Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

GMT「Ardennes'44 3rd printing」

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GMTの「Ardennes'44  3rd printing」を購入。初版は、発売されたばかりの2003年に購入し、その手堅いスタンダードな作りから、自分の中で「連隊級ベストバルジ戦ゲーム」になっていた。その後、2012年に第2版が発売され、カウンターとヘクス径が拡大されたフルマップ2枚のゲームとなったが、まあ中身はたいして変わらないだろうとスルーしているうちに売り切れ。そして初版も処分してしまったが、それからさらに6年が過ぎた昨年2018年、第3版が出たので、買い直した格好である。しかし初版を買ったの、もう16年も前か!自分の中では、まだまだ新しい時代のゲームに感じるが……

しかし本作以後、もっとトガったゲームシステムの、大隊級バルジ戦ゲーム「GOSS:Wacht am Rhein」「BCS:Last Blitzkrieg」の方に好みが移ってしまったので、それらがあればバルジ戦ゲームは十分とも言えるが、連隊級で何か1個手元に置くとなれば、やはれこれだなと。ちなみに第3版を手に取ってみると、ボックスもカウンターシートも、一般ボードゲームのような堅牢な作りで、なんだか重厚な感じがする。GMTのゲームを買うのは、とても久しぶりだけれど、最近はみんなこうなのか? 

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ヘクスとカウンターが大きくなったのは、ありがたい。もちろんそれに合わせて、より広いプレイ空間が必要となるが、まあこの程度なら。

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あいにく第2版には触れていないが、変更点を見ると、第2版の時点でだいぶ弄られていたようだ。そこからさらに、第3版になって細かな修正が加えられているので、初版しかプレイしたことのない自分の経験や感想は、もうあまり役に立たないかもしれない。幸い、すでに日本語版ルールがアップされているので、いずれ第3版もプレイしてみないと。 

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このBlogにアップされた初版のプレイ写真を見ると、たしかに数値が変わっているユニットが多々ある。

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今年は、バルジ戦75周年(1944年⇨2019年)なので、年末には一度プレイしたいかなと。シナリオも、初版に比べると増えたが、まずは最初の6ターンシナリオから。

【参考文献】「エア・パワー 空と宇宙の戦略原論」

エア・パワー 空と宇宙の戦略原論

エア・パワー 空と宇宙の戦略原論

 

防衛省が「宇宙作戦隊(ストレートな名前だな)」の創設を打ち出したからというワケではないが「エア・パワー 空と宇宙の戦略原論」を購入。内外・官民の複数著者によるエア・パワー論文集という形で、個人的には「第4章 日本陸海軍のエア・パワー」「第5章 日本海軍の空母運用思想」「第11章 ボイド再考 狂気に触れた偉大な思想」が読みたかったので。

自分の場合、最近触れているTSWWシリーズが戦略・作戦レベルの航空作戦も包括していたり、(エア・パワー主体のゲームではないが)「Less Than 60 Miles」がボイドのOODAループを意識したゲームなので、そのあたりの予備知識としても入れておこうと。特に戦略・作戦レベルの航空戦ゲームは「Downtown」以外、あまり経験が無く、その「Downtown」ですら練習シナリオ止まりなので、いずれTSWWで、英国航空決戦なりラバウル航空戦なり、いろいろと試してみたい。

【参考文献】アンドルー・コックバーン「脅威 ソ連軍事機構の実体」

脅威―ソ連軍事機構の実体

脅威―ソ連軍事機構の実体

 

近所の古書店で、300円で売られていた「脅威 ソ連軍事機構の実体」を購入。原書は1983年発行、日本語版は1985年発行と、まさに冷戦真っ只中というか、最近購入した仮想・第三次世界大戦ゲーム「Less Than 60 Miles」が想定する時代に書かれた、ソ連軍の内幕モノ。ソ連で兵役に就いた人々からソ連軍の内実を探ろうとしたり、中東で捕獲したソ連軍戦車を扱ったアメリカ軍の演習対抗部隊の士官からその兵器の故障率について語ってもらう等、今になって読んでも、なかなか興味深い内容。

