Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Company Scale System】「Montelimar : The Anvil of Fate」Opening Blows : 11th Panzer Attacks ! AAR

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昨日は、秋葉原イエサブにて、FORGER氏と「Montelimar : The Anvil of Fate」を初対戦。FORGER氏はすでに、前身のGTS(Grand Tactical Series)は御存知だったものの、後発の弟分・CSS(Company Scale System)は未経験ということで、CSSそのもののインストも兼ねて。もっとも、以前も書いたように、GTSCSSは基本的なシステムは似ているものの、微妙な差異も多々あり、むしろGTSのルールが頭に入っている分、先入観が邪魔をして、CSSのルールが入りにくいという場合もある。GTSを知っているからと言って、CSSがすんなり入るわけでもないのだ……

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シナリオは「Opening Blows : 11th Panzer Attacks ! 」を選択。今回は、FORGER氏にCSSでの戦車戦も体験していただくため、両軍とも相手にVP(勝利ポイント)を献上する形で、増援の戦車隊も投入。ドイツ軍担当のFORGER氏は、まず第1(0700時)ターン、第11装甲師団の装甲捜索大隊を一気にMarsanne(ヘクス3635、VP地点であり、アメリカ軍砲兵陣地でもある)へ進ませたが、アメリカ軍(自分が担当)は、M3スチュアート軽戦車中隊とM8装甲車中隊でその前進を遮り、弾幕を張って応戦した。  

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第2(0900時)ターン。ドイツ軍増援の第110装甲擲弾兵連隊が登場。その先鋒は、ガラ空きになったVP地点、Puy S'Martin(5438)へ滑り込み、これを占領。しかし装甲捜索大隊の歩兵中隊は除去され、Bonlieu(3946)付近に展開しようとした師団砲兵中隊は、対砲兵射撃をくらって潰走(いったん盤外へ退出)。また高射砲(要員)大隊の迫撃砲中隊も潰走してしまった。潰走ユニットは、師団司令部ヘクスかその隣接ヘクスに復帰できるが、肝心の師団司令部が登場するのは第5(1500時)ターンなので、ドイツ軍は間接砲撃ユニット無しで戦うこととなった……。

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第3(1100時)ターン。まずアメリカ軍増援の戦車隊が登場。M10駆逐戦車中隊は、Ronyac(4835)に迫ったドイツ軍装甲擲弾兵中隊を潰走させ、M4シャーマン戦車中隊✕2は、Bonlieuの橋頭堡を塞ぐ森ヘクスに布陣。これに対してドイツ軍増援のV号パンター戦車中隊✕2も、対岸の森ヘクスに入り、アウトレンジからM4シャーマンを狙ったものの、被害は無し。  

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第4(1300時)ターン。Bonlieuの橋頭堡を塞ぐべく、M10駆逐戦車もV号パンターと睨み合う森ヘクスに入ったが、さすがに装甲の薄さが災いしたか、V号パンターの射撃一発で除去された。しかしM4シャーマンも、ドイツ軍装甲捜索大隊の八輪重装甲車中隊を除去。そのM4シャーマンが臨機射撃終了となった途端に、後続の第111装甲擲弾兵連隊が渡河して前進。高射砲(要員)大隊は、橋頭堡の背後に迫るフランス国内軍(レジスタンス)相手に戦うという、混沌とした状況のまま、今回はここで時間切れとなった……。

前回のAARでも書いたが、やはり今回も、CSSの戦車戦のおおざっぱな処理が気になった。歩兵戦に関しては、GTS同様、小刻みにダメージが入って行くため、あまり違和感は無いのだが、戦車戦になると急に、無傷か、潰走(盤外へ退出)か、除去(永遠にさようなら)か、という「0か100か」みたいな処理になるのが、アンバランスなような。そう考えると、今現在プレオーダーが始まっている「CSS:Fulda Gap」でテーマとされる1985年の米ソ戦車戦……M1エイブラムズ vs T72も、このような処理なら、あまり面白くないかもなあと感じている。

