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After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【戦国群雄伝】Game Journal #68「西国の雄:毛利輝元の野望」

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2018年発売のゲームジャーナル68号も購入。こちらもまだ在庫があったので通常価格で。付録は戦国群雄伝シリーズの中国地方編「西国の雄:毛利元就の野望」。毛利氏、尼子氏、大内氏の抗争を扱うシナリオが4本(折敷畑、厳島郡山城大内氏滅亡)収録されている。

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毛利元就と言えば権謀術数的なイメージが強いが、戦国群雄伝システムだと、そういった陰謀能力を表すのが難しい。ツクダ版「西国の雄」を買った時も、毛利元就のレーティング(★★334)に一応納得はしたものの、どこか釈然としない部分もあったように思う。尼子軍は、ユニットこそ多いものの、総大将が行動力2という頼りなさ。大内軍の総大将に至っては、さらに野戦修整も0という酷さで、陶晴賢(★223)が謀反を起こしたくなる気持ちも分かる。

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ちなみに我が家では、この「西国の雄」はちょっと不憫なゲームだった。と言うのも、たしか1988年の11月頃発売されたので早速入手し、毛利元就ファンの友人もいたので、シナリオ3「郡山の戦い」をプレイしてみたが、今ひとつ盛り上がらなかった。たしかに「関東制圧」のように、上杉謙信(★★344)、武田信玄(★★334)、北条氏康(★★233)と、どの総大将を担当してもハイレベルで頼もしいわけではなく、肝心の毛利も最初は籠城を強いられるのも、状況的にイマイチだった。たぶん、もう少し長くプレイして、大内軍が援軍が来るあたりまで進めれば印象も違ったかもしれないが……いや、たいして違わなかったかもしれない……

そしてすぐ1988年12月に、次作の「九州三国志」が出てしまい、これがまたハイレベルな三つ巴戦……島津義久(★★334)、竜造寺隆信(★★234)、大友宗麟(★★214)だったので、すぐそちらに夢中になってしまい、「西国の雄」はたいして遊ばないままとなってしまったのだ。1988年末に、今は亡き神保町の書泉ブックマートの店頭で、発売されたばかりの「九州三国志」を手にして『えっ、もう次が出たの!?』と驚いたのを今でも覚えている。そのため、このシリーズで一番プレイしなかったタイトルが「西国の雄」なので、もう一度再挑戦したい気もしている。

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またこの号には「秀吉軍記」の「天王山(vs明智光秀)」シナリオも含まれている。旧ツクダ版「秀吉軍記」の明智軍は、まるでドイツ軍SS師団のような黒地に白文字という、いかにも裏切り者的な配色だったが、このGJ版では、家紋の桔梗の色をイメージしたのか、水色になっている。まあ、最近の大河ドラマ麒麟がくる」でも描かれたように、いつまでも明智光秀を悪者扱いするのも良くないのだろうが、あの黒く、禍々しい明智軍ユニットも、本能寺の変という、日本史上屈指の大事件の中心人物という意味では、かなりマッチしていたと思う。