Wargaming Esoterica

After Action Reports & Reviews of Simulation War Games ほぼ引退した蔵書系ウォーゲーマーの日記

【参考文献】「戦国大名」「戦国の陣形」「戦国の軍隊」「城取りの軍事学」

久しぶりに戦国時代のウォーゲームを買ったので、何か軽めの参考文献も読もうと何冊か購入。戦国時代の参考文献は、ここ数年間チェックしていなかったが、世間的には戦国史の研究が進んでいるようで、書店に行くと結構な数が並んでいたりする。とは言え中にはトンデモ系の本もあり、どうせなら真っ当な学者さんか研究者さんの本を読みたいし、内容的にはウォーゲーム寄りのモノを……となると、結構絞られるかもしれない。大型書店に行くと、分厚い専門書も多数あるが、まずは安価な新書・文庫から……ということで、黒田基樹氏の「戦国大名」を購入。こちらは直接ウォーゲームに関連する内容ではないが、近年の戦国大名像が知りたくて入手した。旧来の領土的野心からトップダウン式に軍事行動を起こす戦国大名像だけではなく、ボトムアップ的に辺境に位置する国衆からの要請に応える形で軍事行動を取る……というイメージでも、新しい「戦国大名」ウォーゲームが作れるかも。

次は、もっとウォーゲーム寄りの「戦国の陣形」。もちろん魚鱗だ鶴翼だという陣形の話も出てくるが、より興味深いのは、この時代の兵種別編成についても書かれていること。特に目を惹いたのは、武田晴信(信玄)と村上義清が塩田原で合戦した際に、数的に劣勢だった村上軍が、騎兵、槍、弓、鉄砲を混合させた臨時の決戦部隊を編成し、それをもって武田軍本陣に斬り込み勝利したというエピソード。言うなれば戦国版の複合兵科(コンバインド・アームズ)か。ウォーゲームでも、射撃・白兵能力を兼ね備えた強力なユニットを登場させるという手はあるなと。

そして以前、四六判で購入していた西股総生氏の「戦国の軍隊」「城取りの軍事学」が文庫化されていたのでそれも買い、久しぶりに読み直した。やはり西股氏は、観点や書き方が非常にウォーゲーマー向けだなあと再認識。まあ、そんな感じで、久しぶりに戦国時代を再履修しているような……