Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT「France'40」Sickle Cut AAR

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昨日6月6日に再度Karter氏と「France'40」を対戦した。日付的には同じシモニッチ作の「Normandy'44」でもやればいいのだが、あいにく最近発売された第2版は未入手。まあ「Ukraine'43 2nd Edition」ほどのドラスティックな改変はないため見送っているが、そのうち「N'44」も入手するかもしれない。

それはともかく今回も「Sickle Cut」シナリオを選択。ただし陣営を前回とは入れ替え、自分がドイツ軍を担当した。まず意識したのは、穂先である装甲師団と、柄の役割を果たす歩兵師団の協調である。敵戦線に突破口を開くのは攻撃に優れた装甲師団、その突破回廊を維持するのは防御に長けた歩兵師団、というごく基本的なコンビネーション芸だが、つい敵ユニットをかまいたくなる気持ちは無視。両者とも可能な限り接敵を避け、拡張移動+2を駆使してひたすら海岸線へ突き進む。都市や陣地で守りに入った連合軍ユニットなど後から来る部隊に包囲させればいいのだ。

そんな心構えでゲーム開始。第1ターンのムーズ渡河では、ドイツ第6装甲師団がいきなりステップロスを食らって出遅れたが、その他は順調に推移した。グデーリアン麾下の3個装甲師団群は、前回のソロプレイより早く、第3ターンにはモンコルネー(4218)を通過。これは史実よりも1ターン早いが、連合軍序盤の増援が北方からばかり来ていたことにも関係する。

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連合軍は、北方から来援したイギリス軍自動車化師団を盤中央に送り込み、カンブレー(3210)からサン・カンタン(3315)へ伸びる運河沿いに戦線を構築。さらにGQG妨害マーカーから逃れたフランス第1機甲師団(1DCR)で反撃を試みたが、あいにく相手側プレイヤーにステップロスを選ばれてしまうEX(相互損害)が出てしまい、早くもシャールB1戦車群が損耗してしまった。

連合軍はすぐさま第5ターン、Halt!妨害マーカーを使ってドイツ軍を足止めしたが、それを逃れた第6、第8装甲師団がサン・カンタン運河の切れ目(3214)から突破を果たし、イギリス軍戦線の裏側へ回り込んで、これを各個撃破した。

一方、北方では、ドイツ第3、第4装甲師団がようやくディール要塞線を突破して、一気にリール(3003)へ突進。連合軍は、モブージュ(4208)に立て籠もったが、歩兵師団に包囲されて孤立することに。

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そしてドイツ軍突破部隊の先頭は、第8ターンにアミアン(2014)、第9ターンにアヴヴィル(1410)へ到達。これにより連合軍の鉄道線は南北に分断され、ドイツ軍の勝利がほぼ確定した。

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写真のように第9ターンには、装甲師団5個、自動車化師団2個を含む20個以上のユニットが盤外突破点Xに近づいている。もはや終盤ともなると、装甲師団は接敵どころか戦闘すら避けて海岸線へ突進。最も攻撃力が高い装甲師団が攻撃をしないことこそ勝利への道、という具合になっていく。

連合軍も、南部ではドゴール将軍麾下の第4機甲師団(4DCR)を用い、再三反撃を続けていたが、ドイツ軍歩兵師団のバリヤーに阻まれ、装甲師団に触れることができなかった。連合軍としては、土地を守るよりも、ドイツ軍の足を止めることを意識した方が良いのだろう。しかしZOCでドイツ軍ユニットを拘束すれば、同時に連合軍も束縛されてしまうので、痛し痒しではある。

しかしコツを掴んだベテランプレイヤーがドイツ軍を担当し、初級者が連合軍を担当すると、なすすべ無く突破されてトラウマ級の敗北感を味わう危険性もあり、そのあたり、プレイされる際はご配慮いただいた方がよろしいかと思う……