しかし逆に、当時配備されたばかりのアメリカ軍のM1戦車について「旧来のM60戦車の方が、故障率は低く、行動距離は長く、搭載弾薬も多い」としているあたりも面白い。

また、ソ連軍を語る中で「ドイツ参謀大学のフォン・メレンティン将軍」「そのかつての上官ヘルマン・バルク将軍」といった、お馴染みの名前も出てきたり。

まあ、古い本だが、これも「Less Than 60 Miles」の予習ということで……

【参考文献】デービッド・C・イスビー「ソ連地上軍 兵器と戦術のすべて」

ソ連地上軍―兵器と戦術のすべて

ソ連地上軍―兵器と戦術のすべて

 

ぶらり土浦の古書店に行き、1987年発行(原書は1981年)の「ソ連地上軍 兵器と戦術のすべて」を購入。著者のイスビーは、かつてSPIで現代空戦ゲーム「Air War」をデザインした人物。そのイスビーが、まだソ連の情報があまり開示されていなかった当時、ソ連軍の戦術や兵器を分析したという一冊。なぜ今このような本を買ったと言えば、それはもちろん仮想・第三次世界大戦ゲーム「Less Than 60 Miles」で、ソ連軍を動かすための参考書として。

もちろん本書での分析も、当時のソ連軍の実像とはかけ離れているだろうが、当時西側が、ソ連軍をどのように分析していたかを知るのも「Less Than 60 Miles」のプレイには必要かなと。実際、本書で記されているソ連軍師団~大隊の隊形は「Less Than 60 Miles」はもちろん、かつてのSPI「NATO Division Commander」や、より細かい戦術級ゲーム「Assault」あたりにも適用できそうだ。

個人的には、仮想・第三次世界大戦ゲームでは、結局激突することのなかった、ワルシャワ条約側の梯団攻撃と、NATO側のエアランドバトルが実際にぶつかったらどうなったのか?を確かめたい。そういう意味でも、あらかじめソ連軍の戦術を学んでおいて、それをゲーム上でも再現したいとは思っている。「Less Than 60 Miles」をソロプレイするなら、ソ連軍を動かす際に「1980年代の西側が想定していたソ連軍指揮官」として、ロールプレイング・ゲーム的にやりたいなと。

【参考文献】ルイス・アレン「シッタン河脱出作戦」

シッタン河脱出作戦 (1975年) (ハヤカワ・ノンフィクション)

シッタン河脱出作戦 (1975年) (ハヤカワ・ノンフィクション)

 

ぶらり立ち寄った市内のBOOKOFFで、ハヤカワの絶版「シッタン河脱出作戦」を100円で発見・購入。 BOOKOFFでも、たまにこういう本当に古い本が見つかるし、だいたい捨て値で売られているので、定期パトロールはしておいた方が吉と。

さて本書は、大戦末期の日本軍第28軍による、ビルマから、アンダマン海に面するラングーン(現在のヤンゴン)方面への退却戦を描いている。ちょうど「TSWW:Singapore !」を購入したものの、東南アジア戦線末期については、ほとんど知らなかったので、ちょうど良い読み物になるかなと。インパール作戦については、知られているものの、その後の退却戦も、やはり悲惨だなと……

【Battalion Combat Series】「Brazen Chariots」Operation Battleaxe Solo-Play AAR

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BCS(Battalion Combat Series)第3弾「Brazen Chariots」の「Operation Battleaxe」シナリオをソロプレイしてみた。その名の通り、1941年6月のイギリス軍の攻勢、バトルアクス作戦を扱うもの。1マップ、3ターンのみと、例会など半日あれば完遂できそうな規模である。

