Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Operational Combat Series】「Tunisia II」Kasserine Campaign AAR Part.2

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「OCS:Tunisia II」のKasserine Campaignの続き。第5(1943年3月1日)ターン以降、枢軸軍は、中部戦線での攻勢を断念すると共に、南部戦線(マレス線)からも部隊を引き上げ、戦線の縮小を開始した。と言うより、第5ターンから第10(3月19日)ターンまでプレイしてみたが、延々と退却戦が続くばかりだったのだ。よく「退却戦は難しい」などと言うが、OCSでも、隷下の部隊を指揮下に収めて補給切れにすることなく戦線を引き直す作業には、丁寧な段取りが必要となる。なにしろ機械化ユニットの場合、後退する=移動するにもSP(補給ポイント)が必要となるため、枢軸軍はTunisやBizerte等の備蓄SPをもトラックで運び、後退の足を確保する始末。その間、連合軍を攻撃することは無かったが、こういった戦線の再構築という作業にも戦略眼なり作戦企図は必要なわけで、これはこれで楽しめた。

一方の連合軍は、南部戦線ではユニットが潤沢にあるのに補給が少なくて追撃がしきれず、中部戦線では補給が余っていても頼りになるユニットがいなくて追撃に出られないというアンバランスさ。そして中部・南部の連合軍は、第10ターンになっても、まだ手を繋いでいないため、補給を融通することもままならない。しかしふと考えれば、シナリオ開始以来、補給の備蓄に務めていた北部戦線でこそ、枢軸軍に消耗戦を仕掛けるべきだったのでは?と気づいた。特に派手な突破を狙う必要もないが、防御戦闘でもSPは食うのだから(食わなくてもいいが戦闘力が半減する)、あちこちで小戦闘を仕掛けて枢軸軍のSPをちくちくと消耗させれば、中南部戦線へ送れる補給量も減るはず……というあたりが見えてきた途端、もう一回最初からシナリオをやり直したくなったので、第10ターンまででソロプレイを終えた。

今回のような長い準備期間を中だるみと感じるか、それもまた戦争だと感じるかは人それぞれだと思う。ちなみに自分は後者だし、OCSの長期間シナリオはこういうものだろう。5ターン攻勢をかけたら、5ターンかけて次の攻勢の準備をする、みたいな(「OCS:Hube's Pocket」のソ連軍だけは準備期間無しに毎ターン殴りかかってくるが)。まあ、両軍各戦線の役割分担も見えてきたので、いずれまたこのキャンペーンシナリオに再挑戦してみたい。

【Operational Combat Series】「Tunisia II」Kasserine Campaign AAR Part.1

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第1(1943年2月15日)ターン開始。まず各港湾の損害チェックで、Tunis(A48.24)とSousse(A5410)が3ダメージ、Bizerte(A4431)とGabes(B4817)が2ダメージ、Bone(A1726)とSfax(B5730)が1ダメージと決定。基本的に枢軸軍の補給は海上輸送が頼みで(航空補給もあるが天候に左右される)、特にTunisは本来4SP分の物資やユニットを荷揚げできるのに、現状では1SP+2Tのみしか陸揚げできないのはかなり危うく、早急に回復したい。ちなみに港湾のダメージ回復には、HQか工兵ユニットが必要で、1ターンに1SP(補給ポイント)を消費すれば、1ダメージが軽減される。 

先攻は連合軍。いきなりイギリス第8軍登場チェックが成功してしまい、南部戦線に第8軍の先鋒・イギリス第7機甲師団が現れた。早速、第7機甲師団はマレス(マレス)線前面のMedenine(B5410)に向かい、これを守るイタリア軍を撃退。枢軸軍の飛行場も奪って、気勢を上げた。このターン、連合軍は鉄道輸送3SP+海上輸送1SP+航空輸送1SP2T+第8軍の3SP=合計8SP2Tを獲得。これが連合軍の毎ターンの基本補給量となる(天候が悪化し航空輸送が届かない場合もある)。 

