Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Advanced Squad Leader】AP52「Into Vienna Woods」Solo-Play AAR

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久しぶりにASL(Advanced Squad Leader)にも触れようと思い、2010年5月以来7年ぶりにソロプレイを開始。あれこれシナリオを眺めるうち、なんとなく「ASL Action Pack 5」収録の「AP52 Into Vienna Woods」を選んでみた。設定としては1945年4月17日、オーストリア、ウィーン近郊の高地に陣取ったソ連軍第39親衛ライフル軍団の支隊に対し、ドイツ軍第12SS装甲師団のHauschild戦闘団が攻撃を仕掛け、高地の奪取を狙うもの。使用するのは地図盤58の半分のみ。全6ターン。第3ターン裏には、SU-85駆逐戦車、SU-76M自走砲各1輌を含むソ連軍の増援が到着する。The ASL Scenario Archive に登録された本シナリオの対戦記録を見ると、ドイツ軍14勝、ソ連軍13勝、ROARでもドイツ軍55勝、ソ連軍47勝となっていて、まずまずバランスも良さそうだ。

ドイツ軍が、3レベル高地すべてを支配すれば勝利するが、その3レベル高地にはあらかじめソ連軍の塹壕が据えられている。ただ今回ソ連軍は、その3レベル高地塹壕を最終陣地とし、その手前の斜面に個人壕を配置し、前哨陣地とした。

本来は隠匿ルールもあるのだが、ソロプレイなので割愛。

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まず第1ターン。ドイツ軍主力(SS6-5-8✕7個分隊)は、高地前面に展開し、ソ連軍前哨陣地を攻撃。9-1指揮官とパンツァーシュレックを持った支隊(SS6-5-8✕4個分隊)は、高地の背面に回り込み、第3ターンの増援を待ち構える算段だった。 

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第2ターン。ドイツ軍は、ソ連軍前哨の個人壕2つを奪い、3つ目の個人壕には白兵戦を仕掛け、混戦中。パンツァーシュレックを抱えた一隊も側面に回り込んだ。 

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第3ターン表。ドイツ軍は、勝利条件であるヘクスU4、V4を同時に奪おうと、先鋒を半個分隊✕2に分けて前進させたが、このうち1半個分隊が混乱。それでも残る1半個分隊がヘクスV4に突入し、ソ連軍陣地を分断した。一方、側面に回った支隊は、援護のつもりでパンツァーシュレックを歩兵火器としてソ連軍陣地に発射したものの、最初の一発でDR12が出てしまい、貴重な対戦車火器が(ソ連軍戦車が登場する前に)壊れて除去されてしまった……。この時点で、ソ連軍の初期配置戦力(5.5個分隊)は、半数以上除去されていたが、なんとか増援が来る第3ターンまで粘った形だ。

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そして第3ターン裏。ソ連軍待望の増援(エリート4-5-8✕10個分隊)が到着。増援部隊は早速、すでにスカスカになっていた3レベル高地塹壕に入るべく、斜面を駆け上がった。途中、ドイツ軍の臨機射撃で2個分隊が除去されるも、凶暴兵(バーサーク)化した分隊が、ドイツ軍半個分隊が立て籠もるヘクスV4の3レベル高地塹壕に突入。これと混戦に入った。またSU-85駆逐戦車は、ドイツ軍支隊に致命的命中(DR2)を与えて、1個分隊を吹き飛ばし、9-1指揮官も混乱、潰走させた。 

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第4ターン。このあたりから塹壕内が忙しくなってきたので、塹壕マーカーは下に配置して中身を見ながらプレイしている(本来は塹壕の上下におくことで、塹壕の外にいるか中にいるかを表す)。ドイツ軍は、Y5の3レベル高地塹壕にも突入したが、すでに高地中央はソ連軍増援部隊によって守りが固められている。ソ連軍の射撃も厳しくなり、さしものSS部隊も混乱・潰走するユニットが頻出した。 

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第5ターン。ソ連軍は、ヘクスV4での混戦を制し、これを奪回。ソ連軍右翼は、SU-76M自走砲の支援もあって、そのまま後退するドイツ軍を追って前進した。ドイツ軍右翼は、SU-85に射すくめられ、潰走⇨回復⇨前進⇨撃たれてまた潰走、を繰り返している。 