FORGER氏からは『ドイツ軍のハーフトラックが、単に輸送用のマーカーで、乗車状態で攻撃できないのがどうも……』という意見もあり。たしかにGTSだと、歩兵がハーフトラックに乗ったまま攻撃もできるが、そのような状況を再現するつもりは無いらしい。そういったことも含めて、GTSよりも戦術的ディティールを削ぎ落としたシステムになっているあたりを、良しとするかどうかで評価が分かれるかもしれない。もちろん簡単でシンプルなのは、間違いなくGTSよりCSSなのだが、自分としては、作戦戦術級ゲームファンとして、一般的な作戦級より掘り下げたディティール再現が見たいので…… 

という感じで、徐々にCSSへの評価が下がりつつあるので、今月発売予定の「CSS:Tinian」も、スルーしても良いかもしれない。「Fulda Gap」もテーマは魅力的なのだが、肝心の戦車戦があれだからなあ……(戦闘処理を変更したCSSver2.0が出ることに期待)

【Advanced Squad Leader】Off Board Artillery Access Cards

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非公式グッズながらも、ASL用の「Off Board Artillery Access Cards」(全262枚セット)を購入。いわゆる盤外砲撃カードというやつだ。ASLでは、盤外砲撃を行う際に、まず盤外に存在する砲兵部隊に、砲撃要請が通ったかどうかを判定する。ルールブックでは『黒と赤のチット(またはトランプのカード)を使え』とあり、黒のチットを引けば要請が通り、赤のチットを引いたら要請は拒否……なのだが、あいにくそのチットは、ゲームカウンターとしては用意されておらず、自分で準備するしかない。そこで世界各地のASLerが、チットやカードを自作し、その一部はネット上でも無料公開されている。

このカードセットも、トランプでは満足できないようなASLer向けに作られている。ただ、セット自体は数年前に売り切れたらしく、今回はネットオークションのセカイモンを通じて、本来の定価40ドルよりも、倍近い値段で購入することになった。まあ、実際のプレイにも使いやすそうだったので、納得の出費である。ただ、すべてのカードをスリーブに入れたら、この箱には入りきらないだろうなと……。

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こちらが迫撃砲用カード。60mmが15枚(黒11枚/赤4枚)、70mmが13枚(10/3)、80mmが15枚(11/4)入っている。裏面には、通常の火力と射撃範囲はもちろん、撹乱砲撃(ルールC1.72 火力は1/3だが範囲が2倍)や、弾幕(ルールE12)も記されている。さらに、着弾したヘクスに瓦礫が生じる可能性や、地雷や鉄条網を除去する可能性も書かれているのが、とても便利だ。 

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こちらが野砲カード。60mm✕12枚(8/4)、70mm✕15枚(11/4)、80mm✕13枚(10/3)、100mm✕15枚(11/4)、120mm✕14枚(10/4)、150mm✕15枚(11/4)、200mm✕15枚(11/4)。150mm以上になると、弾痕の発生や、壕の除去についても記述がある。

盤外砲撃は、各国軍によって黒/赤カードの比率が決められており、一番カード枚数が多い国=アメリカ軍では、黒10枚/赤3枚となっている。ただし、弾薬が豊富な場合に黒1枚追加、計画砲撃でも黒1枚追加なので、それを足しても、これだけの枚数が用意されていれば、十分対応できると思う。

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こちらがロケット砲カード。80mm✕10枚(7/3)、100mm✕15枚(11/4)、120mm✕10枚(7/3)、150mm✕15枚(11/4)、200mm✕14枚(10/4)……のはずだが、ここでアクシデント!なんと120mmカードが4枚足りず、その代わり、200mmカードが余計に4枚入っていた。まあ、印刷コピーすれば何とかなるが、一応、制作元がカスタマーサービス的な窓口を設けていたので、足りないカードを送ってくれるかメールしてみた。さて、どうなることやら……

※11/16追記:仲介業者から欠品していたカード4枚が到着。やれやれ、一安心。

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こちらが艦砲射撃カード。100mm、120mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、各7枚(5/2)ずつ。

