Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT「France'40」Sickle Cut AAR

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昨日は、Karter氏と「France'40」の「Sickle Cut」シナリオを初対戦した。ちなみに本作はすでにメーカーサイドで品切れだが、どうやら来年、日本版コマンドマガジンで付録化されるらしい。買い逃された方は、その機会に是非。

※情報ソース:ソークオフだよ人生は

さて対戦開始。ドイツ軍を担当したKarter氏は、まずルールブックのプレイ例通り、セダン突破に航空支援マーカー3枚を使用し、無事ここを渡河。第7装甲師団はEXをくらったためロンメル師団長効果でダイスを振り直し、各装甲師団はおおむね無傷でムーズ河を渡った。

しかし第2ターン。ドイツ第5・第7装甲師団の攻撃を受けたフランス軍ユニットが双方とも「断固たる防御」に成功。北の第3・第4装甲師団は、ディール要塞線を前に足踏みし、南を行くグデーリアンの3個装甲師団群はアルデンヌ運河を渡れず。結果、中央を行く第6装甲師団だけが単騎突出する形となった。「断固たる防御」はステップロスの危険もあるが、成功すれば敵の戦闘後前進オーバーラン攻撃を防げるので、リスク承知でやるべきかと。

さらに連合軍は、北方からのイギリス軍増援(ランダムに登場)を地図盤中央カンブレー(ヘクス3210)周辺に展開し、第6装甲師団の突破に備えた。

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それでもドイツ軍は、第5・第7装甲師団を斬り込み役に、ナミュール(5304)の南を迂回して、シャルルロア(4805)へ進撃。このままではディール要塞線の裏側へ回り込まれてしまうため、連合軍は要塞線を放棄して後退開始。同時にドイツ第3・第4装甲師団ナミュール北方から攻めかかり、退却する連合軍ユニットを討ち取っていく。

フランス第1機甲師団(1DCR)にもドイツ装甲師団へ反撃するチャンスがあったが、戦力比2:1だったため諦めた。しかし後から思えば、GQG妨害マーカー(攻撃不可)が置かれているターンの方が多いので、自由に攻撃できる時は攻撃すべきだったと思う。

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一方、南のグデーリアン装甲集団は、ようやく連合軍ユニットを追い散らしたものの、損害吸収役の歩兵抜きでの戦闘が多かったため、装甲師団自らステップロスをかぶってしまい、損耗著しく。

そこへドゴール師団長率いるフランス第4機甲師団(4DCR)が前線へ到着。GQG妨害マーカーの影響を受けないこの部隊が遂に反撃に転じ、損耗したドイツ第2装甲師団を後退・混乱させた。また第7ターンを過ぎたあたりから、南方から続々とフランス歩兵師団が増援として登場し、ドイツ軍の脇腹を圧迫するように戦線を押し上げている。

この圧力を警戒してか、南方のドイツ軍はいったん戦線を整理・縮小したが、連合軍は歩兵師団によるZOCボンド戦線をさらに盤中央部にまで延ばし、予備まで捻出してさらなる反撃に備えた。

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さらに第9ターン、フランス第1機甲師団(1DCR)・第2機械化師団(2DLM)が運良くGQG妨害マーカーの束縛を脱した。これら師団はすぐさまイギリス軍と協調し、ヴァレンシエンヌ(3606)へ向かっていたロンメルの第7装甲師団を包囲。ドイツ軍は1枚残していた航空支援マーカーを防御投入するも、あえなくロンメルユニット(戦車)がステップロスし、包囲網に閉じ込められる格好となった。

連合軍のZOCボンド戦線も南から北へがっちり繋がっており、一方のドイツ装甲師団は半数以上がステップロスした状態だったため、このあたりでお開きとした。

 

連合軍の感想としては、やはりチャンスさえあれば反撃はやるべきかと。攻撃が成功しても、ドイツ軍戦車のような4ヘクス前進はできないものの、ドイツ軍プレイヤーに与える心理的影響が大きいかもしれない。「断固たる防御」も時間稼ぎには有効だった。

逆に言えばドイツ軍プレイヤーは、多少の損害にも動じない豪胆さが求められる気がする。今回ドイツ軍は、ナミュールなど都市に籠もった連合軍歩兵の掃討に歩兵師団をつぎ込み過ぎ、結果、損害吸収役として装甲師団をアシストできなかったようだ。掃討戦には、最低限の戦力だけ残し、とにかくどんどん前進させて、戦線を延ばすことを意識した方がいい。戦線を延ばされて困るのは連合軍のはず。必ずどこか手薄になると思う……と考えながら、そのあたり、もう一度ソロプレイで検証してみたくなってきた。感触はなお良好である。