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第6ターン。もはやこの最終ターンだけで、ドイツ軍が3レベル高地すべてを奪うのは無理、とは思ったが、とりあえず第6ターン表だけでもプレイすることにした。そんな諦めムードの中、何気なく高地中央ヘクスW5に放ったドイツ軍の射撃が、ソ連軍最高レベルの9-1指揮官を除去し、2個分隊を混乱に。こういう場面があるからASLは最後まで分からないよなあ……とは言うものの、あいにくそのW5を奪いに行ける分隊がいない。ドイツ軍は最後に、やるだけやってみるかとヘクスX3、X4に突撃を仕掛けたが、どちらも混戦でヘクスは奪えず。ソ連軍勝利でソロプレイを終えた。

まあ、7年ぶりのソロプレイなので、部隊の動かし方がどーのこーのという段階以前に、かなりルールを忘れていた。ああ、そういやそんなルールあったなあの連続だったので、あくまでASLリハビリみたいなものだ。しばらくは数を重ねてソロプレイし、ルールと実戦感覚を取り戻そうかと思う。  

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ちなみに今回、両軍のDR(ダイスロール、2d6の出目)をすべて記録してみた。よくASLのプレイ後に『今日はダイス運が悪かったよ~』『いやそんなことないだろ、あそこでDR2を出したじゃないか』とか何とかダイス目のせいにする場合が多々あるので、実際どれくらいの出目に分布していたのか、調べてみようと。ちなみに今回のソロプレイでは、ドイツ軍がDR平均値7.19。最良のDR2は一度も出なかったのに、最悪のDR12は3回出ている。一方のソ連軍は、DR平均値6.47。DR2も2回出し、その1回で凶暴兵が出現し、もう1回はSU-85の致命的命中だ。平均値はソ連軍の方が良いし、ここぞという場面でDR2を出したのもソ連軍だったので、今日のダイス運はソ連軍の方が良かったかなと。今回使ったDR集計シートは、Dropboxに上げておくので、ご興味のある方はご自由にお使いください。

 

【Operational Combat Series】「Sicily II」Campaign AAR part.5

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今日は「OCS:Sicily II」のキャンペーン第5回。しかしここまで西部枢軸軍を担当されてきたN村氏が風邪でダウンしてしまい、今回は自分一人で枢軸軍全軍を担当することとなった。一応、N村氏からは『足止めと拠点死守部隊以外は、メッシナ戦線に収容する感じで』との連絡があったので、なるべく戦線が破綻しない形で後退することを心がけた。

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まず第11(1943年8月14日)ターンからスタート。イニシアチブは、枢軸軍が譲る形で連合軍が先攻。とにかく連合軍の連続ターンを防ぐために、枢軸軍としては後手を取り続けなければならない。イギリス軍は、事前に予備のイタリア軍砲兵スタックを砲撃で混乱させ、阻止砲撃をさせずに攻め込む手で攻撃開始。たまらず枢軸軍は後退し、遂にイギリス第50歩兵師団がカタニア市内へ突入した。

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一方、アメリカ軍は、Bianca川の西岸に陣取るイタリア軍装甲車大隊を二度にわたって攻撃したものの、ここを突破できず。しかし、後にアメリカ軍担当HA氏から「英雄爆撃隊」と名付けられたダイス目良好な爆撃機編隊がCanicatti村(3211)西に位置していたイタリア軍黒シャツ連隊を吹き飛ばし、じりじりと突破口を穿ちつつあった。

第11ターン裏の連合軍は、戦線の整理のみで終わっている。 

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第12(8月17日)ターンも、譲る形で連合軍先攻。アメリカ軍は、Canicatti村の西に陣取っていたイタリア軍Livorno師団を除去し、突破モードとなった第753戦車大隊が単独で、後方に控えていた枢軸軍予備砲兵2個スタックを攻撃。これが奇襲成功、ダイス目12の大当たり攻撃となり、砲兵を2個とも除去した。またBianca川西岸のイタリア軍装甲車大隊も除去され、戦線が2カ所で食い破られた形となった。

