Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Musket & Pike Series】「Musket & Pike Dual Pack」

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こちらもクロノノーツゲームさんから購入した、GMTの新作というか再販「Musket & Pike Dual Pack」。すでに品切れとなっている、近世戦術級 Musket & Pikeシリーズの第一作「This Accursed Civil War」(清教徒革命)と第二作「Sweden Fights On」(三十年戦争グスタフ・アドルフ死後のスウェーデン軍の戦い)を2in1にしたもの。

自分も2002年に「This Accursed Civil War」を、2009年には「Sweden Fights On」を購入し、どちらもプレイしたものの、悲しいことにその後お金の無い時期に突入したので仕方なく売り払ってしまった。まあ、こうして再び手にできて良かった良かった。また、どちらも初版はユニット表記などに間違いが多く、訂正ユニットと交換する必要があったので、こうしてイチから刷新された方が良かったなと。

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シリーズ・ルールはver7.0となっているが、自分の手元にあるver5.0の日本語ルール(以前クロノさんで公開されていた)と見比べても、さほど大きく変更されているようには見えなかった。たぶん細かい修正や明確化が反映されているのだろう。またGBoHと同様、こちらのルールブックもフルカラー化されている。

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こちらが「This Accursed Civil War」用の地図盤、フルマップ3枚。うち2枚は両面印刷で、清教徒革命での7つの戦場が描かれている。「This Accursed Civil War」初版に含まれていた5つの会戦に加えて、後にC3i誌で発表されたチェリトン会戦、さらに新規の?クロプレディ橋での戦いが含まれている。アートワークは初版と変わらないように感じたが、地図盤の紙質が、良い意味でざらざらとした感触の、まさに近世会戦級にふさわしい雰囲気のある作りになっている。この処理、GMTの地図盤では初めて見たけど、他にもこの手の作りの地図盤ってあるんだろうか?

ちなみに「This Accursed Civil War」の中では、2010年に(もう12年も前かー)マーストン・ムーア会戦をソロプレイしている。議会軍のテルシオ型2ヘクス歩兵と、王党派のマウリッツ型1ヘクス歩兵という、隊形の違いが上手く表現されていたのを覚えている。

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こちらは「Sweden Fights On」の地図盤、両面印刷のフルマップ2枚。

「Sweden Fights On」も2010年にヴィットストック会戦をソロプレイしている。こちらはスウェーデン軍の2ヘクス歩兵ユニットが、森と丘という障害物を越えつつ接敵するという、隊形的に難しい運用を迫られたのが印象的。

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そしてこの「Dual Pack」は単なる再販ではなく、ユニットのアートワークが一新された形になっている。旧版では、GMTの会戦級ゲームでよく見られる歩兵のイラスト姿だったのが、この新版では、近世の絵画風にテルシオ隊形や散兵をそのまま描く形になっている。どっちが好みかと言われると微妙なところだが、これ実際、地図盤に配置してみたら、戦場絵画的に見栄えがするのかもしれない。

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2ヘクス歩兵も微細に描き込まれているが、なにせ老眼が入ってきたので、ちゃんと読み取ろうとすると目眩が……(^_^;)

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命令カウンター等を配置するシナリオカードもフルカラーで装備。「This Accursed Civil War」「Sweden Fights On」併せて12の会戦が入っているのでお得感もある。

しかしここまで意匠を変えてきたからには、他のシリーズ作「Gustav Adolf the Great」等もこの形で再販すればいいのに。シリーズとしてはあと4作あるので、2個イチずつ再販するという手もあるけれど、正直、あまり人気の無かったシリーズだったからなあ(当時売れ残っていて安売りされていた)。ゲームとしては、指揮ルールはシンプル、戦闘は詳細、というバランスが好きだったので、新たなユニットを並べて見たらどう感じるか、また試してみないとなあ。