Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

GMT「Men of Iron / Infidel / Blood & Roses」Tri-Pack

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2020年に発売された、GMT「Men of Iron Tri-Pack」を(すでにメーカーでは品切れだったので)Noble Knight Gamesから購入。本作は、中世会戦級「Men of Iron」(2005年発売)と、それに続くシリーズ第2弾にして十字軍編「Infidel」(2011年発売)、第3弾にして薔薇戦争編「Blood & Roses」(2014年発売)をまとめてワンパックで再販したもの。さらに言うなら「C3i 22号」に掲載された、同システムのアジャンクール会戦シナリオも再録されている。

自分も2009年に「Men of Iron」と「C3i 22号」を購入して、ポワティエ会戦だけプレイしたものの、時間無制限というシステムが今ひとつ間延びしているように感じ、後に手放してしまった。以前のルールでは、プレイ時間をいくらでも使って有利な状況を作り出せてしまったので、それはそれでウォーゲームとしてはアリなのかもしれないけれど、シミュレーション派(笑)の自分としては、なんか違うなと。

ところが最新の「Men of Iron」ルールでは、選択ルールながらも時間制限が用いられていると知り、だったらもう一度触れてもいいかなと思い、再購入した。まあ、本当は3作それぞれ別個の箱作品として購入し、個別のボックスアートを堪能したいところだが、収納スペースを考えると、こうして3in1の形で買う方が正解なのだろう。

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こちらがシリーズ第1弾「Men of Iron」の内容物。旧版はもう手元に無いので比較はできないが、ルールブックは、最新ルールを適用した形になっている。

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収録されているのは、ファルカーク(1298年)、コルトレイ(金拍車)(1302年)、バノックバーン(1314年)、クレシー(1346年)、ポワティエ(1356年)、ナヘラ(1367年)の6会戦。「Men of Iron」のサブタイトルが「歩兵の再誕(Rebirth of Infantry)」なので、歩兵が騎士を破った戦いが中心になっている。いずれもハーフマップなので、規模的には扱いやすい。

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こちらが「Men of Iron」のカウンターシート2枚。装甲騎士(騎乗と下馬状態あり)、装甲歩兵、パイク兵、長弓兵など、一般的に中世の戦いでイメージされる兵種が揃っている。「Men of Iron」は、ルール自体は簡単なので、ユニットの能力値も防御修整(堅さ)と移動力だけだが、兵種の組み合わせによる有利・不利もあり、ちょっと種類の多いジャンケンのような趣も。

一方、各フォーメーションを率いる指揮官は、指揮範囲、移動力に加えて、活性化値、効力値(連続活性化できるかどうか)があり、一応、個性化が図られている。

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こちらは「C3i 22号」収録のアジャンクール戦(1415年)シナリオ。雑誌収録版もそうだったが、これだけヘクス径とカウンターが大きくなっている。またルールブックには「Infidel」「Blood & Roses」の特殊ルールも記されており、3作共有のルールブックになっている。

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こちらはシリーズ第2弾・十字軍編「Infidel(異教徒)」。これが発売された当時は『うーん「Men of Iron」の第2弾かあ、ちょっと気になるけど、アレって微妙なゲームだったよなあ……』と思いつつスルーしてしまったが、結局はこうして手元に来てしまった。

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収録されているのは、ドリュラエウム(1097年)、アンティオキア(1098年)、アスカロン(1099年)、ハラン(1104年)、モンジザール(1177年)、アルスーフ(1191年)の6会戦。アンティオキアとアスカロンは1/2マップ、ハランとモンジザールは3/4マップ、ドリュラエウムとアルスーフはフルマップと「Men of Iron」より戦場規模が大きくなっている。とは言っても、地形的には茫漠とした砂漠が広がっていて、自分もフルマップ規模での「Men of Iron」システムは試したことがないので、とても気になっている。

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兵種としては、イスラム側の(ヨーロッパの装甲騎士とは異なる)重騎兵や、騎馬弓兵などが目立つ。同じ古代~中世の会戦を扱うGBoH(Great Battles of History)シリーズもそうだが、異文化の異なる兵種が戦うあたりがこの時代の会戦の興味深いところかなと。

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そしてこちらがシリーズ第3弾にして薔薇戦争編「Blood & Roses」。これが発売された2014年は、いったんウォーゲームの断捨離を始めた時期だったので、今さら「Men of Iron」の続編なんて要らないなあ、と思っていたが結局(以下同)

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収録されているのは、第1次・第2次セント・オールバンズ(1455年、1461年)、ブロアヒース(1459年)、タウトン(1461年)、バーネット(1471年)、トュークスベリー(1471年)、ボスワース(1485年)の6会戦。こちらも「Men of Iron」同様、いずれもハーフマップ規模。

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「Infidel」は異文化間の会戦だったが、こちらは同族同士の戦いなので、異種格闘技戦的な楽しみは無い。しかもすでに全軍が装甲化されているのか、両軍はもちろん、騎士も歩兵も弓兵すらも防御修整が一律ゼロと均質化されている。もちろん兵種間の有利・不利は依然としてあるのだが、ちょっと面白みに欠けるような……いやいや、騎士同士の戦いがしたいなら「Blood & Roses」なんだよな。シェークスピアの「ヘンリーVI世」や「リチャードIII世」に代表される、薔薇戦争そのものへの興味があればモチベーションも上がるかも。

またこの「Blood & Roses」から「奪取(Seizure)」マーカーなる、便利チットルールが導入され、シナリオで指定された枚数を引いて隠し手札とし、手番の割り込み確率を上げたり、割り込みをキャンセルする等、活性化ダイスの振り合いだけで終わらせない造りに変わっている。

とまあ、なんだかんだ言いつつ、また買ってしまったので、いずれ時間制限ルールを加えて、再挑戦してみたい。中世会戦級はVae Victis誌に付いていた「By the Edge of Sword」シリーズもお気に入りだったが、そちらももう手放してしまったし、時間制限ルールを加えた「Men of Iron」システムがそれを凌駕してくれるといいのだけれど。