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一方のイギリス軍も戦線を分断するように、第1カナダ歩兵師団がAdrano村の南(4619)まで前進。ただしこちらは、補給線の都合で、ここまでの前進となっている。

枢軸軍は、もはや現状のユニット数で現在の戦線を維持するのは困難と判断し、シチリア島西部は諦めて戦線を縮小。補給物資も、メッシナ方面に寄せる形で移送を開始した。

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第13(8月21日)ターン。ここも譲る形で連合軍先攻。しかし遂に突破口を得たアメリカ第2機甲師団は、『ヤッちゃっていいんすか?』とばかりに、一気にシチリア島西部に突進。まだ去就の定まらなかったイタリア軍海岸師団2個に接敵し、戦闘もせずにこれを降伏させるわ、飛行場を奪って自軍の戦闘機は送り込むわ、置き去りの補給物資は奪うわと、一気にその占領範囲を拡張した。ここで突然、突破戦闘へと移行したため、アメリカ軍担当のHA氏も『急にやることが増えましたね』と仰っていたが、たしかにプレイヤー自身の思考モードを切り替えるタイミングでもあり、OCSに限らないだろうが、ウォーゲームが華々しくなり、面白くなる瞬間だと思う。

イギリス軍は、降下猟兵戦闘団の立て籠もる丘に2個師団を注ぎ込んでこれを奪うなど、引き続き慎重かつ手堅い攻撃で前進中。

枢軸軍は、まだパレルモを保持しているものの、アメリカ軍の突破次第では、いつこれを奪われるか分からず。そうなれば島北岸の道路を一気に走られ、エトナ山戦線の裏側に回られてメッシナを落とされる危険もあると見て、再び戦線を整理……というあたりで今回はお開きとなった。

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キャンペーンゲームとしては、残り3ターン(第16ターンまで)。史実よりも枢軸軍が粘っているため、すでに第11ターンから枢軸軍側に勝利ポイントが入っている状態である。このあたりで協議終了にしても良さそうな雰囲気もあるが、ここまで参加してきたN村氏抜きで終わりにして良いのか?とか、せっかくアメリカ軍が突破したのだからどこまで攻められるか見てみたいという声もあり、とりあえず記録だけは取っておいた。もし次回があるとすれば、それが最終回になるはず。さて、最後まで戦えるかどうか……

【Wargaming Column】コレクションを整理する:2017年秋

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また、所有ウォーゲームを思いきって処分した。今年の1月このBlogで、

(次の)見切り候補としては、プレイ稼働率が低くなったGMT「Musket & Pike」シリーズ、OSG「Library of Napoleonic Battles」シリーズあたりだろうか。ただ、そのあたりを手放すには、まだ惜しい気がするので、しばらくは様子見である。最後まで残るのは、多分ASL、OCS、GTS、GOSSだろうか。いっそ、コレクションをそれだけにするという手もあるのだが、まだそこまでは……

と書いたが、まさにそれを実践した形だ。「Musket & Pike」シリーズを含む中世~近世の会戦級ゲームはすべて処分。「Library of Napoleonic Battles」シリーズを含むナポレオン戦争ゲームもすべて処分。GMT「Next War」シリーズを含む現代戦ゲームもほぼ処分。結局、そのあたりまで手をかける余裕はこれからの自分には無いと分かったので、ばっさりジャンル切りしてしまった。で、結局残ったゲームは……

 一軍:Operational  Combat Series(OCS)、Grand Tactical Series(GTS)

 二軍:Advanced Squad Leader(ASL)、Grand Operationl Simulation Series(GOSS)

 予備役:戦国群雄伝(+同人モジュール+謙信上洛+真田軍記)、三国志演義

 処分保留:GMTのシモニッチWWII作品、Battalion Combat Series(BCS)等々

一軍が21タイトル、二軍が(ASLをまとめて1タイトルとすれば)3タイトル、予備役が13タイトル、処分保留が11タイトル……と、所有ゲームを計48タイトルにまで削った。所有タイトルを絞り込んだ分、次にどれをプレイするかという焦点もシンプルになったし、気分もすっきりだ。