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さて第1ターン裏の枢軸軍。受け取った補給は、海上輸送4SP+航空輸送2SP1T=6SP1T。しかし3月からは海上輸送が3SPに減り、連合軍の航空部隊が前進してくれば、航空輸送も妨害される可能性があり、先へ行くほど補給量は厳しくなる見込みだが、この時点ではまだ連合軍と大差は無い。

枢軸軍は早速、中部(カセリーヌ)戦線で攻勢開始。ドイツ第21装甲師団は、Sidi bou Zid(B4033)のアメリカ第1機甲師団スタックをオーバーランで奇襲し、これを除去。同じく第10装甲師団も、アメリカ第34歩兵師団スタックをオーバーランで2回撃退し、Sbeitra(A3502)まで突破した。また西方では、ドイツ第15装甲師団がアメリカ第1レンジャー大隊を除去して、Feriana(B2732)を突破している。いずれも快調な滑り出しだが、さすがに補給量が少なく、イタリア軍センタウロ戦車師団まで動かす余裕が無い。 

しかしこのまま第2(2月19日)ターン表も枢軸軍が取れば、ダブルムーヴによってさらなる大突破が……と期待されたが、なんと天候は泥濘。移動不可、戦闘不可、さっさと処理を済ませるためOCSルール2.4「同時進行ターン」を使うという、お休みターンとなってしまったのだ。ちなみに自分もこの「同時進行ターン」を使うのは初めてだった。それでも一応、航空補給以外の補給ポイントは届いているので、第3(2月22日)ターン以降の攻勢に期待がかけられた。

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そんな第3(2月22日)ターン、天候は晴天。先攻は連合軍。南部にはニュージーランド第2歩兵師団、イギリス第51歩兵師団も到着し、マレス(マレト)線への攻撃が開始された。第7機甲+ニュージーランド第2は、一級道路が通る真正面のイタリア軍トリエステ師団陣地に正面攻撃をかけた。トリエステ師団は、DL1o2という被害を喰らいながらも3ステップを殺してその場に踏みとどまったが、続く第7機甲予備スタックの第二波攻撃を受けて全滅。第7機甲師団が最初の陣地線を突破した。また枢軸軍の攻勢を受けた中部戦線では、アメリカ軍がひ弱な部隊をばらまき、枢軸軍の足止めを図っている。

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第3ターン裏。2ターン分の補給を溜めた枢軸軍は、まず第15装甲師団が3回のオーバーランでKasserine(A3101)を突破し、大目標であるTebessa(A2105)へ向かったが、途中の戦闘で偵察大隊を失い、アメリカ軍砲兵の阻止砲撃によって装甲擲弾兵も失い、戦車大隊と砲兵連隊だけになってしまった。

一方、第21装甲師団も3回のオーバーランで、アメリカ軍がばらまいたどうでもいいユニット群を蹂躙し、まさかここまでは来ないだろうと高をくくっていた移動モードのアメリカ第1歩兵師団スタックをも除去し、Sbiba(A3406)まで進出。枢軸軍は、このSbibaから北へ向かう、いわゆる小包囲ルートの方が勝算ありと見て、さらに第10装甲師団をこちらへ投入。先発していた第21装甲師団を追い抜き、山中に陣取るアメリカ第1機甲師団スタックを攻撃した。しかしKairouan(A4809)から飛んできた航空支援29爆撃力がまさかのスカ。仕方なく、相手を混乱させぬまま攻撃したところ、先鋒の戦車大隊を失うという手痛い損害を被ってしまった。 

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第4(2月26日)ターンも天候は晴れ。先攻はまたしても連合軍。南部戦線では、ニュージーランド第2師団がラ・スペツィア歩兵師団を撃退して陣地線を突破し、さらに突破フェイズに、第7機甲師団を中心とする戦車隊がわらわらと陣地線を越え、ドイツ第90軽師団をも撃退した。枢軸軍は、イタリア軍予備砲兵による阻止砲撃も加えたが、それがまったく効果が無く、かえって貴重なSPを浪費するハメに。 

