Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

SPI Strategy & Tactics #74 「Ney vs Wellington : The Battle of Quatre Bras June 16, 1815」

f:id:crystal0207:20230306081521j:image

ネットオークションにて、SPIのStrategy & Tactics誌74号(1979年発売)を購入。付録ゲームは「Ney vs Welligton」(和訳付き)。先日購入した「Wellington's Victory」と同システムで、ワーテルロー戦の前哨戦、カトルブラ会戦を再現するもの。そう、どうせなら両方欲しいと思って買ってしまった。一応、このゲームシステムではもう一点、アメリカ独立戦争のモンマス会戦を扱った「The Battle of Monmouth」(S&T誌90号、1982年発売)も出ているが、そちらはテーマ的に守備範囲外ということでスルー。

f:id:crystal0207:20230306081525j:image

フルマップ1枚弱に戦場が収まっているので、このシステムを練習するには良い感じ。ほぼ同スケールの「La Bataille le des Quatre Bras」と比べると、本作の方が若干、戦場範囲が狭いが、主戦場部分はきっちり収まっているので、特に問題はないような。

f:id:crystal0207:20230306081529j:image

f:id:crystal0207:20230306081532j:image

カウンターシート総数は255個。両軍とも戦闘ユニット数は50~60個程度に収まっている。しかしTSR版「Wellington's Victory」の光沢カウンターを見た後に、こうしてSPI版の艶の無いマットなカウンターを見てみると、やっぱりSPI版の方が渋くて良いなあと思ってしまう。自分も、さほどSPIファンではないけれど、この当時のSPIの、独特な印刷クオリティに惹かれるファンがいるのはわかる。近年、SPIのウォーゲームが今風の印刷物として再版されても、元版のインクの匂い等々を求めてしまうんだよね。

f:id:crystal0207:20230306081537j:image

f:id:crystal0207:20230306081541j:image

f:id:crystal0207:20230306081545j:image

f:id:crystal0207:20230306081549j:image

本誌には、カトルブラ戦の歴史記事の他、各ユニットの解説も載っている。

このSPI版ルールと、TSR版「Wellington's Victory」のルールをざっと見比べてみると、TSR版の方が記述が多かったり、SPI版には無いケースナンバーが増やされているので、恐らくTSR版には明確化・改訂されたルール等が追加されているのだろう。そういう意味では、TSR版ルールを訳してこの「Ney vs Welligton」をプレイした方が良い気もするし、とりあえず和訳のあるSPI版ルールでプレイして、曖昧なルールにぶち当たったら、TSR版を参照する、でもいいかもしれない。

※追記:……と思ったら「Wellington's Victory」のルールにSPI版とTSR版では差が無く、「Ney vs Welligton」には省略されたルールが添付されているとの情報。ややこしいなw

ちなみに1979年発売号なので、当時の新作ニュースとしてWWII北アフリカ戦の伝説的ビッグゲーム「The Campaign for North Africa」や、スターウォーズ風味の「Freedom in the Galaxy」の広告が載っている。自分はその世代ではないけれど、このあたりの、1979年という年に郷愁をそそられるウォーゲーマー諸氏も多いのだろうなと。