Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

GMT「Ukraine'43 2nd」Gaming Study

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先日、船堀で開催された猿遊会に行って来た。と言ってもそこは「ほぼ引退」状態なので特にゲームはせず、小一時間ほど知人の方と挨拶・雑談を交わすだけで帰ってきた。

その時KND氏から「Ukraine'43 2版は低比率攻撃も有用」というお話を拝聴してきた。KND氏が仰るには「あのゲームの戦闘結果表は1:2攻撃でも攻撃側の損害が少なく、1/2の確率で防御側に何らかの結果を及ぼせる」「でも普通1:2攻撃をやろうとは思わないから、戦闘結果表の1:2欄も見ないし、その確率にも気づかない」のだと。

帰宅後「Ukraine'43 2版」の戦闘結果表を確認したところ、たしかに1:2攻撃は、六面体ダイス1個を振って1~3なら「A1(攻撃側1ステップロス)」4なら「EX(双方1ステップロス)」5なら「A1/DR(攻撃側1ステップロス/防御側後退)」6なら「A1/D1(双方1ステップロス、防御側後退)」となっている。そもそも本作の戦闘結果表において攻撃側の最悪の結果は「A1」止まりであり、陣地化ヘクスを攻撃した場合は追加1ステップロスを被る可能性はあるが、最低比率の1:3攻撃をしくじっても「AE(攻撃側全滅)」は無いし「A2」「A3」すら無い。

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で、早速その低比率攻撃の感触を確かめるべく「Ukraine'43 2版」を軽くソロプレイしてみた。やってみると、なるほど今までは控えていたが、結構効果的だと感じた。初期配置のドイツ軍陣地化ラインでは追加1ステップロスを喰らってしまうが、突破後の陣地以外では効き目がより強く出た。

と言って低比率攻撃を躊躇せず行えるのは、やはり補充が豊富なソ連軍で、ドイツ軍が同じ調子で反撃しようものなら、無駄な損失を増やすだけだと思う。独ソ双方にとって1ステップロスの重さは違うのだ。

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しかしKND氏も仰っていたが、自分も基本、WWII作戦級ゲームで1:2攻撃なぞやろうとは思わない。そこには、有利な攻撃は戦力比3:1からで、どうせ1:2攻撃なんてやる価値がないだろうという「ウォーゲーム先入観」があったのだ。ところが同席していた信長氏は「いや俺は戦闘結果表、見るよ」と仰っていたので、ちゃんとしたウォーゲーマーは先入観を排してゲームに向き合うのだなあと感心してしまった。まだまだ自分は精進が足りないようだ。

ただ今回の立ち話は、自分の「ウォーゲーム先入観」を確かめる良い機会だったと思う。雑誌やネット上でのウォーゲーム評論でも「このバルジ戦ゲームは突破できなさ過ぎる」「このゲームの零戦は能力値が低い」といった声を聞くが、そのうちの幾つかは、やはり自分とゲームデザイナーとの「ウォーゲーム先入観」「ウォーゲーム価値観」の違いから生まれてくるものだったりする。

ウォーゲームも創作物・表現物なので、デザイナーの主観が入っていて当たり前。むしろ「他のデザイナーとは違って俺はこう思う」みたいな主張が見えてくると面白い(ゲームとして面白いかどうかとはまた別)。そこで「ウォーゲーム価値観」が合致すれば好きなゲームとなり、デザイナーと上手い酒が飲めそうな気もするだろう。そんなことも考えた検証ソロプレイだった。