実は、各カード表面のイラストを並べて見てみると、なんとなく色合いが違って印刷されているカードもあるので、カードは見ずに引くのが良いようだ。とは言え、実用面では十分だし、先日購入した車両・砲兵器カードと併せて、これからのASLプレイに役立ってくれそうだ。

【Advanced Squad Leader】J155「It's Hardly Fair」Solo-Play AAR

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引き続き、ASLの隠匿ソロプレイを練習中。せっかく「Yanks 2nd」を買ったので、次はアメリカ軍が登場するシナリオで試すことにした。選んだのは「ASL Journal #10」収録のシナリオ、J155「It's Hardly Fair」。お題は1944年9月20日、マーケット・ガーデン作戦で降下したアメリカ第82空挺師団に対し、寄せ集めのドイツ軍戦闘団が攻めかけるというもの。 「GTS:The Devil's Cauldron」で言えば「A Near Run Thing」シナリオなのだが、あれをプレイしたのがもう8年前とは……

勝利条件は、アメリカ軍がある程度の損害に抑えつつ、ゲーム終了まで石造建築物を守ること。守るアメリカ軍は、7-4-7空挺分隊✕7個だが、うち3個分隊を3-3-7半個分隊✕6個に展開し、広く配置した。またバズーカ砲✕2とMMG(中機関銃)は、どの分隊が持っているか記録したうえで、盤外に留め置くことも可能。ソロプレイではあまり意味が無いが、一応そういう体でやってみる。また57mm対戦車砲は、後方の村内に配置と。

一方、攻めるドイツ軍は、5-4-8降下猟兵✕3、4-6-7一線級分隊✕5、4-4-7二線級分隊✕4、4-3-6徴集兵分隊✕3と、いかにも寄せ集め感がある。車両も、捕獲シャールB1戦車、捕獲ルノーR35戦車、75mm砲装備251/9装甲車(シュツンメル)、37mm自走対空砲(メーヴェルワーゲン)と、まさに「ラスト・オブ・カンプフグルッペ」的な陣容だ。今回は、二線級分隊+徴集兵分隊+捕獲戦車✕2を、第一波の斬り込み役(消耗部隊とも言う)とし、アメリカ軍の隠匿を引き剥がした後に、それ以外の主力を投じてみる。 

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第1ターン。ドイツ軍が盤内に進入するが、シナリオルールで第1ターンでの急速歩移動が禁じられ、車両もすでにその半分の移動力を消費したものとされている。そのためドイツ軍の初動は鈍い。それでもB1戦車とR35戦車は、アメリカ軍隠匿スタックに接して射撃を行い、その隠匿を剥がそうとしている。もちろんアメリカ軍の中にはバズーカ砲を持っている分隊もあるはずだが、多少の損害は受ける覚悟で。ドイツ軍左翼は、すでにZ9石造建築物のアメリカ軍空挺半個分隊を除去し、これを占拠している。

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第2ターン裏。後方に控えていたアメリカ軍空挺分隊が、B1戦車に近づき、バズーカ砲を発射。これがB1戦車の側面に命中し、撃破・炎上となった。この後『9月の麦畑を迂回移動中の車両が炎上した場合、延焼の可能性は……』とルールをしばし読み込むハメに。 

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第3ターン表。ドイツ軍は、右翼に戦力を集め、メーヴェルワーゲン自走対空砲(写真では移動モードだが、実際には裏面の射撃モードに転換していた)と75mm装甲車シュツンメルもそちらへ向かわせたが、臨機射撃で、やはりバズーカ砲を持ったアメリカ軍空挺分隊が正体を現し、正面からシュツンメル装甲車を撃破・炎上。おのれとばかりにメーヴェルワーゲンが37mm対空砲を水平撃ちしたが、アメリカ空挺兵の士気は高く、ドイツ軍歩兵が放つパンツァーシュレックの攻撃にも動じなかった。また中央でR35戦車から射撃を受けていたアメリカ軍MMG分隊は、士気DR2=戦渦⇨ヒーロー(1-4-9)登場となっている。

