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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【Levy & Campaign】「Nevsky」Pleskau 1240 Introduction Solo-Play AAR

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先月購入した、中世戦役級シリーズ「Levy & Campaign」第1弾「Nevsky」をいよいよソロプレイすることに。まあ、手札や軍勢を隠してプレイするゲームでもあるので、あまりソロプレイ向きとは言えないが、なにしろ独特なシステムなので、まずは自分一人で動かしてみないと理解できないなと。

とりあえずキャンペーンの最序盤(1240年夏~冬)だけを扱うシナリオ「Pleskau 1240」を並べてみた。このシナリオでは、チュートン騎士団側の侵攻を扱い、ロシア側の主役であるノヴゴロド大公アレクサンドル・ネフスキーは登場しない。

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ちなみに各君主マットには、軍勢トークンとカウンターの両方を置いてみた。どちらかだけでも問題は無いが、どの兵科トークンがいくつ攻撃ヒットを与えられるのか、いくつ防御ダイスを触れるのか、まだ頭に入っていないので、備忘録的に数値を記したカウンターも置いてみた。

まずは第1(1240年夏その①)ターンの徴集(Levy)フェイズから。両軍とも2枚ずつ「戦争術(Art of War)」カードを引き、カード下半分に書かれた能力を各君主に割り振っていく。チュートン騎士団は、最高司令官であるドルパ司教ヘルマンに、歩兵の射撃戦能力を高める能力を付加した。対するロシア側は、プスコフの領主ガヴリロに、騎士を持つ場合に命令値が高まる能力を付加。

続いて両軍とも、新たな君主の召集チェック。しかしチュートン騎士団は、ヴェンデンの城主、ルドルフ・フォン・カッセルの召集に失敗。彼の登場は次ターン以降に持ち越された。対するロシア側は、ノヴゴロド民兵指揮官(トイシャツキー)ドマシュを召集。これにて第1ターンは、両軍ともに君主3人ずつで対峙することになった。

さらに各君主は、各自の統治値(Lordship)の数だけ、徴集アクションを行える。召集アクションで行えるのは、家臣、輸送力、能力の徴集。とりあえず各自、軍役期間が長い(それだけ長く戦争をしてくれる)家臣を召集して軍勢を増やしたが、各君主の軍勢コマが7個以上になると、行動した後に消費しなければならない糧食が2になってしまうので、ただ単に軍勢を増やせばいいというものでもない。また各君主は、持っている資源が過重状態にならないよう、輸送手段も追加した。

さらに余った統治値で能力カードを(ランダムではなく自分で)選んで、各君主に追加。チュートン騎士団は、教皇の特使を派遣して君主を召集できる「モデナのウィリアム」を選んで総司令官ヘルマンに追加。海路を進む予定のデンマーク大公には、嵐を乗り切れるカードを追加。ロシア側は、民兵軽騎兵も射撃可能になる「弓兵(ルチニキ)」をラドガの領主ヴラディスラヴと、ドマシュに追加。各君主は、2枚までこの能力カードを追加できるが、実際どのカード能力を添付すればいいのかは、まだ全然わからない。また能力として追加したカードの上半分に記されていたイベントは発揮できなくなるので注意と。

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さらにこの後、高権威(Higher Authorities)による動員令が発動され、先ほどカードとして選んだ教皇の特使「モデナのウィリアム」のポーン(紫)が、フォン・カッセル候の本拠地ヴェンデンに配置された。これで次ターン、チュートン騎士団側はダイス判定無しで、自動的にカッセル候を召集できる。つまり『教皇様のご命令である。直ちに出陣せよ』『ははーっ』ということに。

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事前準備の徴集フェイズは終わり、ここから実際に盤上でコマを動かす戦役(Campaign)フェイズへ。この第1ターンは夏なので、行動する時間が多くあるため、両軍とも命令カード6枚を使用できる(冬は4枚、泥濘期は5枚)。とりあえず両軍とも3人の君主がいるので、2枚ずつカードを選び、2回ずつ行動させることに。しかし平均的に割り振る必要もなく、行動させるべき君主を行動させ、行動しなくてもいい君主は動かさなくてもいいのだが、それが実感できたのはゲームを進めてからのことだった……

そして先手チュートン騎士団から命令カードをプレイ。まず追放者ヤロスラヴの軍勢が指揮値2を用いて移動2を行いイズボルスクへ侵攻。これに対してロシア側は、ノヴゴロドにいたドマシュを応援に向かわせたが、過重状態のため、移動1しか行えず。さらにチュートン騎士団は、総司令官ヘルマンもイズボルスクへ送り込み、追放者ヤロスラヴと合流させた。総司令官ヘルマンは、指揮値が1余っていたので荒廃アクションも行い、イズボルスクの街から糧食カウンター1をもぎ取った。またデンマーク大公は、海上船を2隻分とする能力カードがあるため、騎士3個、騎兵1個を含む大部隊でルガへ上陸。これに対してロシア側のヴラディスラヴは、陸路から接近……というのが、この第1ターン前半の命令カードのやりとりになる。

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さらに命令カードプレイが続く。追放者ヤロスラヴも荒廃アクションを行って糧食を調達。ドマシュの軍勢は遅々として進まず、チュートン騎士団側の総司令官ヘルマンはイズボルスクに攻囲(Siege)マーカーを配置した。プスコフの領主ガヴリロは、隣街のイズボルスクが襲われているものの、単独で攻め込むのは無理とばかりに行動をパス。だったらガヴリロの行動カードはデッキに入れず、他の君主の行動カードを入れれば良かったのに思っても後の祭り。事前に計画したこのターンの行動カードデッキは変更できない。そしてデンマーク大公は、リガに上陸したものの、大部隊を食わせるメシが無く、こちらも荒廃アクションを使って糧食を調達。だったらもっと事前に糧食をかき集めてから上陸すれば良かったのにと思っても、やはり後の祭り。なかなか計画性が求められるシステムではある。そんなリガへ、ラドガの領主ヴラディスラヴが到着。デンマーク大公との間に会戦の火蓋が切って落とされた。

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とは言え、デンマーク大公の軍勢は騎士3、騎兵1、歩兵5となかなかの陣容。対するラドガ軍は、騎兵1、歩兵2、軽騎兵1、民兵1と頼りない。そして会戦は防御側先攻なので、まずデンマーク大公軍による射撃により、ラドガ軍歩兵1が除去。ラドガ軍も弓射撃を行ったが、装甲の堅いデンマーク騎士部隊がそのヒットを受けて立ち、防御ダイスでそれを打ち消してしまった。それに続く白兵戦では、デンマーク軍による攻撃ヒットをラドガ軍が打ち消しきれず、吸収しきれず、あっという間に壊滅。なるほど、もし戦力を秘匿した状態でプレイしたらこういうヘタも打つんだな、そしてこのゲームでの会戦はこう進めるんだな……と理解したところで、今回のソロプレイはここまでとした。

まあ、長々と書いたが、これでまだ1ターンしか進めていない。今回は初めてということもあり、ルールを確認しながら進めてみたため滅茶苦茶時間がかかってしまった。て言うか、このシステムを初見で回せるほどの鋭敏な頭脳はないわ。とにかくさまざまな要素が密接に絡み合っているし、どれくらいの軍勢で、どれくらいの準備をしてから攻め込めばいいのかという案配が分からないと、今回のようにヘタを打つと。一応、慣れればもっと上手く回せそうな気もするし、何回も練習してみたくなるシステムではある。プレイは酷かったけど、ゲームそのものは好感触。また近いうちに、練習的に動かしてみよう。