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さらに連合軍は、北部戦線から引き抜いたイギリス第6機甲師団とアメリカ第1機甲師団で、ドイツ第10装甲師団を攻撃し、これを撃退。突破を得た第6機甲師団は、そのままドイツ第21装甲師団にも攻めかかったが、逆奇襲をくらい、後退している。しかしこの戦闘によって、ドイツ軍の両装甲師団が弾薬減少状態に陥るという激戦だった。この一連の戦闘だけ切り取って、1ヘクス=500m、1ターン=2時間のGTS(Grand Tactical Series)で再現したい気も……

この第6機甲師団の反撃と、南部戦線での突破戦闘から鑑みて、枢軸軍指導部は攻勢の中止を決意。攻勢中の各装甲師団は後退して弾薬の補充に努めることとなった。次の第5(3月1日)ターンからは、海上補給量も下がるため、このあたりが潮時だろう。貴重な2月ターンをまるまる1ターン、泥濘で休止させられたり、イギリス第8軍の登場も最速、ということで枢軸軍にとっては不利な展開となったが、その双方が無かったとしても、展開が大きく変わるかどうかは微妙。枢軸軍は、攻勢の「穂先」である装甲師団群は強力なものの、それを支える「柄」にあたる歩兵なり何なりが非常に少ない。むしろ「穂先」しか無い印象。また内陸までSPを運搬するのも、意外に難儀だった。まあ、連合軍の脆弱な横っ腹を一発殴って、Tunisへの進撃を遅らせる程度の効果はあったと思うが……

【Operational Combat Series】「Tunisia II」Kasserine Campaign Set-Up

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先日購入した「OCS:Tunisia II」を早速プレイすべく、いきなりだがシナリオ4「Kasserine Campaign」をセットアップしてみた。本シナリオは、1943年2月15日ターン=カセリーヌ峠方面におけるドイツ軍の攻勢から始まる。その攻勢だけ切り取ったミニシナリオもあるが、やはりOCSは、ある程度の長期間と広範囲を扱う方が面白いと感じるので、こちらを選んだ次第。まあ、フルマップ2枚とは言え、東部戦線に比べればユニット数も少ないので、OCSとしては手頃なサイズか。 

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こちらが北部戦線。連合軍の勝利条件都市である首都Tunis(A48.24)とBizerte(A44.31)に向けて、西方からイギリス軍が迫りつつある。このどちらかの都市を取れば、連合軍の勝利。一方、守る枢軸軍には、北アフリカ戦を戦い抜いた歴戦の部隊が数多くあるものの、毎ターン受け取る補給量は3月以降から減り、一方の連合軍は補給量が増す予定。このチュニスに迫る連合軍の後背に斬り込んで、補給線をカットせんとするのが、地図盤中央部・カセリーヌ戦線での攻勢だ。 

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こちらが中部(カセリーヌ)戦線。すでにドイツ軍3個装甲師団イタリア軍1個戦車師団が攻勢開始位置についている。史実では、最終目標をLe Kef(A31.16)として連合軍の小包囲を狙うか、より西方のTebessa(A21.05)まで進んで大包囲を狙うかで枢軸軍指導部の意見が分かれたが、実際この地図盤で見ても、どちらを狙うかは悩ましい。Tebessaの方が目標として美味しく見えるが、その場合、側面が延びきる恐れもあるし、そこを埋める歩兵部隊もいない。攻勢3個師団でTebessaを狙い、残り1個師団で北の側面を守ればいいのだろうか。また、いつまで攻勢を続けられるかは、補給ももちろんだが、南部から連合軍がいつ攻めてくるかにも左右される。 

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その南部には、マレス(マレト)線と呼ばれる、枢軸軍の二重の陣地線があり、盤外から登場するイギリス第8軍を迎え撃つ予定。写真では見えないが、各ヘクスには2レベル陣地が印刷されているため、かなり堅固ではある。連合軍は、シナリオ開始ターンからダイスを1個振り、出目が5・6なら、第8軍を登場させられる。もっとも登場するのは、1ターン毎に1個師団程度なので、総力が揃うまでには時間がかかる。ただ、3月5日ターン(このシナリオでの第6ターン)には、自動的に第8軍が登場するので、カセリーヌ方面での攻勢も、こちらの戦況に影響されるだろう。