攻めるイギリス軍は、Halfaya峠にインド第11歩兵旅団を向かわせ、Capuzzuoにはイギリス第7機甲師団の第4・第7機甲旅団(マチルダ戦車装備)、第22近衛歩兵旅団、側面には第7機甲師団の支援旅団を送り込んでいる。イギリス軍戦車隊の練度はまだ低いものの、マチルダ戦車の頑強さに助けられてか、ドイツ軍戦車隊とそこそこ渡り合える程度にはなっている。

ただ上の図を見れば分かるように、海岸沿いにいるインド第11歩兵旅団以外のフォーメーションは、すべて同じ補給路に頼っている。一応、これらのフォーメーションは「Buddy(僚友)」部隊なので、補給線が重なるペナルティは被らないが、その補給線をドイツ軍にバッサリ切断されると全軍お手上げになるので、初期のうちに対処した方が良さそうだ。

対する枢軸軍は、Halfaya峠にBach戦闘団、Sollum~Capuzzuo~208高地を結ぶ線にイタリア軍守備隊を配し、それぞれ88mm高射砲(射程2ヘクス)の支援を充てている。ただし、各陣地を守るのは中隊規模(2ステップ)ばかりで、あまり頼りにはならない。その後方には、ドイツ第15装甲師団が控え、第2ターンの増援としてドイツ第5軽装甲師団も登場する。

史実では、ドイツ軍が、イギリス軍にSollumやCapuzzuoを奪われながらも、大きく迂回してイギリス軍側面に回り込み、これを撃退……という展開になっている。さて今回のソロプレイではどうなるか。 

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まず6月15日(第1)ターン開始。先攻はイギリス軍。まずイギリス第4機甲旅団が、補給段列を別ルートに変え、一時的に機能不全(Ghost)にしつつも、活性化に成功。砲撃と歩兵による通常攻撃で、ドイツ軍の6/300オアシス中隊を除去し、Qalalaの陣地を奪った。それ以外のフォーメーションは、活性化に一度しか成功せず、枢軸軍陣地に迫っただけで終わった。

なにしろイギリス軍のフォーメーション司令部は、いずれも指揮範囲が短い(5ヘクス)。通常攻撃が行えるのは、指揮範囲内だけなので、まず最初の活性化で司令部を前進させ、攻撃目標を指揮範囲に収めたうえで、次の活性化で攻撃することになる。そしてそれは、司令部を前線近くまで持っていかなければならないという意味で、非常に危険でもある。

また枢軸軍陣地には、射程2ヘクスの88mm高射砲が支援についているため、射程1ヘクスのマチルダ戦車で接近すると、一方的にアウトレンジ射撃を受けてしまう。そのためCapuzzuo攻略には、第22近衛歩兵旅団の大隊を向かわせ、その側面をマチルダ戦車が固めるという、妙な布陣にもなっている。

対するドイツ第15装甲師団の司令部は、指揮範囲15ヘクスと対応能力が高いものの、迫るイギリス軍が、ぎりぎり指揮範囲外=通常攻撃範囲外だったため、すぐには攻められず。イギリス軍戦車隊も3方向に分かれているため、とりあえずどれも殴れる位置に配置に付かせ、翌日を待った。 

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さて6月16日(第2)ターン。先手イギリス軍は、第4機甲旅団をさらに前進させ、Musaidの陣地に籠もるイタリア軍守備隊司令部と歩兵中隊を攻撃。やはり砲撃と歩兵攻撃で、イタリア軍中隊を蹴散らし、陣地内に突入。イタリア軍司令部を後退させた。Halfaya峠方面では、インド第11歩兵旅団も敵陣を奪っている。しかしCapuzzuoでは、ドイツ軍2/15krd中隊が残り1ステップながらも、イギリス軍2個大隊の攻撃に耐え、これを堅持した。 

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枢軸軍は、先にイギリス軍フォーメーションが動き終わるのを待って、機動予備の第15装甲師団を活性化。イギリス第4機甲旅団を撃退し、Musaidを奪回。しかしイギリス第7機甲旅団との戦闘では、お互いに戦車を消耗し合い、1個大隊を失った。

