Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

GMT「Men of Iron」Poitiers Solo-Play AAR

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先日購入した「Men of Iron Tri-Pack」から、ポワティエ会戦(1356年)をソロプレイしてみた。12年前にも一度ソロプレイしているが、「Tri-Pack」版ではゲームとしてもシナリオとしても改訂されているようだし、それがどう機能するのかなと。

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こちらが守勢のイングランド軍。総司令官エドワード黒太子を中心として、生け垣を盾にロングボウ兵がずらりと並んでいる。ロングボウの射程は一応3ヘクスまで届くが、3ヘクスでは命中しにくく、2ヘクス、1ヘクスなら当たりやすい。

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こちらが攻めるフランス軍。四波にわたる波状攻撃をかける戦闘隊形となっており、第一波は騎乗の重装騎士+ジェノヴァクロスボウ兵という組み合わせ。クロスボウも3ヘクスまで届くが、3ヘクス目ではロングボウよりも命中率が悪く、2ヘクスで修整なし、1ヘクスなら当たりやすい、という設定。フランス軍の第二波、第三波、第四波はいずれも下馬状態の重装騎士。これだけの人数でかかれば勝てるだろうと思いきや、場合によっては全戦力を投入する前に、ユニットの離脱・全滅によって軍全体の規定逃走ポイントが累積していき、敗北チェックにしくじってゲームに負けると。

また「Blood & Roses」から導入された「奪取(Seizure)」カウンターは、イングランド軍4枚、フランス軍3枚という設定。全部で8枚ずつ用意されたカウンターの中からランダムに引いた結果、イングランド軍は「手番奪取0-7で成功」「相手の奪取キャンセル」「1離脱ユニット回復」「突破(1防御ユニットに対してショック戦闘/突撃ダイス+1)」という内容。フランス軍は3枚とも「手番奪取」となった。

まず先手・フランス軍第一波、ザールブリュッケン伯の部隊が前進開始。しかし先手の先鋒を任された2個重装騎士のうち、Clemontはイングランドのロングボウに射られ、馬を失って下馬状態に。それでも果敢に攻撃したものの、あえなく混乱して1ヘクス後退。もう一方のAudrehemは、騎馬状態を維持しながらも、生け垣に阻まれ混乱。ジェノヴァ兵たちは、射程ぎりぎりの3ヘクスからクロスボウを射たが効果無し。それに対するイングランド兵のカウンター射撃も外れっぱなしだった。

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ターン制のゲームではないので、ここからは手番を奪い合ったが、おおむね双方が手番を交互に行う展開となった。ジェノヴァ兵たちは、イングランド兵との射撃戦に撃ち負け、ほぼ全滅。ザールブリュッケン伯の騎士隊は、何度も正面攻撃を続けたが、ことごとく跳ね返され、一時は4ユニットが離脱(後方の軍旗マーカーの位置へ後退)し、ザールブリュッケン伯が孤立する事態に。一応、軍旗マーカーを活性化させて、離脱ユニットを回復、前線へと戻したが、すでに第一波は壊滅的な被害を被っている。そこでフランス軍は、後方に控えていた第二波、シャルル王太子の徒歩重装騎士部隊を前進させた。しかしここまでイングランド軍は無傷である。

フランス軍第二波、シャルル王太子の部隊は、イングランド軍のロングボウの射程外を迂回しつつ、右翼へ回り込んだ。これに対してイングランド軍も、総司令官エドワード黒太子直卒の部隊を活性化。右翼の強化に回らせた。

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シャルル王太子の部隊は、イングランド軍側面に襲いかかったものの、溝(Ditch)を利用したイングランド軍に跳ね返され、ことごとく敗退。またイングランド軍正面右翼を守っていたソールズベリー伯のロングボウ部隊が、右翼へと向きを変え、動きの鈍いフランス軍徒歩重装騎士を次々と射倒していく。

この累積的な損害を見て怖じ気づいたか、フランス軍第三波のオルレアン伯(この時若干20歳、戦闘経験が少ない)が部隊もろとも遁走。フランス軍は、いよいよ最終第四波、国王ジャンII世の部隊を前進させた。

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しかし黒太子エドワードも、溝から部隊を突出させて、シャルル王太子の部隊を包囲。包囲下に置かれたシャルル王太子の重装騎士たちは、後退できずに次々と除去。フランス軍の敗走ポイントも一気に累積し、敗北チェックにもしくじり、ここでフランス軍の敗退と相成った。

……とまあ、展開そのものは12年前と変わらず、フランス軍第一波、第二波の壊滅でシナリオ終了。ただ、プレイの細かい手順に関しては、たしかに違いもあって、特に旧版では存在しなかった「奪取」カウンターは面白い処理だなと。時間マーカーは、たしかにそれがあると、時間を妙に使うようなことはしないだろうけど、あくまでヒストリカルな戦闘をなぞりたい人には不要かもしれない。このシナリオにしても、わざわざフランス軍先鋒の騎士がイングランド軍に挑発されて突出しているとか、オルレアン伯がビビって逃げてしまう等、史実的なフレーバーが含まれているので、競技的ゲームとして必死に勝敗を目指す作品でもないだろうと。あくまで設定された会戦状況の中で、手番の奪い合いを楽しめればいいんじゃないかな。