という感じで、枢軸軍としては、いつまで攻勢を続けるのか、いつ守勢に転じるのかという判断が求められるし、そういう意思決定を、広い戦場を俯瞰し、補給量と相談しながらあれこれ考えられるキャンペーン・シナリオかなと思う。とりあえずソロプレイ開始……

【Operational Combat Series】「Tunisia II」

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前々から買おうと思っていた「OCS:Tunisia II」をMMPの夏セールで購入。価格60ドル⇨36ドルはありがたいが、送料が高くて結局クロノノーツゲームで買うのと大差無い金額だった。それにしても今年は「OCS:Sicily II」「GTS:Operation Mercury」「BCS:Baptism by Fire」と地中海尽くしである。

旧作「OCS:Tunisia」は17年前に購入したが、買った直後に数回プレイしただけで、Blogを始めた2005年以降は一度も触れていない(そのためこのBlogにもプレイ記事が無い)。旧作は、地図盤とユニットがドギツい配色だったり、道路が線路に見えたりと、グラフィック的に好みではなかったのが原因だと思う。

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その比較画像がこちら。手前が旧版、奥が新版。以前「OCS:Reluctant Enemies」が出た時に、そのすっきりした色調の地図盤を見て『この色合いで「OCS Tunisia」をリメイクしてくれないか』と書いたが、まさにそれが現実化されている。当然、個人的好みは新版だ。やったぜ。

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両軍のユニットは、編成面でも数値面でも、旧版から手が加えられている。こちらは枢軸軍カウンターだが、連隊規模だったユニットが大隊規模に、大隊規模だったユニットが中隊規模に分割されているのが目立つ。恐らくこれで、ユニットの頭数が増し、アクションレーティングの高い(頼もしい)部隊をばらまいて戦線が柔軟に構築できるかと。またドイツ軍の師団砲兵ユニットは、1995年のThe Gamers Xmas Sheet(年末時期にオマケとして配布されていた追加・訂正カウンターシート)で砲撃力が高く再設定されたが、新版ではまた砲撃力が低く設定され直され、Mech扱い(対戦車能力あり)になっている。

The Gamers Xmas Counter Sheets

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一方、連合軍ユニットは、大隊規模だった砲兵が連隊規模にまとめられている。これにより1ユニットあたりの砲撃力は高くなったものの、ユニットの頭数は減ったため、柔軟な運用がしにくくなっている。 まあ旧版の、ヒトケタ砲撃力砲兵も、バラして運用するより、まとめて砲撃したとは思うが……

またイギリス軍戦車ユニットは、2000年のThe Gamers Xmas Sheetで戦闘力が高く再設定されたが、それはそのまま引き継がれているものが多い。とにかく両軍とも、戦闘力やアクションレーティングが微妙に弄られているので、細かく比較してみるだけでも面白いし、もしかしたらプレイ感も違うかもしれない。あいにく自分は旧作のプレイ感をまったく覚えていないし、今さら旧版をプレイし直す気もないので、比較のしようもないのだが……

というわけで、自分好みのグラフィックに洗練されたこの「Tunisia II」も近いうちにプレイしようと思う。ただし3ターンのみの「Battle for Kasserine」は、あまり触れる気がしない(基本、OCSの短期間シナリオはやる気がしない)ので、むしろ「Kasserine Campaign」の序盤10ターンぐらいを目指してプレイする方が良いかもなと思っている。それでもやはり最初は「Race for Tunis」(マップ1枚・全14ターン)シナリオからだろうか。地中海での戦いが続く……