ならばとドイツ軍は、このターン増援で登場した第5軽装甲師団を投入。二度の活性化にフルで成功した第5軽装甲師団は、Capuzzuoに迫るイギリス軍の側面に到達し、第7機甲旅団司令部と歩兵大隊スタックに砲撃を浴びせた(移動力が足りず、急襲攻撃 Shock Attack とはならなかった)。 

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明けて6月17日(第3・最終)ターン。即座にイギリス軍は、第7機甲旅団のマチルダ戦車隊で、第5軽装甲師団を迎撃したが、逆に撃ちとられ、すべてのユニットを失い、全滅してしまった。返す刀で、ドイツ第5軽装甲師団は、Capuzzuoを攻めるイギリス第22近衛歩兵旅団の後方に回り込み、これを包囲。第5軽の機関銃大隊は、第22近衛旅団の司令部を後退させ、Capuzzuoを攻める2個大隊を指揮範囲外に陥らせた(このままの状態では、各活性化でステップを失っていく)。さらに第5軽装甲師団の戦車隊も、包囲した第22近衛歩兵に、間接砲撃・直接砲撃を浴びせ、そのステップを削った。 

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包囲された第22近衛歩兵旅団は、Capuzzuoから後退(戦術移動によりZOC to ZOC移動は可)。

そしてドイツ第15装甲師団は、イギリス第4機甲旅団を襲い、これも壊滅させて、Halfaya峠から南へ延びる道路まで前進した。これにより、イギリス軍に反撃の手立ては無く、ここでソロプレイも終了とした。

ちなみに、これよりも南西では、イギリス軍支援旅団と、ドイツ軍Wechmar戦闘団(偵察大隊2)が、それぞれの側面を押し引きしていたが、戦闘全体に大きく関与することはなかった。

……とまあ、展開規模としては、史実よりだいぶ小さかったものの、大まかな流れとしてはだいたい合っている線に落ち着くのが、BCSの面白いところ。イギリス軍にしてみると、司令部を前線近くまで出す必要があるが、それを守るほどのユニットは無く、それでいて地形も頼りにならないので、どこから攻められてもおかしくないという厄介な事態に。まあ、実際そうだったのだろうし、BCSの基本でもある『1ユニットをちまちま削るより、1フォーメーション全体を崩す手を使え』を修得するにも良さそうだ。そしてこの1941年の北アフリカ戦から、1944年のバルジ戦(Last Blitzkrieg)に移ると『ずいぶん贅沢な戦争をしているなあ』と感じるかなと。

で「Brazen Chariots」で言うと、ここから先は2~3マップを用いる、より大規模なクルセイダー作戦シナリオとなるので、もう少し腰を据えて取りかかる感じか。と言ってもBCSは、たとえマップは広くても、プレイ感は軽いので、そのうちに……

【The Second World War】「TSWW : Singapore !」Prince of Wales & Repulse

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「TSWW:Singapore !」が到着したので、水上戦の練習シナリオ「Prince of Wales & Repulse」をソロプレイすることにした。なかなかTSWWの本格シナリオには移れないが、なにしろ重たいシステムなので、少しずつ、ゆっくり取りかかる所存。

このシナリオは、マレー沖海戦で撃沈されたイギリスの戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と巡洋戦艦「レパルス」が、もし日本海軍の戦艦と砲戦に及んでいたら?というもの。設定には3種類あり、隻数的に日本軍優位、両軍同等、イギリス軍優位(未完成のライオン級戦艦まで出てくる)とあるが、今回は両軍ほぼ同等な隻数でぶつかり合う設定を選んでみた。ちなみに1941年設定とすると、海軍補正(NEM)はイギリス海軍が+1、日本海軍が+2となり、練度としては日本軍が優勢だが、イギリス軍にはレーダー補正+1が付くので、お互い同等となる。