しかも基本的に稼働可能な一軍・二軍ゲームは、ほぼWWII陸戦ゲームだ(一部、朝鮮戦争タイトルあり)。つまりこれから先は基本、WWII(非戦略級)陸戦ゲーマーとして、師団級OCS、大隊級GOSS、中隊級GTS分隊級ASLだけプレイしていこうというのが「ほぼ引退」ライフの方針である。まあ、一軍・二軍のうち3シリーズの販売元であるMMP社がくたばった場合、かなり困るだろうが、その時はその時だ。

大隊級というジャンルではBCSも面白いのだが、個人的好みで言うとGOSSに軍配が上がるので、もしかすると将来BCSを切る可能性もある。GMTのシモニッチ作品もプレイしやすくて良いのだが、最近発売された「Holland'44」に今ひとつ食指が伸びないので、これもまたどうなるか分からない。またCompass Gamesから発売されたGTSの改変システムCompany Scale System(CSS)も気になるので、来年あたり味見をしてみて、今後もつき合うか考えたいと思う。そのあたりを買うなら「GOSS:Atlantic Wall」の方が欲しいが、これは高額なので懐と要相談。

それよりも、しばらくご無沙汰なASLをどうにかしたいと思っている。年内には「ASL:Forgotten War(朝鮮戦争モジュール)」が出るという噂もあり、そろそろ未購入のフィンランド軍、アメリカ軍モジュールを揃え、JournalやAnnualのプレイ指南記事でも訳しつつ、集中してソロプレイを……とも思っている。

もちろん、知見を広めるという意味では、様々なウォーゲームに触れた方が良いし、自分もまだBCSなりCSSには触れてみたいが、ある程度の知見を得たなら、思いきりタイトルを絞り込んでつき合うのも良いと思う。これもひとつのスタイルということで。

【参考文献】ヘルマン・ホート「パンツァー・オペラツィオーネン 第三装甲集団司令官 バルバロッサ作戦回顧録」

パンツァー・オペラツィオーネン――第三装甲集団司令官「バルバロッサ」作戦回顧録

パンツァー・オペラツィオーネン――第三装甲集団司令官「バルバロッサ」作戦回顧録

 

ヘルマン・ホートの自伝が出たので購入。前半は、自身が第3装甲集団司令官として参加したバルバロッサ作戦の回想、後半が戦後に書いた軍事研究論文という構成。特にスモレンスク戦に関する記述が多いので「OCS:Smolensk」の参考書に良さそうだ。

【Battalion Combat Series】「Last Blitzkrieg」The Goose Egg AAR

f:id:crystal0207:20170918103203j:plain今日は、ソフィアゲームクラブにて、FORGER氏主催の「BCS(Battalion Combat Series):Last Blitzkrieg」勉強会に参加してきた。本日プレイしたシナリオは、1944年12月に始まったWWIIバルジ戦の中でも、12月18日~12月22日のサンヴィット(St.Vith)周辺での戦闘を扱う「The Goose Egg」である。ドイツ軍の奇襲を受けたアメリカ軍第14騎兵グループ、 またドイツ軍に包囲されつつあるアメリカ第106歩兵師団が後退する中、駆けつけたアメリカ第7機甲師団がSt.Vithを中心とした防御陣地を展開し、ドイツ軍の突破を防ぐというもの。攻めるドイツ軍の主力は、第9SS装甲師団、総統警護旅団。今回は自分がドイツ軍を担当し、連合軍はN村氏が担当された。 

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さて第1(12月18日)ターン。連合軍は、包囲下にあるアメリカ第106歩兵師団から活性化させ、これをSt.Vith方面へと後退させた。しかし実はそれよりも、このシナリオではまずアメリカ第7機甲師団なり第14騎兵グループを前進させ、St.Vithの守りを固めた方が良かったようだ。ドイツ軍は早速、(増援として登場する)第9SS装甲師団を活性化させたところ、第1活性化に続いて第2活性化にも成功し、装甲捜索大隊が一気にSt.Vith市内へ突入。あっという間に大目標St.Vith周辺を制圧してしまった。 

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第2(12月19日)ターン、St.Vithを奪われた連合軍は長駆、第14騎兵グループを北から第9SS装甲師団の後背に回らせ、補給ルートを切断しようとするも、第2活性化ができず断念。その北部には、総統警護旅団が進出し、第9SSの側面を固めた。第9SSは勢いに乗ってさらに西進……と思いきや、このターンの活性化に失敗し、まったく動けず! 前のターンの華麗な突破はいったい何だったのかと憤ったが、連合軍担当N村氏はホッと胸をなで下ろしていた。 

