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Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの置き土産

【Wargaming Column】「鉄十字の軌跡」トークセッションとゲームの評価基準

鉄十字の軌跡

鉄十字の軌跡

 

コマンドマガジン主催「鉄十字の軌跡」トークセッションに行ってきた。会場の中野サンプラザ研修室にて、たっぷり2時間「歴史とは何か?」「シミュレーションゲーム批判とは何か?」をテーマに御著者の大木毅氏、鹿内靖氏、司会の高梨俊一氏のお話を聞き、客席から質疑応答も受け付けられ……と書くと何やら堅苦しい感じだが、終始なごやかなムードの中、ウォーゲーム談論を拝聴してきた。トークセッション後は、新宿の中華料理店にて懇親会が開かれ、ここでも約20名によるウォーゲーム話が飛び交い、再び質問タイムありと、有意義な一日を過ごさせていただいた。

当日のトークセッションは、たかさわ氏が会場からTwitterライヴ発信くださったおかげで、来場できなかった皆さんも、発言の一部はご覧になれたかと思う。

Togetter「鉄十字の軌跡」出版記念トークセッション

特に印象深かったのは、鹿内氏が仰られた「ウォーゲームを評価するなら評価基準を明らかにせよ」と云う一言。鹿内さんご自身は「軍事的課題を歴史上の原理を使って解く」ことが ウォーゲームの面白さであり、それが良質なカタチで提示されたゲームが 鹿内さんにとっての面白いゲームである……と仰っていたと思う。そのような基準を明らかにせず、ただ「面白い」「つまらない」と評しても、評者の立ち位置が分からない以上、評価の真意も見えないと。なるほど自分もこの日記で多くのゲームを紹介してきたが、どのような基準で評しているかは、明確にしていない。そこで自分なりの評価基準を表せる、レーダーチャートを作ってみた。

評価基準は6つ。どれが重要と云うことはなく、その全てが高い基準を満たしたうえでトータルバランスを保っている……それが自分にとっての面白いゲームで、逆に言えばアンバランスなゲームの評価は低くなる。まず「テーマとコンセプト」には、鹿内さんが仰る軍事的課題は勿論、出版意図、デザインの出発点、アイデアの斬新さなどが含まれる。「システム」は、ヘクス、エリア、チット引き、積み木等を鑑み、テーマと合致しているか、その他の要素を引き出すに値しているか等、ゲームのトータルバランスに寄与しているかも考慮する。

「ゲームの展開」は、史実の再現性やプレイ時間の長短を含み、史実通りになるのか離れすぎるのか、どれくらい時間がかかるか、なるようにしかならないのか、選択肢の多寡、ランダム性の振れ幅、そしてその展開が面白いのかどうかを評した部分。史実通りになってもつまらない、振れ幅が少なくても面白いゲーム等々。また競技性やプレイバランスの良好さも本項目の範疇に含まれる。

「プレイした感触」は、ルール難易度、プレイアブルさと云った主観評価。「キャラクター性」は、戦闘序列、スペックデータの詳細さよりも、ユニットの個性の出し方、歴史イベントや地名の盛り込み方を包括し、ゲーム全体に魅力的なパーツが散りばめられているかを表している。 「コンポーネント」も、単に豪華であれば良いと云うことではなく、見た目の美しさ、機能的な遊びやすさを見ている。

勿論これは自分基準であり、人によっては三角形や八角形の方、項目に関しても、情報の秘匿性、現実の再現度、競技性を挙げる方、六角形だけどアンバランスなゲームでもかまわない方もいるはず。このような基準を明確にして、今まで遊んだゲームを当てはめると、なぜ自分はあのゲームが好きだったのか、苦手だったのかが分かるので、皆さんも一度「俺レーダーチャート」を作ってみては如何でしょうか? 自分もいろいろな方のチャートが見てみたいものだ。