さてそのイギリス海軍の編成は、戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」、巡洋戦艦「レパルス」、軽巡と言いながら重巡並の砲撃力を持つ「モーリシャス」、逆に重巡と言いながら軽巡並の砲撃力しかない「エグゼター」、そしてニュージーランド海軍の軽巡「アキリーズ」(唯一、白いユニット)、軽巡「ドラゴン」「ダーバン」、駆逐艦4隻、護衛駆逐艦戦隊(DEF)1という陣容である。 

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対する日本海軍は、戦艦(正確には超ド級巡洋戦艦なのか)「金剛」「榛名」、重巡愛宕」「鳥海」「高雄」、駆逐艦9隻という陣容。

両軍を比較してみると、砲撃力・防御力ともに「プリンス・オブ・ウェールズ」が「金剛」「榛名」より優っているが、「レパルス」はその2隻に砲撃力で劣っているという、なかなか微妙なバランス。巡洋艦グループでは、日本軍は砲撃力で優っているものの数では劣り、駆逐艦グループは、日本軍が量で優り、しかも全艦コードL(超距離魚雷を装備しているため、イギリス軍より遠い射程から魚雷攻撃が可能で、命中した場合のダメージも大きい)なので、質的にも日本軍が優位である。

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砲戦を開始する前に、たいした規模のシナリオではないので、ルール13.P.2(選択)「水上機」を導入してみよう。日本軍の戦艦2隻、重巡3隻はすべてコードF(水上機装備)であり、搭載した水上機を砲戦前に発艦させれば、砲撃観測用に使用でき、修正+1が得られる。しかし水上機を甲板に置いたまま砲戦に突入してしまうと、被弾した際に延焼してダメージが大きくなる可能性もある。そこで「砲戦前に水上機を発艦させたかどうか」チェックをするワケだ。

判定の結果、戦艦「金剛」重巡愛宕」「高雄」は、延焼を恐れて、砲戦前に水上機海上へ投棄した。そのため砲撃修正は無し。重巡「鳥海」のみが、砲戦前に水上機の発艦に成功し、砲撃修正+1を得られる。戦艦「榛名」は、発艦も投棄も間に合わず、甲板に水上機を置いたまま、砲戦へ突入することになった。そのため「榛名」は、奇数ヒットを被った場合、追加でクリティカルヒットを被ることになった。

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さて第1ラウンド。両軍とも、戦艦は遠距離(Lomg Range)に留まり、それ以外の艦船は近距離(Short Range)へ前進。イギリス海軍としては、必殺魚雷を抱えた日本軍駆逐艦をさっさと始末したいし、日本海軍としては、砲戦を生き延びた後、魚雷を叩きこみたいところ。

では砲戦開始。まずは両軍戦艦同士の撃ち合いから。遠距離での砲撃力は、✕70%(端数切り捨て)となるため、「プリンス・オブ・ウェールズ」は砲撃力46✕70%=32、「レパルス」は砲撃力26✕70%=18、「金剛」「榛名」は砲撃力38✕70%=26となる。

プリンス・オブ・ウェールズ」は、防御力6の「金剛」に対し+11砲撃と+9砲撃。

「レパルス」は、防御力6の「榛名」に対し+11砲撃のみ(砲撃力1余り)。

「金剛」は、防御力8の「プリンス・オブ・ウェールズ」に対し+11砲撃のみ(砲撃力7余り)。

「榛名」は、防御力6の「レパルス」に対し+7砲撃を2回。

砲撃結果表では、+11砲撃(確実にヒットあり)が最大コラムであり、このコラムにのみクリティカルヒット(追加ヒット、一発轟沈の可能性もあり)が存在する。そのため、夢のある+11砲撃を行うか、それより低いコラムで複数回砲撃を行うかは悩ましいところだが、今回は両軍とも、可能性のあるうちに+11砲撃を叩き込んでおくことにしたが、一番割を食ったのは砲撃力を7余らせた「金剛」である。しかし余った分まで使って2回「プリンス・オブ・ウェールズ」に砲撃するなら、+5砲撃(ヒット確率50%)2回とか、+9砲撃と+1砲撃などになるため、ダイス目が悪ければノーヒットになってしまう。ここはやはり確実にヒットを与えられる+11砲撃に夢を託すしか……(砲撃力の最適分配を計算するほど、自分は緻密なウォーゲーマーではない)

