Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「戦闘技術の歴史1 古代編」

戦闘技術の歴史1 古代編

戦闘技術の歴史1 古代編

 

去年、発売された時から買おう買おうと思っていた「戦闘技術の歴史1 古代編 3000BC-AD500」をようやく購入。本書では、主にギリシア、ローマ時代の戦闘を採り上げ、「歩兵」「騎兵・戦車など」「指揮・統率」「攻囲戦」「海戦」について、それぞれどのような兵種、武具、戦術が用いられたか詳解している。また各章要素が特徴を現した戦いにも焦点を当て、包囲殲滅戦のお手本と言われるカンネー会戦についても、本書では「騎兵・戦車など」が活躍した戦いとして紹介されている。他の戦史書であれば、ハンニバルの作戦能力の高さを謳うところなのだろうが、本書では、ヒスパニアケルト騎兵の馬術の巧みさ、優れた馬具について多く触れ、会戦を大局的に見るより、戦術的ディティールを追究した造りになっている。

たとえば古代戦術級ウォーゲームGreat Battles of Historyシリーズでも、戦象やファランクスには良好な戦闘修整が与えられているが、なぜそのような修整が付されたのか、事細かに教えてくれる一冊だと思う。

続刊として「中世編」「近代編」「ナポレオンの時代編」「東洋編」も出版予定で、
原書シリーズではさらに「海戦編」「植民地時代編」もある模様。一年に一冊でもいいので、是非続けていただきたい。