた人々もいたのだろうが、それもまたさまざまな問題に阻まれ、実現はできなかったと。まあ、今現在の社会や企業でもよく見られることなので、組織論として読んでも溜息が出る……