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遂に火蓋を切った、英日戦艦対決。「金剛」は(一撃轟沈の夢のある)+11砲撃を「プリンス・オブ・ウェールズ」に放ったが1ヒット止まり。「榛名」は「レパルス」に対して+7砲撃2回で、着実に2ヒットを与えた。「レパルス」の防御力は6=ヒットポイント4なので、すでに中破となった。

これに対して「プリンス・オブ・ウェールズ」は、「金剛」への+11砲撃で1ヒット、+9砲撃で2ヒット(出目が良かった)を与え、合計3ヒットを負わせた。「金剛」のヒットポイントも4なので、3ヒットを喰らった状態ではもはや首の皮一枚、大破となった。そして「レパルス」は、「榛名」への+11砲撃で1ヒットを与えたが、「榛名」の艦上には水上偵察機が残っていたため、奇数ヒットによる追加クリティカルヒットを判定。これが追加2ヒットとなり、合計3ヒット、「榛名」も大破に追い込まれた。う~ん、これは後世、歴史家やウォーゲーマーから『あの時、水偵を発艦させるか、投棄すれば良かったのに!』と言われるパターン……

ちなみに艦船は、被ったヒットの数だけ、対空力、魚雷力、移動力が低下し、ヒット/ヒットポイントの割合だけ、砲撃力が低下する。「プリンス・オブ・ウェールズ」は、現在1ヒット/6ヒットポイントなので、砲撃力は5/6(端数切り捨て)=38に低下。「レパルス」は、砲撃力2/4=13。「金剛」「榛名」は、砲撃力1/4=9にまで低下している。

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さらに巡洋艦グループ同士の砲戦では、重巡愛宕」が軽巡モーリシャス」に2ヒット/3ヒットポイントを与え、大破に追い込んだ。駆逐艦グループの砲戦は、両軍2隻が1ヒット/2ヒットポイントを被り、中破となっている。

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しかし砲戦に続く魚雷戦では、長距離魚雷装備の日本軍が、通常の雷撃距離(Torpede Range)よりも遠い短距離から、一方的に攻撃。「愛宕」が「モーリシャス」にトドメを刺し、「高雄」は「アキリーズ」を撃沈した。「エグゼター」も「嵐」舞風」に沈められ、イギリス側の駆逐艦4隻も沈められた。恐るべし、日本軍の酸素魚雷……

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こうして第1ラウンドを終えた結果、イギリス海軍は「プリンス・オブ・ウェールズ」は健在なものの、「レパルス」は中破、巡洋艦駆逐艦は壊滅という有様に。逆に日本海軍は、巡洋艦駆逐艦グループは健在ながらも、「金剛」「榛名」は瀕死の状態に陥っている。

第2ラウンド開始時、両軍の戦艦グループは、それ以外の艦船を遮蔽として、離脱を宣言。両軍の戦艦とも離脱判定に成功し、とりあえず生き延びることとなった。しかし後衛となったイギリス軍の軽巡「ドラゴン」以下3隻は、遠距離ゾーンに戻ったものの、残った日本軍艦隊が、雷撃距離へ前進して再び雷撃を行い、これを全滅させたであろう……という結末が見えたあたりで、お開きとした。

まあ、水偵による被害拡大にしろ、遠距離魚雷の威力にしろ、ちょっと誇張が強いようにも感じるが、TSWWシステムで、1941年の日英艦隊が戦うとこのようになるんだなと。先に、こういったミクロ部分の戦闘展開が見えていないと、上位の海軍作戦も立てられないし。まあ、日本軍の雷撃能力が恐ろしいことは分かったので、やはり航空攻撃か潜水艦攻撃で叩くしか。という意味でも、次は空母同士の戦闘を練習したい。