Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Levy & Campaign】「Nevsky」Self-Studying

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先日ちょっと触れてみた中世戦役級ウォーゲーム「Nevsky」、予想以上に計画性を要求されるゲームだと分かったので、再度ルールを読み直すことに。個人的には、こういった論理的かつ戦略的なゲームは苦手。むしろチットを引いて手番が来たらとりあえず場当たりでプレイするような(つまり事前の計画性があまり求められない)ゲームが好きなので、「Nevsky」は非常に苦手なタイプなのだけれど、だからといって一度軽く触れただけで敬遠するのももったいない面白さも感じている。

ということで、前回触れた「Pleskau 1240」シナリオの、チュートン騎士団側だけ配置して、どう動かせばいいのかを考える自習タイムへ。

そもそも各ターン終了時に、各君主の手元に物資(輸送手段、糧食、硬貨、戦利品)が2以上残っているとそれは過剰分として処分するため、ターン中にあれこれ増やしても、次ターンにはほとんど持ち越せない。あくまでもそのターンに徴収したものだから、領民に返すイメージ。なので、ターン中にいかに増やして、いかに効率よく消費するか、というのもシステムの御作法として身につけたいところ。

しかし前回のソロプレイは、2ターンで軍役を終えてしまう追放者ヤロスラヴが帰ってしまう前に早めに使ってみたが、命令値2の君主では、たいしたことはできないと分かった。ヤロスラヴの命令カード3枚を1ターン中に全部使っても、命令値2×3=6アクションしか行えない。やはりなるべく命令値の高い君主をフルに回して(命令カードを3枚入れて)、それ以外の君主は控えとした方が良いようだ。

さらにヤロスラヴは軍役値(Service)が1しかないため、各ターンの徴集フェイズで物資を1しか集められない。この軍役値が高ければ、家臣を召集し、荷馬車を増やし、糧食も増やして……が出来るのだが、そのうち1つしか行えない。このあたり、君主のキャラクター性も見えてくると、こいつは事前準備ができない子なんだなとか、あまり動かさなくていいんだなと分かってくる。

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それに対して総司令官ヘルマンの命令値は3なので、命令カード3枚を投入すれば、1ターン中に3×3=9アクションが行える。命令値の1差は結構大きい。軍役値も3あるので、家臣を召集して軍勢を増やし、荷馬車を追加し、糧食も追加し……ということが事前にすべて行えるわけだ。

ある意味、第二次世界大戦ウォーゲームで言うなら、命令値3の君主が装甲師団で、命令値2の君主は歩兵師団みたいなものか? 命令値3の君主をガンガン動かして相手の拠点を攻め落とし、そこを征服したら命令値2の君主を入れて守らせるとか?(WWII脳)

とりあえず命令値3の君主をフル活用する(命令カードを3枚全部入れる)前提で、余った枠で、それ以外の君主をどう使うかを考えてみよう。

とは言え、命令値2のデンマーク大公は、軍役値も3あるので、事前準備ができる子。と言うか、追放者ヤロスラヴが出来なさすぎるだけか。デンマーク大公は海路、ロシア沿岸を狙える位置にあるので、海兵隊的にロシア側の砦を襲うチャンスがあるなと。ロシア側の砦は、守備隊として歩兵1個がいるだけなので、敵方の君主がいなければ、6個以下の軍勢(糧食の消耗が1で済む)だけでも攻め落とせるかな。

ただし海路だと、1騎馬ユニットごとに海上船2が、1糧食ごとに海上船1が必要になるため、それなりの軍勢を送り込む場合、結構な数の海上船が必要になる。ここは前回も使った「1海上船を2個分として計算する」能力カードを与えたいところ。もちろん陸路侵攻する手もあるし、ロシア側に海から来るか、陸から来るか、警戒させる役割も果たせるのかなと。

 

とは言えこれは、チュートン騎士団側の行動だけを切り取って考えているに過ぎない。実際のゲームでは、交互に双方の命令カードが起動するので、盤面を見つつ、誰から動かすのか、何からさせるのかも計画しておかないといけない。そういった計画性という意味では緻密なシステムでもあるし、最初の見通しが立つまでは、ある程度プレイを経験するしかないかな。

逆に言えば、経験を積み、見通しの立ったプレイヤー同士なら、お互いの手を読みつつ戦略計画を練り上げる形で対戦できそうだし、それはそれで面白そう。なかなかその熟練の域に達するのは時間がかかりそうだが、大枠が理解できれば他のシリーズ作にも対応できそうだし、なんとか習熟してみたいと思う。