【Advanced Squad Leader】MMP「ASL Journal #11」

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MMPの夏セールで「ASL Journal #11」(2016年発売)を購入。本誌記事は「Valor of the Guards」「Gavutu-Tanambogo」「Rivers to the Reich」シナリオの解析、半個分隊の運用について、朝鮮戦争モジュール「Forgotten War」の紹介、上陸ルールの解説等々。付録シナリオはJ161~J181と「Festang Budapest」の追加シナリオ等々。半自作シナリオ「Squad Bleeder」も3本収録と。

でまあ、何度もこのBlogで言及しているが、ほぼ引退状態に入った今、この先もASL(Advanced Squad Leader)を継続購入するかどうかは微妙なラインである。一応、通常シナリオをやるのに必要な基本モジュールぐらいは集めておきたいし、「Journal」と「Action Pack」までは揃えておきたいので、これも買った次第。もし今後もコレクションを継続するなら、未入手のフィンランド軍モジュール「Hakkaa Paalle !」とアメリカ軍再版モジュール「Yanks 2nd」を手に入れる必要があるが、さてその購買スイッチが入るのかどうか。とりあえず小物を揃えつつ様子見……という感じである。

【Operational Combat Series】「Sicily II」Campaign AAR part.4

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今日も秋葉原イエサブにて、FORGER氏主催の「OCS:Sicily II」キャンペーン第4回。今回は第8ターンから開始である。東部枢軸軍担当の自分としては、まだカタニア平原とカタニア市(港)を死守したいが、対するFORGER氏率いるイギリス軍は、着々と戦力を増しつつあり、もはやオーソドックスに殴るだけで良いような状態。こちらとしては、FORGER氏のダイス目の低さに期待するしかないが、相手のミスを期待するようではすでに負けたも同然である……

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その第8ターン。先攻の連合軍は、枢軸軍東部・西部の境界線あたりにイギリス第46歩兵師団を突っ込ませ、枢軸軍戦線の分断を狙ってきた。しかも枢軸軍には反撃する余裕が無いと見て、降下猟兵の目の前に移動モードの砲兵部隊を置く舐めた真似を。おのれとばかりに反撃したいが、それに伴うリスクを考えると、指をくわえて眺めるしかなかった……

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仕方なく枢軸軍は、連合軍に衝かれた軍境界線を埋めるべく、ヘルマン・ゲーリング装甲師団をバラして戦線を維持。しかし第9ターン。イギリス軍は、第一線に歩兵4個師団を並べ、その背後に予備スタック4個を配置。東部枢軸軍の阻止砲撃スタックは2個しかなく、前線の2個イギリス歩兵師団スタックを混乱させたものの、それはあえてイギリス軍が囮として配置したもの。予備フェイズになると、後方に控えていた予備スタックが前進し、ドイツ軍突撃砲大隊を蹴散らし、カタニアまであと2ヘクスに迫ってきた。内陸でもイギリス機甲旅団が突破を図ったが、精鋭降下猟兵の逆奇襲によって追い返されている。

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枢軸軍戦線の中央分断を狙う連合軍に対し、枢軸軍は全戦線にわたって後退開始。戦線を縮小して予備を捻出し、連合軍の突破に備えた。

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そして第10ターン。ここでも先攻を取った連合軍が怒濤の攻撃を開始。イギリス軍は、海岸から3ヘクスに艦砲射撃を撃ち込み、内陸には爆撃機を送り込み、枢軸軍第一線をしらみつぶしに攻めてきた。この砲爆撃により、枢軸軍2個連隊が吹き飛び、まるまる2ヘクスが空くハメに。連合軍は、すかさずその突破口に部隊をねじ込み、カタニア平原の大半を制することとなった。

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一方、HA氏率いるアメリカ軍も、ようやく海岸線で突破口を啓開。一気にシチリア島西部へ(あるいは中央部へ)押し出す構えである。

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もはやカタニア平原で粘るのは無理と判断した東部枢軸軍は、山間部へ後退。一応、ヘルマン・ゲーリング装甲師団ティーガー中隊も予備部隊として健在だが、なかなか反撃の一手に使うタイミングが難しい。恐らく次のターンで、カタニア市(港)は連合軍に奪われ、アメリカ軍も突破に成功するのではないか……というあたりで今回はお開きとなった。ただ史実的には、すでにこの10ターン時点(1943年8月10日)で枢軸軍はイタリア本土へ撤収を始め、島内の戦いは決着がついていたので、それに比べればまだ頑張っている方だと思う……