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第3ターン裏。アメリカ軍右翼のバズーカ砲兵が、ドイツ軍8-1指揮官もろともLMGスタックを全除去。左翼でもバズーカ砲兵が、メーヴェルワーゲン自走対空砲を吹き飛ばした。しかし中央のMMGが故障し、アメリカ軍はじりじりと後退中。

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第4ターン。ここまでドイツ軍は、回復DR12=損耗=半個分隊除去を3回出し、まるで自滅するかのよう。さらにヘクスV3建物に隣接した2個分隊がパンツァーシュレックで大火力射撃を加えたものの、これまたDR12でパンツァーシュレックも失われた。 

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第5ターン。ドイツ軍は、9-1指揮官に率いられたMMGスタックによる白兵戦で、空挺半個分隊+8-1指揮官を蹴散らし、中央突破。村を見渡せる位置にMMGを据えた。しかし優勢かと思われたドイツ軍右翼は、ヘクスV3に立て籠もる半個分隊を処理できず、ことごとく返り討ちに遭って後退。R35戦車も、アメリカ軍の57mm対戦車砲を警戒して村に入れずにいる。結局、最終ターンを待たず、これにてアメリカ軍勝利と相成った……。

二重人格的な隠匿ソロプレイ、なかなか興味深い。どこにアメリカ軍のバズーカ砲兵がいるのか、自分で分かっているのだが、心の中で『しかしもしこれが隠匿対戦だったら、俺はこの戦車をこうするはず』と考えて移動させ、バズーカ砲を喰らって撃破されるのも、なぜか楽しい。まあ今回のシナリオは、迂回路も少なかったため、車両が通れそうな箇所はある程度特定できたので、待ち伏せもしやすかったかも。

そして「Yanks 2nd」のカウンターは、印刷がきれいだなあ! 

【参考文献】Samuel.W.Mitchman Jr「The Panzer Legions」

The Panzer Legions: A Guide to the German Army Tank Divisions of World War II and Their Commanders (Stackpole Military History)

The Panzer Legions: A Guide to the German Army Tank Divisions of World War II and Their Commanders (Stackpole Military History)

 

神保町の古書店で「The Panzer Legions」をワンコインで発見したので、つい購入。第二次大戦時のドイツ国防軍装甲師団について、その経歴、指揮官、文献がまとめられている。武装SS装甲師団は除外。一応、各装甲師団の遍歴を簡単に調べるには良いが、と言っても、所詮は概説なので、詳しい戦闘状況を知ろうとすると物足りない感じ。まあ、そういった詳細が知りたい人向けに、各師団ごとの文献が載っているわけで、あくまでも入口的なガイドブックか。

【参考文献】Samuel.W.Mitchman Jr「Rommel's Desert Commanders」

Rommel's Desert Commanders: The Men Who Served the Desert Fox, North Africa, 1941-42 (Stackpole Military History)

Rommel's Desert Commanders: The Men Who Served the Desert Fox, North Africa, 1941-42 (Stackpole Military History)

 

神保町の古書店で「Rommel's Desert Commanders」をワンコインで発見したので、つい購入。サブタイトルの「ロンメルに仕えた男たち」通り、北アフリカ戦を概説しながら、エルウィン・ロンメル元帥本人ではなく、その麾下にあった将軍たちにスポットを当てている。初版は 2007年なので、意外と新しい。と言って実際、新しい知見が得られるかは分からないが、そのうち読んでみよう。

【Advanced Squad Leader】KGS17「Schwarzer Freitag」Solo-Play AAR

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先日購入したASLのヒストリカル・モジュール「Kampfgruppe Scherer」の「Player's Guide」からシナリオ17「Schwarzer Freitag(黒い金曜日)」をソロプレイしてみた。このシナリオは、1942年2月13日金曜日、ホルムの街の最南端に、ソ連第391歩兵師団が、マチルダII型戦車を伴って歩戦共同攻撃をかけるというもの。ソ連軍は、7ターンまでに、指定の建物と街区を占領するか、地図盤から突破するか、ドイツ軍の分隊ユニットを殲滅すれば勝利する。

