Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退したウォーゲーマーの日記

VUCA Simulations「Operation Theseus : Gazala 1942」

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昨年購入した、WWII大隊作戦級「Across the Bug River」と同じシステムの新作「Operation Theseus」を「小さなウォーゲーム屋さん」から購入(日本語ルール付)。シリーズ第3弾となる今作のテーマは、1942年の北アフリカ、ガザラの戦い。史実的にはドイツ=イタリア枢軸軍が、イギリス連邦軍が守備するナイツブリッジ~ビルハケイムといった陣地線に対して攻撃をかけ(または迂回して後方に進出し)、最終的にはトブルク要塞を陥落させ、その功によってロンメルは元帥に昇進……というお話。ゲームタイトルにもなっている「テーセウス作戦」とは、枢軸軍側の攻勢作戦名とのこと。テーセウスはギリシャ神話の英雄名で、牛頭の怪物ミノタウロスを倒した人。

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シリーズ前作同様、本作の地図盤もハードボード仕様。海岸沿いのトブルク要塞から、ビルハケイムに至る地域が収められている。両軍の地雷原も描かれており、地雷原突破アクションに成功しない限り、敵地雷原は通過できないし、スクリーン移動(ZOC to ZOC移動)もできない。また「Across the Bug River」には無かったが、本作では各フォーメーション司令部に工兵値が記され、敵地雷原突破に対して有利な修正を与えるようになっている。

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戦闘の焦点のひとつ、要衝ビルハケイム陣地。このビルハケイム戦だけを扱った、GTS(Grand Tactical Series)「No Question of Surrender」をプレイしたの、もう10年前か!

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カウンターシートは4枚入っているが、戦闘ユニットは1枚(104個)に収まっている。シリーズ3作の中では最もユニット数が少ないので、遊びやすいかもしれない。

ドイツ軍とイギリス軍戦車ユニットの戦車ポイント(TP)はほぼ互角、ただし有効性(戦闘効率)はドイツ軍の方が総じて上。ビルハケイムを守備していた自由フランス軍は、さすがに有効性が最優秀。イタリア軍は、有効性としてはイギリス軍と互角なんだけど、戦車ポイントは低い。そしてイギリス軍、イタリア軍の一部には諸兵科連合効果(戦力比を有利に1シフト)が適用できないユニットもあり。ドイツ軍の88mm高射砲ユニットは、フリースタックの上、場合によっては追加戦車/対戦車ポイントが得られると。

しかし、このシリーズの場合、本当の両軍の練度差はユニットではなく、各フォーメーションのアクションポイント回復値と、その最大値に表れる。最も高い回復値を誇るのは、イギリス第1機甲師団。回復値が高ければ、毎ターン、ある程度のアクションポイントは担保される。最大値で言えば、ドイツ第15、第21装甲師団、第90軽師団が最優秀。ポイントさえ貯めれば、1ターン内でかなりの行動が行える。イタリアのアリエテ戦車師団も、回復値、最大値、ともに決して悪い数値ではない。

また各フォーメーション司令部の指揮範囲、支援値にもその差が表れているし、実際プレイしてみると、頼りになるフォーメーション、頼りにならないフォーメーションが分かるかと思う。

また司令部に関しても、シリーズ前作では移動力が設定されておらず、アクションポイントを消費して再配置する形になっていたが、北アフリカの機動戦でそれは上手く機能しないんじゃないかと思っていたら、やはり本作に限っては、司令部に移動力を設定し、他のユニットとぐりぐり移動できるようになっていた。まあ、そうよね。

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「Across the Bug River」同様、チャート、配置ディスプレイ、管理シートもハードボード化されている。耐久性は良いだろうが、物理的に重いので、ゲーム例会などに持って行く派の人は大変よね。個人的にはソロプレイが多いし、「Across the Bug River」をプレイした時も、管理トラックをまとめたシートが入っていて助かった。

その「Across the Bug River」は、1941年バルバロッサ作戦時のドイツ軍vsソ連軍という、練度差のある対決だったが、こちらの「Operation Theseus」ではそこまで両軍に差は無いので、より互角な戦いになるのでは?と思っている。すでに基本的なゲームシステムは経験済みなので、細かい追加ルールを確認して、近いうちにプレイしてみたい。