3年前に買ったまま未プレイの「OCS:The Blitzkrieg Legend」南方シナリオを初めてソロってみた。このシナリオは、1940年フランス戦序盤におけるドイツ軍クライスト装甲集団の突破を扱っている。実は今までにも何度かソロプレイに挑戦したものの、ハーフマップの割に登場ユニットが多く、ちょっと面倒臭く感じてその都度中止していたのだ。実際、このアルデンヌ地域を通ってムーズ河に出るには、入り組んだ小径を使う必要もあり、進撃するにも補給を運ぶにも厄介な土地である。だからこそ、このアルデンヌ地域を通って攻めてくるとは連合軍も思わなかったわけだが……
第1ターンは、ドイツ軍プレイヤーターンのみが行われる。すでにフランス軍は国境を越えて騎兵師団をベルギー領内に前進させており、まずはこの掃討がドイツ軍に課せられる。この前哨戦は多くの戦記で「フランス軍騎兵師団はほとんど抵抗らしい抵抗をできなかった」的に語られ、GMT「France'40」でもこの期間を端折り、ムーズ渡河からゲームが始まっている。
- 作者: カール=ハインツフリーザー,Karl‐Heinz Frieser,大木毅,安藤公一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/03
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ただ本作が参考にしている「電撃戦という幻」では、アルデンヌ地域でも場所によってはドイツ軍も苦戦したと伝えられているので、わざわざこのあたりも再現されているのだろう。
とりあえず第1ターン(1940年5月10日)。ドイツ第1装甲師団は北のルコーニュ(ヘクス2719)へ向かい、第2装甲師団はヌシャトー(2417)へ、第6装甲師団はペタンジェ(1711)へ、第10装甲師団はアールロン(2012)へと走った。中でも活躍したのは第10装甲師団で、フランス第3騎兵師団全ユニットを除去しつつアールロンを突破した。このターンだけでフランス軍は12ユニットを失い、ドイツ軍の損失は第1装甲師団が偵察大隊を失ったのみである。ドイツ空軍も「Surge」マーカーを使って盤外から大量の航空支援を実行した。
しかしやはり進撃路・補給路は複雑で、ドイツ軍司令部がどこまで前進し、どこまで補給を与えられるか、よく確認する必要があると感じた。もちろんOCSでは必須のものだが、特にこのシナリオは複雑だと思う。補給ポイントもさして潤沢ではないし、ドイツ装甲師団もこの時期は自前のトラックを有しておらず、交通の便の悪さも手伝って、補給ポイントのやりくりが難しくなっている。それだけ無理をおしての奇襲攻撃だったのかもしれない。
第2ターン(5月12日)は、ドイツ軍が譲る形でフランス軍先攻に。正直そのままドイツ軍が先攻を取ってダブルムーヴにする手もあった。恐らくムーズ河畔のセダン(2022)まで難なく接近できただろうが、やはり後攻を取り続けるのが定石かなと。
手番を譲られたフランス軍は、最も渡河されやすいセダンへ第2・第3機甲師団を投入。しかしフランス軍は移動モードになるとAR(アクションレーティング・質)が1落ちるので、このままの状態で襲われた場合、目も当てられないことになる。無理にセダンへは入れず、戦闘モードを維持したままムーズ河の手前に配し、ドイツ軍が渡河した後に備えるべきだったか?
第2ターン裏のドイツ軍。第1装甲師団はパリスール(2621)のフランス軍補給集積所まで突破し、1SP(補給ポイント)を奪取。第2装甲師団+GD連隊はルコーニュを突破し、予備モードの部隊がスモア川を渡ってセダンまで3ヘクスに迫った。また第29自動車化歩兵師団もアールロンを通ってセダンまで4ヘクスの位置に到着。なるほどフランス軍に手番を譲っても、ほぼ史実通りのスケジュールでセダンまで近づけるようだ。
しかしここまで進めて、ドイツ軍の補給ポイントが枯渇していることに気づく。シナリオ開始時にはそれなりの補給ポイントがあったが、調子に乗って第1ターンに使い過ぎたらしい。ドイツ軍は、初期配置で4個装甲師団+1個自動車化歩兵師団を持つが、増援を含めると5個装甲師団+3個自動車化歩兵師団を有する。これを毎ターン9SPでやりくりするのは、なかなか厳しい。多少残っている補給ポイントも、後方に置き去りにされていたり、輸送中だったりで、部隊の突破ペースに追いつけていない状況だ。このあたり、もう一度最初から考え直したくなり、今回はここでソロプレイを終えた。
マップこそ狭いが、あらかじめ理詰めで考えておかないと、今回のように行き詰まるシナリオかもしれない。恐らく初心者向けではないし、結構手強いシナリオだと感じた。