攻めるソ連軍には、マチルダII戦車✕3輌があるが、深雪(ルールE3.73)のため、貧弱なトランスミッションルール(ソ連軍の多用途車両・項目M)が適用されたうえ、直接射撃を受けた場合、移動不能チェックを行う(「Hakkaa Päälle !」収録のH29Eページ、Matilda II(b)の項目を参照)。またそのうち1輌のマチルダIIは、45mm対戦車砲を牽引して登場。さらに5-2-7分隊✕2個は、スキーを装備。それ以外のユニットは、深雪の影響を受け、移動ペナルティが課せられる。つまり通常よりも、前進しにくいということだ。

守るドイツ軍には、対戦車兵器が37mm対戦車砲と爆薬しかない。37mm対戦車砲では、致命的命中でも出ない限り、マチルダIIの装甲を側面からでも撃ち抜けないが、とりあえず命中さえすれば、移動不能チェックをするのだから、当てるだけでも意味がありそうだ。

また今回はソロプレイながらも、隠匿マーカーありでプレイしてみた。もちろん自分で配置しているのだから、どこに何があるかは分かっている。それでも自分を二重人格的に機能させ、ドイツ軍にはダミースタックも配置し、それが分からない体で、ソ連軍を攻めさせることにした。実際やってみると、ずらりと並んだ「?」マーカーを前にして、攻撃経路を考えるところからして、もう面白い。元々、隠匿マーカー使用が前提のゲームなのだから、ソロプレイとは言え、本来の姿により近づいたということだろう。 

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さて第1ターン。ソ連軍は、勝利条件に関わるPP53-QQ54の建物(丸い青マーカーが置かれている)周辺に主力を投じ、北には助攻・陽動部隊を送り込んだ。主力部隊の斬り込み役であるマチルダII✕2輌は、「?」マーカーが載っているスタックに対してオーバーランかまし、隠匿マーカーを引っ剥がした。いくつかのダミースタックを見破った結果、どうやらドイツ軍は、第一線には二線級分隊(4-4-7)や、徴集兵分隊(4-3-6)を配置し、後方の第二線に主力を置いていると分かった。ドイツ軍は、最初の第一撃で、このようなマチルダIIによる接近攻撃を避ける意味もあって、主力を下げたようだ。北では、もう1輌のマチルダが、すぐに45mm対戦車砲を下ろしている。

この初動に対し、ドイツ軍は37mm対戦車砲で応戦し、マチルダIIに命中弾を与えたものの、移動不能チェックはクリア。それでもソ連軍の快速スキー部隊は混乱させている。 

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第2ターン表。ソ連軍の攻撃により、早くもQQ53(丸い赤マーカー)が陥落。PP54に立て籠もるドイツ軍徴集兵分隊も混乱し、もはや建物は風前の灯火。 

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第2ターン裏。MM55ヘクスで混乱していたドイツ軍一線級分隊(4-6-7)が、回復でDR2を出し、戦渦によって凶暴兵化(4-6-10)した。この凶暴兵は、目前のマチルダII戦車めがけて突撃し、臨機射撃で半数を打ち倒されつつも、半個分隊で白兵戦を挑みかかった。この白兵戦DRはなんと3で、危うく成功かと思われたが、機動中の車両に対する白兵戦DRには修整+2が付く(ルールA11.51)ため、マチルダはすんでのところで難を逃れた。戦車はなるべく止まらないように……

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第3ターン。ソ連軍は、QQ53に続き、PP54建物ヘクスも占領。ドイツ軍の頼みのMMGは故障。凶暴兵分隊も、このターンに射撃で除去された。

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第4ターン。激戦ゆえか、双方の支援火器・火砲がことごとく故障している。ソ連軍の快速スキー部隊は、前線で射すくめられ、いまだDM(動揺)状態だ。

