Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】LFT「Kampfgruppe Scherer : The Sheild of Cholm」

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2011年にフランスのLFT(Le Franc Tireur)から発売されたASLヒストリカル・モジュール「Kampfgruppe Scherer : The Sheild of Cholm」をヤフオクにて落札(未競合)。本作は、1942年1月~6月にかけて行われたホルム(Kholm/Cholm)包囲戦をASLシステムで再現するもの。発売当時も、かなり惹かれていたが、ヒストリカルモジュールまで手を出す余裕は無いなあ、でも気になるなあ……とか思ううち絶版になってしまった。ただし現在では、LFTが受注生産を受け付けているし、何より2018年になって「Kampfgruppe Scherer Player's Guide」なる追加モジュールも発売されたので、それを注文するのに併せて、本作も落札してしまった。受注生産だと110ユーロ=約14500円+送料なので、落札した方が安かったし。

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何に惹かれたかと言えば、この冬季戦仕様の地図盤である。通常のASLでは、緑野を表した地図盤を使いつつ『でもこのシナリオは冬なので、雪が積もっていると思ってね』という体でプレイするが、正直、あまり気分は出ない。VASL(Virtual ASL)なら冬季仕様の地図盤が表示されるが、そこはあくまで実体の地図盤でプレイしたい派なので。 

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そして夏期用(と言うか泥濘期用)の地図盤も入っている。ホルムの街は、河岸段丘の両岸に位置しており、地形としても興味深い。街には、史実通り、GPU(ソ連国家政治保安部)の収容施設があったり、包囲下のドイツ軍に補給物資を持って来て着陸したグライダーの姿も描かれている。

ホルム包囲戦は、1942年1月のソ連軍の冬季攻勢によって始まっている。ホルムは、デミヤンスク同様、包囲下に陥ったものの、航空補給によって食いつなぎ、解囲まで3ヶ月以上、持ちこたえたという、なかなか勇ましい物語なのだが、その成功のおかげで、後に「だったらスターリングラードも航空補給で何とかなるだろう」という悪しき先例になった戦場でもある。ちなみにWikipediaの「ホルムの戦い」のページがやけに詳しくてびっくりした。

ホルムの戦い - Wikipedia

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ホルム包囲陣司令官となった第281警備師団長シェーラー少将(Gen.Scherer 10-2)、雑多な部隊をまとめた第218歩兵師団第386歩兵連隊長マニティウス大佐(Oberst Manitius 9-2)もユニット化されている。他にも、ソ連スキー大隊兵、レンドリースのマチルダII戦車カウンター等が収録。 

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シナリオは、冬季8本、泥濘期7本、キャンペーン2本収録。これに「Kampfgruppe Scherer Player's Guide」で、さらにシナリオが追加されるらしい。

できればルールを訳して、小規模シナリオぐらいはプレイしたいが、翻訳する余裕があるかどうか。もしかするとコレクターズアイテムとして死蔵するかもしれないが、まあそれはそれで。