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第3(12月20日)ターン。今回はどうにか活性化した第9SS装甲師団は、待ち構えるアメリカ第7機甲師団に対して、真正面からの射撃戦を挑んだ。しかしアメリカ軍軽戦車は撃破したものの、中戦車大隊への射撃はことごとく「双方ステップロス」となり、アメリカ軍は後退もせず戦線を維持。言うなれば、V号パンターM4シャーマンで引き分けているようなもので、割に合わない痛み分けが続いた。 

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第4(12月21日)ターン。St.Vithの南にドイツ軍第18、第62国民擲弾兵師団が進出し、第9SSの南側面を固めた。これでまた第9SSが打って出られるぞと思いきや、またしても第9SSが活性化に失敗し、まったく動けず……。時間的にここでお開きとしたが、最終第5(12月22日)ターンまでプレイしても、ドイツ軍が勝利条件ヘクスをすべて奪うことは難しかったと思う。

とまあ、ドイツ軍主力の第9SS装甲師団の動きだけ見ても、やはりこのBCS、各ターンでの振れ幅が非常に大きいシステムだった。活性化に成功するかしないかで、鬼神の如き活躍を見せたり、まったく動けないターンもある。この振れ幅は、先輩格OCS(Opeartion Combat Series)の戦闘システム(奇襲に成功するとダイス1個分、戦闘比が変化する)よりも大きいと感じた。自分はそれが『先が読めなくて面白い』と感じたが、人によっては『なんだこりゃ』『クソゲーじゃないか』と感じる方もおられるだろう。なので、万人にオススメはしないが、『いや師団というものは毎日毎日同じペースで戦闘は出来ないものなんだよ』という思想が受け入れられる方は、ちょっと味見だけでもしてほしいと思う。妙にゆるい後退ルール等含めて、これはこれで独特な味わいがあるし、引き続き注目していきたい。

ちなみに、まだプレオーダーは開始されていないが、BCS第3弾のタイトルは「Brazen Chariots」、WWII北アフリカでのブレヴィティ作戦、バトルアクス作戦、クルセイダー作戦を扱うとのこと。ユニットの動きが激しいBCSと、砂漠の機動戦は相性が良いと思うので、これまた期待したい。

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【参考文献】コリン・グレイ「戦略の格言 戦略家のための40の議論」

戦略の格言―戦略家のための40の議論

戦略の格言―戦略家のための40の議論

 

戦略思想家コリン・グレイの「戦略の格言」を購入。戦争を語る際によく使われる格言について、その真意を解説した一冊。2015年に日本語版が出た、同じくコリン・グレイの「現代の戦略」は、戦争や戦略のさまざまな側面を網羅し、その分、複雑な内容になっていたが、こちらはもう少しシンプルに、戦争や戦略の概念を紐解く形になっている。

もちろんグレイ自身、戦争や戦略を単純化し過ぎる弊害も感じているようだが、と言って、このように単純化することにも意味があるわけだし、「現代の戦略」よりも取っつきやすい内容になっている。まあ、こういった単純化した理論を沢山知っていても、実際の戦争やウォーゲームでそれを適用するとなると「術(Art)」的な才能が必要になるし、そのあたりが興味深いなあと。コリン・グレイに触れるなら、まずはこの入門書的な「戦略の格言」から入って、その後「現代の戦略」に進むのが良いかも。

【参考文献】アントニー・ビーヴァー「ベルリン陥落 1945」

ベルリン陥落 1945(新装版)

ベルリン陥落 1945(新装版)

 

アントニー・ビーヴァーの「ベルリン陥落 1945」を購入。旧装版が出た時から、読もうかどうしようか迷っていたが、民間人の悲惨な話を読むと、心が痛みそうだったので、ずっとスルーしていた。でもビーヴァーの本だしなあ、とか思ううち、新装版が出たので、じゃあこのタイミングで買うかと。

ベルリン戦ゲーム「Fortress Berlin」もご無沙汰だが、あれももう一度、触れてみたい作品ではある。