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第5ターン。ドイツ軍MMGは修理されたものの、それを率いる9-1指揮官スタックが、マチルダからの射撃を受けて混乱。後方へ退避した。37mm対戦車砲の操作班も、マチルダに撃たれて混乱。北では、瓦礫ヘクスに陣取るドイツ軍LMGスタックが、ソ連軍を寄せ付けずにいる。また、ソ連軍スキー部隊を指揮していた8-0指揮官が、ようやく動き出した瞬間、臨機射撃を喰らって除去された。

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第5ターン裏。瓦礫ヘクスで指揮を執っていたドイツ軍8-1指揮官が、士気チェックでDR12を出し、負傷チェックにもしくじり、除去。すでにドイツ軍戦線は、ずたずたになりつつある……

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第6ターン表。再びドイツ軍が回復DR2を出し、また凶暴兵かと思いきや、戦渦DR12を出してしまい、あえなく戦意喪失。この分隊に、ソ連軍がすぐさま隣接し、捕虜マーカーに変換した。回復した37mm対戦車砲は、隣接ヘクスまで攻め込んできたマチルダ戦車に対して発砲したが、命中弾は無し。結局、3輌のマチルダは、移動不能にも陥らず、兵装が故障することもなく、シナリオ終了まで活躍した。

ゲーム的には、あと1.5ターン残っていたが、ここで時間切れ終了。ソ連軍は、北の瓦礫ヘクスに陣取っていたドイツ軍LMGスタックも除去し、45番街区への突破口を大きく開いているが、あと1.5ターンで45番街区を占領できるかは微妙なところだ。

今回は、まだ慣れていなかったが、やはり隠匿ルールを使うと、面白さのレベルが上がった気がする。妙な話だが、ソロプレイでも、意外に隠匿ルールが楽しめた。自分で配置したユニットの位置を、いったん忘れるのも、案外と簡単だった。そのあたり、自分の記憶力の悪さが、良い意味で機能しているかもしれない。引き続き、隠匿ルール込みのソロプレイを続けてみよう……

【Advanced Squad Leader】「Hatten in Flames」

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発売されたばかりのASLヒストリカル・モジュール「Hatten in Flames」を購入。お題は、1945年1月、フランス・アルザス地方で行われたドイツ軍の冬季攻勢ノルトヴィンド(北風)作戦において、ハッテン(Hatten)という小さな街を巡る一連の戦闘をASLシステムで再現するというもの。攻めるドイツ軍は、第25装甲擲弾兵師団を先鋒に、第21装甲師団、第352火炎放射戦車中隊が続く。守るアメリカ軍は、第42歩兵師団、後に第14機甲師団が登場。両軍による砲撃や、近距離での戦車戦によって街の建物の多くが崩壊したそうだ。Googleで検索すると、隣のリッターズホーフェン(Rittershoffen)という村とハッテンの戦闘でひとくくりにされている。

ASLに関しては、基本的にコアモジュールだけ揃えて、ヒストリカル系は見て見ぬ振りをしているが、先日買った「Kampfgruppe Scherer : The Sheild of Cholm」同様、こちらも冬季戦仕様の地図盤だったので、ついつい手が出てしまった……反省。 

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こちらがその冬季戦仕様の地図盤。この雰囲気につられてしまった……

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カウンターシートは、1.5枚。特に変わったユニットが追加されているワケでもない。キャンペーンゲームに登場させられる両軍の戦闘序列を見ても、目を惹くのは、ドイツ軍のヘッツァー火炎放射戦車ぐらいか。ある意味、オーソドックスな戦力同士で戦える状況だし、特別ルールもほとんど無いため、ヒストリカル・モジュールとしては、かなり敷居が低いと思う。

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シナリオは8本収録。キャンペーンゲームは2本収録。総じて、これくらいの規模なら、キャンペーンゲームも可能なんじゃないかと思わせるサイズ感が良い。まあ、先日の「Kampfgruppe Scherer : The Sheild of Cholm」もそうだが、どうしてもヒストリカル・モジュールは死蔵しがちなので、いずれ長期間、取り組む機会を作りたい。とりあえずは小規模シナリオからだが……