西部枢軸軍担当N村氏のBlogはこちら⇩

部連合軍(イギリス軍)担当&主催Forger氏のBlogはこちら⇩

【Grand Tactical Series】「Operation Mercury」 Descent into Hell Solo-Play AAR

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GTS:Operation Mercury」のシナリオ5「Descent into Hell」をソロプレイしてみた。こちらもMalemeマップ1枚のみ使用のシナリオだが、最終的には4個師団が登場するため師団ディスプレイ4枚を広げる必要があり、ルール的にも砲兵集結地が導入されるため、本格シナリオの感がある。降下するドイツ第7航空師団の狙いは、Maleme飛行場と、島の首都とも言えるCaneaへの突破である。Maleme飛行場付近には降下突撃連隊が、Caneaの西には第3降下猟兵連隊が降下する。飛行場の滑走路連続2ヘクスを確保すれば、シナリオ2日目の夕刻には第5山岳師団の2個大隊も空路到着するが、ほぼ終幕なので、ドイツ軍で実質戦うのは降下兵2個連隊か。対する連合軍は、第2ニュージーランド師団とクレタ混成守備隊(イギリス王立海兵隊含む)が展開している。

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まずドイツ軍は、Maleme飛行場周辺に航空攻撃をかけ、対空砲1を除去。降下突撃連隊は、第9中隊を降下時に失うも(敵の真っ只中に降りた)、早くも第3中隊が対空砲を潰して滑走路西端を確保した。一方、Canea西方に降りた第3降下猟兵連隊は、第1(0700)ターンに仕込んだはずのフォーメーションチットが最後に引かれたため、本格的な活動開始は0900ターン以降となった。

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その0900ターンには、降下突撃連隊第5中隊が、Maleme飛行場南の107高地に陣取るニュージーランド軍A27機関銃中隊陣地に強襲をかけ、見事この観測地点を確保した。しかし1100ターンになるとドイツ軍にも疲れが出たのか、第7航空師団チットが最後に引かれて翌ターンに持ち越され、攻勢は小休止。

これに対して連合軍はようやく反撃に着手し、1500ターンにはMNDBO(海軍根拠地機動守備隊)が、孤立していた第3降下猟兵連隊第11中隊に3度の強襲をかけてこれを除去している。しかしこのターンには、降下突撃連隊もMaleme飛行場の滑走路連続2ヘクスを確保し、第5山岳師団のお迎え準備は整った。

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この後も降下突撃連隊は前進を続け、1700ターンには対空砲中隊が英軍マチルダ戦車半個中隊を一発で撃破する殊勲もあり、飛行場の防備を固めていった。連合軍は、東から第28マオリ族大隊を呼び寄せているが、道路途中で降下突撃連隊の一部とぶつかり、飛行場には近づけていない。

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一方、Caneaの西では、両軍ともフォーメーションチットが投入できないわ、指揮ポイントが少ないわで、あまり活発な活動はみられない。まあ、どうしてもMaleme方面にリソースを優先せざるを得なかったので致し方なし。唯一気を吐いていたのが、ドイツ軍の降下工兵大隊で、強襲を重ねてギリシア軍大隊を殲滅している……と、1900ターンまで進めたところで、1500、1700ターンのドイツ軍増援を出し忘れていることに気づき、今回は味見ということもあって、ここでお開きとした。

途中までしかプレイできなかったが、ここまでに触れた中では最も面白そうなシナリオである。最後までプレイすれば、ドイツ軍がMaleme飛行場を奪えるか、そして第5山岳師団が到着するまでに連合軍が奪い返せるか、というストーリーが味わえると思う。戦場もMaleme飛行場方面と、Canea方面に分かれているので、複数プレイヤーで部隊を担当するにも良いシナリオかと。